魔女見習いをさがして
大きな声で ピリカピリララ
監督:佐藤順一さん、鎌谷悠さん
出演:森川葵さん、松井玲奈さん、百田夏菜子さん、他
私、ザ・ゆとり世代。つまるところ平成初期生まれ、おジャ魔女どれみはドンピシャ世代でございます。歴史的名曲「おジャ魔女カーニバル‼︎」なんかはDNAに刻まれているレベルで。
「魔女見習いをさがして」の企画を聞いたときに「どれみを見て育った3人の女性が主人公」と聞きまして。これは行かなければならないと思ったので、行ってきました。
とてもグッときました(涙)
平成生まれって基本的に未来に希望がない世代だと自分でも思ってて(笑)まぁ実際そうだと思うんですよね、このどん詰まり感。
この映画でも3人のどん詰まり感が描かれるけども。でもこんな世界での唯一の救いとしてフィクションというものがあるんだと思うんですよ。それこそ魔法ですよ、フィクションであり物語というのは。おジャ魔女であり、そのほか色んな物語に希望をもらいながらこの残酷な世界をギリ生きてきたわけでさ。そんな我々世代、平成生まれのアラサーたちに、20年越しの愛ある真摯なメッセージをくれるこの映画にはなんかたまらんもんがありまして。涙が出ました。泣いたなぁ〜。過去に振り返りノスタルジーに浸されつつ、元気を(魔法を)もらってさ、映画館を出るときにはなんだか少しだけ前を向けてるような、そんな平成生まれおジャ魔女育ちの私にとっては、セラピーのような映画だったかな。まぁ「平成生まれを殺しにいく」という作り手の確固たる信念を感じたし、それがことごとくうまくいってると思う。おジャ魔女だけでなく、これまで摂取し支えられてきた物語やフィクションを愛することの可能性とポジティブさを高らかにうたいあげる感じも超好き。
クライマックスとかそりゃ泣くよね〜。あんなもん見せられたらそりゃもう敵いません。ノスタルジーの暴力だよあんなの!(笑) 「でもね もしかして ほんとーに できちゃうかもしれないよ!?」っていう歌詞が昔から好きでね。それこそ、映画を観て「できちゃうかもしれない」と勇気をもらってきた身なので、なんか映画を観た後だと余計におジャ魔女カーニバルは響いたなぁ。そして元気をもらいましたし、ポジティブな気持ちになれるちょっとドンピシャリと様々なピースがハマりすぎた一本で、抗えないタイプの作品でした。それこそ「ハッピーラッキーみんなにとーどけ」という気持ちですよ!
あと、ゴリゴリにおジャ魔女をもう一度復習せずに行ったのがよかったです。子供の頃に見た様々な風景やエピソードが劇中の作品を見て掘り起こされる感覚がとても良かったです。あんなエピソードあったあった…と。
ままならない現実は今日も我々の目の前にあるわけだけども、「大きな声でピリカピリララ」で生き抜いていきたいと思う。全体的になんというか「ありがとうー!」という気持ちで観てました。忘れがたい映画になりました。