【ベストテン】そーす太郎の2019年映画ベスト10 | そーす太郎の映画感想文

そーす太郎の映画感想文

しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

いやぁもうベストテンの季節とは早い早い。

 今年はここ数年でも「あぁ〜見逃したなぁ〜」という映画が多かったかなぁと思います。あと「アベンジャーズ」「ゲーム・オブ・スローンズ」「スター・ウォーズ」という三代コンテンツがすべてとりあえず終結するという一見するとどでかい動きもあったけど、全体的には作品が小粒な印象でしみじみと良い小品が多かったかなぁ。


そんな私の今年のベストテンですが、過去最高に邦画が多いという結果に。テーマもなんとなく同じような作品が並んだような気がします。てなわけでベストテンです。

 


 

【そーす太郎の2019年映画ベスト10】


①アベンジャーズ エンドゲーム

②僕はイエス様が嫌い

③美人が婚活してみたら

④宮本から君へ

⑤殺さない彼と死なない彼女

⑥愛がなんだ

⑦ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

⑧FYRE 夢に終わった史上最高のパーティー

⑨よこがお

⑩ i 新聞記者ドキュメント

 

 

 というわけでこんな感じになりました。

今年のテーマは「ままならない人生とどう向き合うか」という感じの作品が並んだかなぁと思います。今年は特に主人公が悩み、追い詰められ、壁にぶち当たるという展開の映画が多かったですし、じゃあそこからどう抜け出す?どう向き合う?とこちら側に訴えかけてくるような、ギリギリのところで希望を提示されるような、そんな映画が刺さりました。では一本ずつ軽く振り返り。




①アベンジャーズ エンドゲーム


1位は「アベンジャーズ エンドゲーム」ですね。これはちょっと別格というか、あまりに凄すぎました。映画を見続けるとこんなご褒美があるんだなぁと感慨深いし、これからも僕はリアルタイムで映画を追いかけ続けようと、改めて思った1本でした。そんなこんなでもうこのアベンジャーズ エンドゲームは1本の映画という枠を超えてて、この11年間20数作品の思い出とか思い入れがこの映画の魅力の大部分になってるので、これはそうそう誰にも真似ができない。11年分の世界中のファンの想いを乗せた「アベンジャーズ、アッセンブル」シーンはここ数年でもトップレベルの興奮を味わいました。あらゆる意味で圧倒的な作品です。




②僕はイエス様が嫌い


2位は「僕はイエス様が嫌い」。今年観た映画では最も低予算の作品だと思いますが、あらゆる作家がやってきた「神の沈黙」というテーマを日本の田舎町で20代の監督がサラリと描き切った素晴らしい作品でした。あらゆるシーンが忘れがたいのですが、本当は見えてなかった流星群とか泣きまくったし、なにより文字通り神の視点になるラストシーンが本当に素晴らしい。否定否定ときて、でも彼と出会ったあの雪のグラウンドのあの瞬間は確かに神はいた、というかずっと見てた。この世は不条理だけどギリギリのところで希望を奇跡を信じさせてくれるそんな視点の優しさに泣きました。ちなみにカトリックの私の母はこの映画が大好きになったらしく劇場で4回見てました。




③美人が婚活してみたら


「勝手にふるえてろ」の大九監督の新作「美人が婚活してみたら」が3位。勝手にふるえてろはあれほど話題なりましたが、こちらはあまり話題になってないというかそもそも見てる人が少ないのがもったいない。タイトルの響きからは想像できないくらい、とにかく主人公を徹底して追い込み、「自分」というものと向き合わせる大九監督の視点はキツいんだけど、ものすごくきちんと主人公と向き合った真摯なドラマだと思いました。自分は自分でしかなく、自分であることからは逃れられない。じゃあどう自分と向き合う?そんな映画で死ぬほど刺さりました。




④宮本から君へ


個人的に真利子哲也監督の最高傑作だと思った「宮本から君へ」が4位。とにかく圧倒されたという言葉がぴったりなほど画面から出てくる熱量が異常で、しかも画面がものすごくビキビキ。宮本から君へ、の「君へ」はヒロインへ、だと思うんだけど、エンドロールを観終わった時の気持ちはこの映画は「宮本から観客へ」「これをみてるあなたへ」ということだなと思えてきますね。あなたは、愛する人のために、どこまでできますか?戦えますか?どストレートな愛のためにどこまでできるかの問いを「あなたへ」問いかけてくる。狂おしくも愛おしい真っ直ぐなどストレート映画でした。




⑤殺さない彼と死なない彼女


観るまではこんなに好きな映画になるとは思ってもなかったし、なんか考えれば考えるほど好きになっていってまだそれが続いているのがこの「殺さない彼と死なない彼女」。繋がってないと思っていたところが繋がってくるし、人間って思ってもないところで誰かに影響を与えていたり、なんてことないことが、まわりまわって誰かの人生に影響を及ぼしたりもする。時系列は同じだと思って3組の話を見てたからより感じるけど、桜井日奈子の未来に向かう気持ちが次の誰かの未来を、青春を、繋いでいくというのが切なくも愛おしくて感動しました。未来の話をしましょう。




⑥愛がなんだ


「幸せになりたいっすね。」というわけで「愛がなんだ」が6位。いやぁやっぱりなんだかんだで忘れがたい。個人的に今年のいい夫婦の日に元彼女が2人結婚したこともあり、はぁなんというか幸せになりたいっすねぇと、よりグサグサ刺さりました。全員の登場人物がやっかいだけど、みんながみんな愛おしくて忘れ難く誰かしらに自分を投影できる余白の広さが魅力。今年いちばん喋ってて盛り上がった作品でした。今泉監督はアイネクライネナハトムジークも素晴らしかったし、今後も活躍を期待しています。




