呪怨 呪いの家
終わりがない という 呪い
Netflixで呪怨をドラマ化、監督は三宅唱で脚本に高橋洋の名がある。この座組でワクワクしないはずかがなく…今年1番楽しみにしていた企画がついに配信開始。配信初日すぐに全6話3時間を一気見しました。
物凄くおぞましく、忌々しく、絶望と不条理を浴び続ける3時間。画面から出てくる圧が凄まじく、めちゃ凄いドラマでした。
荒川良々さんがすごい良かったですね。主人公の設定として新鮮でした。不条理で禍々しい呪いをただ見ることしかできない、体験させられるが関与はできない、自分は殺されないというこのバランス感覚が良かった。それはこの事態を見ることしかできない観客の目線でもあるし、無理やりその場で観客も体験させられてしまうという物語と観客の目線がピタリとあってました。
この主人公のモデルが高橋洋本人なのだとすればもっと怖さが増すなぁとも思いましたね。語り部である主人公=高橋洋、どんなものを見てきたらこの脚本が書けるのだろう…、と聞きたいけも、聞いたらもう戻れない気もするそんな怖さがありました。
あともう一個、新鮮だったのは、まぁ内容なんですが。実録犯罪もの的な要素を話の主軸に置くとは思わなかったし、そこがかなりフレッシュに感じました。あと呪いの家に行ったからといってそこで即死するわけではないというがかなりミソだと思います。静かに人生が何か忌々しいものの影響を…受け、壊れていく。静かに狂っていく。この感じがまじ怖いし妙な説得力というかリアリティがあるなと思いました。そこが実際に起きた禍々しい事件へと伝播していく。作中でテレビにいくつも出てくる有名事件の速報とか、どこまでがこの家の影響を受けてるかわからないけど、でもこんなデカイ事件に隠れ、静かにしかし確実にこの家の影響で人生が狂い、とてつもない不条理と恐怖で死んだ人は確実にいるんだな、と思わせるものがありました。あと、事件つまりは「呪い」の中心がある女性への犯罪で、、時代を超えても1本の線で繋がっており、それがループするというのも良かった。女性キャラクターの扱いについていろいろと批判も起きてますが、僕は、その「女性への犯罪や根本にあるミソジニーはいくら時代がめぐってもずっと続いてて、そこには終わりがないという絶望」こそが今回の呪怨の「呪い」であり話の軸だと思ってます。だからめちゃくちゃキツいんだけど、だからこそ「暴力」や「不条理」に対して、とても真摯な作品であったなと思いました。
あと、この映画で何が1番怖かったかってあの不動産屋のおじさんなんですよね。あの人については最後まで謎だったけど彼はどこまで知ってるのか、てか何者なのか…など考えだすと1番思考が止まらなくなる人物は彼だと思う。中盤の警察の人と不動産屋のおじさんの会話とかめちゃくちゃ怖いというか、なんかまじ不気味で。彼はなんなの?過去に起こった事件に関して不動産屋のおじさんの記憶と警察のおっさんの言うことが微妙に食い違うとことか、なんかすげぇ怖いんですよね。不動産屋問題というのは呪怨とは切っても切り離せないものですが、今回の不動産屋はまじで怖かった。悪魔の使いという感じすらしましたね。まぁ実際そうなんだろうし、だから生きてるんだろうけど……。
何回見ても怖いオリジナルビデオ版。↓
最近の高橋洋ワークス↓
最近の三宅唱ワークス↓