パーム・スプリングス/変化の積み重ねこそが、毎日だな。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




パーム・スプリングス


変化の積み重ねこそが、毎日だな。
監督:マックス・バーバコウさん
出演:アンディ・サームバーグさん、クリスティ・ミリオティさん、他


各所で絶賛されていたので「パーム・スプリングス」を観てきました。これがめちゃくちゃおもしろかった!!


この手のタイムリープものは色々見てきましたが、観客も「この手のやつきた!」と、タイムリープものがもう型になってるため、既に男側はとんでもない回数この日を生きている設定から始まるという、無駄な説明シーンが必要のない非常にテンポの良い話運びには笑いましたし愉快でした。そうかもはやタイムリープものはいきなり本題から入れるんだ!というのは今回で発見した感あり。

(恋はデジャヴを下世話に2人にした感じもあり)



1人でタイムリープを繰り返す映画は色々ありましたが、男女2人でタイムリープを繰り返して恋愛映画(恋愛についての考察映画)にしたという切り口がまたフレッシュ。行き着く先が「2人でいるのに、1人でいるよりも寂しい」的な倦怠カップルものになってく流れも非常に好みでしたね。


そしてなによりありそうでなかったのが、このタイムリープへの決着の付け方で。ヒロインが現状を打開すべく物理学とか量子力学とかをめちゃくちゃ勉強して、このタイムリープの構造を解明するという流れ!これが良かった!ここが何よりも最高でした。しかも男側は何もせずただただ嘆き、落ち込むばかりというのも良かった(笑)あるあるだなぁ(笑)

とかく精神論的な解決が多かったこの手の作品の中で、しっかりと科学で勝負するというのはものすごく気持ちが良かったし、それを通して明らかにヒロインが人としても成長していく感じが最高。最後の結婚式での顔やスピーチなど、女優さんの演技が素晴らしかったなぁ。まったく違う人間にちゃんと見える。

この人との日々が毎日続けば良いのにという最高な日も、なんであんなこと言っちゃったんだろうという最低な日も、日々が続いてこその人生で、そこに必要なのはやはり「変化」で、パートナーの変化や成長を受け入れること、変わり続けることこそが恋愛であり結婚なのかもなと、「花束みたいな恋をした」でもぶち当たった問題を考えたりもしました。タイムリープSFコメディですが、結婚についての寓話としても見れました。「毎日!」という言葉は尊い。


全然関係ないけど何となく思い出した曲↓




テンポよし、切り口よし、コメディとしてのおもしろさ、意外と真面目な恋愛哲学ものとしても、かなりの見応えで大満足の一本でした。楽しかった!