⑦ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド


タランティーノの新作が7位です。まずマーゴット・ロビーのシャロン・テートが素晴らしいのは言わずもがな。特に自分が出てる映画を観に行く一連のシーンはほんとにスクリーンで奇跡が起こってる!と、感涙。そして個人的にはディカプリオにものすごくグッときて、子役に褒められてディカプリオが涙するシーンが超好きなんですよね。周りから見ると大したことじゃないじゃんって思われるかもしれないけど、でも我々も働いてるときの喜びってそっと少女から褒められたディカプリオのような、あぁいう瞬間にあるよなと思う。お仕事映画、働くおじさん映画としてもこの映画が大好きです。




⑧FYRE 夢に終わった史上最高のパーティー


Netflixのドキュメンタリー「FYRE」が8位です。ほんとマジで最悪で最高なドキュメンタリーでした。「フェスをする」という言葉から、考えうる限り、いや考えていたこと以上の最悪な事態が起こり続けるという本作。まさに奇跡。めちゃくちゃすぎて笑いながら見てるんだけど、だんだん背筋が凍ってくるというか、僕も仕事柄イベントを主催することとかあるので、ほんとに最悪にして最高の反面教師として、この映画を心に留めておきたいと思います。




⑨よこがお


筒井真理子が凄すぎた「よこがお」が9位。筒井真理子の佇まいの変化、危うさが、が素晴らしくそれが極に達し、まさに愛が憎になってからはもう胃がキリキリキリキリしてみてられないくらい凄かったです。事が起きてからの筒井真理子と市川実日子が対峙するシーンはどれもスリリングだし、後半の公園での対峙は劇盤のケレンも相まってもうタマラねぇものがありました。僕が映画に求めるスリリングさがこの映画にはモリモリに盛られてて、今年見た映画の中でも屈指の映画的興奮を得た1本。最高すぎました。




⑩ i 新聞記者ドキュメント


10位は森監督のドキュメンタリー「i 新聞記者ドキュメント」です。ちなみに「さよならくちびる」「ラスト・クリスマス」「ハンターキラー」「クロール」などと迷いましたがこの映画を10位に滑り込ませました。とにかく望月記者から目が離せないし、まぁ誰かを追ったドキュメンタリーとしておもしろすぎるというのはさすが森達也という感じ。安倍政権ゴタゴタ総復習としてもおもしろいし、なによりラストの森達也のさすがな視点の鋭さには脱帽。森達也監督自身が画面から溢れ出てるのもよかったです。

 




続いてワーストの3本。今年は元から評判の悪い映画は見ないという選択をした年だったのですが…こんな感じになりました。

 

【ワースト3】

①メリーポピンズ リターンズ

Diner ダイナー

③新聞記者


①は見た直後にブログでも書きましたが、「メリーポピンズ」大ファンとして許しがたい最悪な作品となりました。思い出したくないですし、久々に怒り狂った1本。こんなのありえないよ!

②はただただダサかった…。それだけです。

③は評判が良いので言いづらいですが。やりたいこと、やろうとしてることはいいと思うし支持したいんだけど、どうもそこに演出・脚本が付いてきてなくて画面はテレビっぽいし映画的興奮がないし、お話もシンプルにつまらない映画だったんですよね。この後に観た森達也監督の鋭い視点の「i 新聞記者ドキュメント」には遠く及ばず。「i 新聞記者ドキュメント」のほうがよっぽど映画的な気がしました。




【ベストガール】

エミリア・クラークさん/「ラスト・クリスマス」



ドリュー・バリモアの後継者は彼女しかいない…そう確信したのが「ラスト・クリスマス」のエミリア・クラークでした。ゲームオブスローンズ でのドラゴンの母でお馴染みですが、僕は彼女の本当の魅力である圧倒的チャーミングさが発揮されるのはロマンティックコメディであるとかねてから思っておりまして、今回はまさしく彼女の魅力が大爆発して素晴らしいキャラクターでした!魅力的すぎるし、愛おしすぎる!

ちなみに次点は「殺さない彼と死なない彼女」の桜井日奈子さん、「蜜蜂と遠雷」の松岡茉優さんでした。



【ベストガイ】

レオナルド・ディカプリオさん/「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」


基本的に女優さんを見に映画館に行ってる人間なので、毎年ここがいちばんどうでもよくて悩むのがベストガイですが、今年はディカプリオで決まり!もうとにかく超可愛いし、さっきも言った通り、少女に褒められて涙するシーンにはとても感動しました。個人的には最高のディカプリオを見ることができたと思っております。



【ベストシーン】

『アベンジャーズ、アッセンブル』シーン/「アベンジャーズ エンドゲーム」


もうこれはしょうがない。今作だけではなく、これまでのMCU作品への思いと、それを観に行っていた当時の自分の思い出が一挙に集結し、失神しそうになったので、今年のベストシーンはこれです。



【毎年恒例!!ベスト エマ・ストーン賞】

 

エマ・ストーンさん(8年連続8回目)/「女王陛下のお気に入り」

次点 エミリア・クラークさん/「ラスト・クリスマス」


さて、毎年恒例のベスト エマ・ストーン賞ですが、今年の受賞者はなんと8年連続8回目の受賞!エマ・ストーンさんです!!「女王陛下のお気に入り」での素晴らしい演技と彼女のコメディセンス、チャーミングさ、そしてドヨーンとするラストの表情が大変素晴らしかったので文句なしの受賞です。惜しくも次点となったのは、「ラスト・クリスマス」のエミリア・クラークさん。ほんとに僅差でした。




てなわけで、今年のベストテンでした。

今年はやっぱり例年に比べて小粒な感じでしたが、しみじみとくるいい作品が多かったですね。

来年も楽しみに映画館に通いたいと思います〜では良いお年を!