i 新聞記者ドキュメント/食べて、働く。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。




i 新聞記者ドキュメント

食べて、働く。
上映時間:113分
監督:森達也さん
出演:望月衣塑子さん



森達也監督の新作ということで、ちょっと遠くまで車を走らせ初日に観てきました。FAKEの後、次に森達也監督が撮ったのは東京新聞の望月記者。望月記者についてはふんわりとしか知らないくらいの距離感なので、どんな映画なんだろうか!と楽しみにしておりました。てなわけでこの映画ですが、めちゃくちゃおもしろかったです!!


被写体である望月さんがまず被写体としての魅力がありすぎて、彼女を見てるだけでおもしろいんですよね。まさに溢れ出るなにか熱量だったりバイタリティを浴びるだけですげぇスリリングで楽しいし、パワフル。そしてそれに感化されるようにこちらも溢れ出ててくる森達也監督自身も最高。

そしてなんといってもラストですよね。積み上げて積み上げてのあのラストシーンは森達也監督の視点の鋭さと編集に脱帽ですし、ほんとに素晴らしいバランス感覚だなぁと感心しました。

ほんとにあらゆる場面がおもしろいし、安倍政権ゴタゴタ総復習としてもおもしろいし、望月さんの戦いも、菅官房長官も、籠池夫婦も最高。題材は深刻だけども、全体にものすごくエンターテインメントなのが素晴らしいんですよね。場内では爆笑がなんども起きてたし、ゾッとする怖さもあり、そしてそれに加えてあのラストのあの後味でくよ。僕、「新聞記者」が超つまらなかったんですよね笑 やりたいことはわかるし意義はあるが致命的に全体的につまらないし画面がダサいという話をいつかの記事に書いた気がしますが…そんな「新聞記者」とはあらゆる面で雲泥の差の一本。観たかった「新聞記者」。僕は大満足でした!


あとこれは森監督の作品の特徴だけども、食べるシーンがいいんですよね。望月さんが何かを食べるシーンが何度も出てくるんだけど、これがすごく効いてる。熱量のいる仕事をする中で、その熱量を補うかのようにとにかく食べるシーンを入れる入れる。食べて、働く。また食べて、働く。この当たり前のサイクルがなんだかとても尊く力強く見えた、そんななんか食べることがとても印象に残る映画だったなぁとおもいました。

まぁそれ以外も、当たり前ですがハイライトだらけ。どのシーンを思い出してもおもしろい!恐ろしくもあるけど、超楽しかったです。