瞬間最大風速女優前田敦子
監督:松居大悟さん
出演:成田凌さん、他
「くれなずめ」を観てきました。予備知識なし、予告も観てなかったですが、ポスターのキャスティング一覧がなんとなく良さげだったもんで。
うーん、好きなところもたくさんありましたが、全体としてちょっと肌に合わない映画でした〜!
前半が特にそうなんですが、男たちのわちゃわちゃにのれるかのれないかがかなりキモの作品だと思うんですよね。私はそこにのれず、かなり退屈した前半戦でした。「あの頃。」が今年ありましたが、あれはハロプロという軸が1本あるし、なにより私自身がハローが好きなのでのれたんですが、こっちはちょっとあまりに中身がなくノリも個人的に苦手なノリでキツかったなぁ…。途中で成田凌が既に死んでることがわかりますが、じゃあだからと言ってこのわちゃわちゃが尊いものに見えるかと言うとそうでもなく(演技のテンションもあると思うのだが)、全体としてかなり退屈だしノリがきついなと思いながら観てました。
やりたいことはわかるんですよね、それこそタイプや構造は違いますが「横道世之介」的なと言いますか、死んでるからこそ「あの頃のあの感じ」みたいなのを振り返って尊く思えるみたいなのがうまく観客に伝わればいいんですが、そこはぜんぜんうまくいってない気がしました。同じことをやろうとしてうまくいってる作品が色々浮かんでしまったのも不幸なところで。
男性陣のキャスティングはものすごく良いし旬だし、しれっと死んだやつが混じっててそれをあえて周りが突っ込まないという設定も最高。だからこそ全体の味付けというか、テンションとノリをもうちょっと調整して欲しかったなぁとは思います。しれっと死んだやつが混じってる感じ、この設定はかなり気に入りました。
あと、この映画で1番良かったのは前田敦子。ちょっとしか出てきませんが、前田敦子が出るシーンはどれも瞬間最大風速が出てて、やっぱすごい女優だなと改めて思いました。前田敦子に最大瞬間風速が来る時点でやっぱうまくいってないのかなぁとは思いつつ、でも最高の前田敦子を観ましたね。
前半はキツいですが後半の巻き返しは良くて、特に成田凌が死んだことを各自が知るシーンの回想はどれも良かったし見応えありました。ここがうまくいってるだけにやっぱ前半で私が乗り切れなかったのがもったいなかったなぁ。
クライマックスの斜め上行く展開がいくつかありますが、死んだシーンの回想の余韻が吹っ飛んだのは事実で(いい意味でまでわるい意味でも)、全体的にやってること自体は嫌いではない映画でしたが、全体の味付けがやや肌に合わず。個人的にはくれなずめず、明日にも忘れそうな映画でした。