RUN ラン
得体の知れないものを飲み込む気持ち悪さ
監督:アニーシュ・チャガンティさん
出演:サラ・ポールソンさん、キーラ・アレンさん、他
娘をわざと障害者にして囲ってる毒親の母親から車椅子を駆使して逃げるスリラーって、設定からしてめちゃおもしろそうじゃないすか!と予告から期待してた「RUN ラン」を観てきました。おもしろかったです!
これまで当たり前だと思っていた生活に、成長に伴ってだんだん疑問が湧いてくるプロセスが大変面白かったです。この主人公はとても頭がよく、大学でより学びたい、もっと学びたいというモチベーションが物語を動かしていく感じが非常に良かったです。
間に合うのか間に合わないのか?とかここからどうやって車椅子だけで逃げるか?みたいな想像していたアクション的なスリラーもおもしろかったけど、想像よりもそこの魅力はやや弱めだったなと感じて(おもしろいことはおもしろいですが)。どちらかというと、私は今何を食わされてるんだろう?この母親なにを考えてるんだろう?というサイコな母親の謎という毒親ホラーのおもしろみの方が非常に冴えてました。
サラ・ポールソンの顔面の強さもあいまり、まじで怖いし。薬や食べ物含め「ものを食べる」という事自体の気持ち悪さが全開で、非常によく出来てて良かったです。薬ってそもそも気持ちの悪いものだし、あのカプセルの色の気持ち悪さも良いですよね。一度疑問を持つと、日々当たり前に食べてたご飯も気持ち悪く感じるという、生理的な気持ち悪さを徐々に上げてく感じも面白かったですし、よく出来てました。
母親のサイコ感が剥き出しになる地下でのあれやこれやもマジ怖かったなぁ。得体の知れないものを体に入れられる恐怖。なにあのドロドロの液体?汗 母親がやたら医療的なことの手際がいいのもキモくて良かったですね。
クライマックスの病院パート、おもったよりもあっさりとしたクライマックスだったけど、前述したように大学でもっと学びたいという「未来」への思いが物語を動かすというのがシンプルに良かったです。
そしてこの映画で最も良かったのが、ラストシーン!この母親にこの子ありな最高のラストシーン。今年1番のラストシーンのキレだなぁと個人的に思いました。「お薬の時間よ」。全体的に意外とあっさりしてたなぁとか思いましたけど、この清々しいまでのキレキレのラストで大満足に終わりました。大変楽しみました!