るろうに剣心 最終章 The Final
谷垣アクションの総決算
監督:大友啓史さん
出演:佐藤健さん、新田真剣佑さん、他
一年公開を延ばし、やっと公開したのに、公開初週で緊急事態宣言に突入という可哀想すぎることになってしまった「るろうに剣心」の最終章の1本目。あんまりシリーズに思い入れはないんですが、さすがにことがことなので応援の気持ちで初日にお金を落としてきました。どうなっちゃうんだ映画業界!!
てなわけで、今回のるろ剣ですが、とにかく谷垣さん率いるアクションが凄まじい!!と大感動したのですが……したのですが……。という感じでした。なんかいつもるろ剣実写はこのテンションだな…というね。
ともかくマジでアクションは凄い。シリーズ最高のアクションシーンの連続。魅せ方といい、アイディアや役者の頑張り、空間の使い方やたてそのものにいたるまで、どのアクションシーンも物凄い見応えでアクションはとても感動しました。これはすごいよ!!谷垣さんのアクションの集大成的な熱も伝わってきて、アクションシーンになるたびに心震えました。どれほどの打ち合わせと訓練とリハを重ねたのだろうか…本当にアクションチームには頭が下がります。
が、問題は「アクション以外のシーン」なんですよね。これって過去作品どれもに毎回おんなじこと言ってる気がするんだけど、とにかくアクション以外のドラマ部分が鈍重で単調。話運びが異常に下手で、そこがかなり気になる…という過去作から何も成長してない感じがとにかくもったいなかった。アクションが突出しているだけに、大友さんのドラマ部分の演出と脚本が映画全体としてかなり足を引っ張ってるのでは、と思わざるを得ない…という。
ドラマ部分で明確に全体のテンポが停滞するというか止まると言っていいくらいで、会話シーンなんかの構図が基本的にバストショットの切り返しの連続、思ったこと全部セリフで叫び散らかす脚本のダサさ、など、安いテレビドラマ見てる感覚になるのですが、そこを我慢すれば実に映画的なアクションが始まり引き込まれる…という実にチグハグな映画でした。谷垣さんが関わってないシーン全部つまらないというのが、このシリーズ全体の弱点でしたが、今回もまさにそれでした。
あと、1番気になった点が次に公開される最終章のもう一本の方のこと。この映画にBeginningのあらすじというか内容を回想シーンでダイジェスト的に全部入れちゃってて、それがなんなら今回の話の軸になっちゃってるんですよね。もう何が起きるのかある程度わかった状態で、現状、僕あんまり次作のbeginning観たい!とは思わなくなってる…というのはかなり問題なんじゃないかなと思ったりします。このままでは次作が答えのわかった答え合わせ状態。なにも新しいものが見れそうな気がしない…。これは二部作としてどうなんだろうか(笑)エンドロール後に次作へのフックもなかったし、二部作にするならもうちょっと脚本工夫しないと、これは次作がかなりキツい戦いにならないか?そんな要らぬ心配をしてしまった今回のるろうに剣心でした。
アクションは凄かった!このアクションは観る価値あり。ただ、逆に言えばそこしか魅力がない映画とも言えて、色んな意味でもったいないなと思いました。
あと、ラストバトルのクライマックス、決着のシーンで必ずこのシリーズは女性キャラが邪魔に入りますよね(笑)この展開、何回やるの?と、今回も思いました…。まぁ、次作でも起こるんですが(確定事項)。あんまりこのクライマックスでヒロインが横入りするお決まりのクライマックス展開が好きではないなぁ。