mid90s ミッドナインティーズ/危うさと愛おしさ | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




mid90s ミッドナインティーズ

危うさと愛おしさ
監督:ジョナ・ヒルさん
出演:サニー・スリッチさん、他



少し遅れてこちらにも回ってきた「mid90s 」を観てきました。みんな大好きジョナ・ヒルが監督デビュー作ということで観ないわけにはいきません。

とても好きな映画でした〜!



男の子映画としてかなり良くて、男の子というものの生態をよく捉えた映画だと思いました。振り返って、よく俺はあの時あんな危ういことをしてたな!とかなんて痛々しいことをしてたんだ!と思うことってあると思いますが、この映画はずっとそれを思い知らされるような映画でした。

でも、その危うい痛々しさみたいなものを完全否定するわけではなく最終的には、「みんな子供だったのだ」というところに落とし込むのがかなり好みで、そんな痛々しい思い出や危うい体験も、それを含め包み込みノスタルジックなところに着地させるというのがすごく良かったです。最後の母親からの視点で見る病院の待合室で眠るあいつら、というショット。あれを最後に入れたことがこの映画の肝だったなと思いました。



私も弟がいるので兄弟ものとしてすごいリアルだったなぁと思います。あんなに暴力的なやりとりはなかったけど、いろいろあってもそのあとしれっと2人でゲームしてるとか、弟が背伸びして兄の趣味に合わせていくとか、あと何より母親との関係の兄弟での微妙なちがいとか、兄弟ものとしても見どころたくさんでしたね。

母親描写はことごとく涙腺を刺激させられたなぁ〜「なんでこんなに心配させていたんだ俺は!」と自分を振り返って痛々しい気持ちになったり、でもそれ自体がなんだか愛おしかったり、いろんな気持ちになった素晴らしい青春映画でした。