劇場版 テレクラキャノンボール2013
3月20日(木) 18:30~ オーディトリウム渋谷
好き度: ★★★★★ 5/5点
働くおじさん映画の新たな傑作!
上映前にカンパニー松尾さんのあいさつがあって、ネット上でのネタバレはしないでねとのお話があったので、ネタバレなしです!
AV監督、カンパニー松尾さんの初の劇場作品の本作。テレクラキャノンボールというレースとハメ撮りを合わせた競技の様子を追いかけたのが本作。松江監督や柳下毅一郎さんが絶賛してたので見てみたら、これがまじでおもしろかったのです!涙あり、笑いあり、ドン引きあり、震えるような感動ありで、こんな映画観たことない…とにかくすげぇおもしろかったのです!今年映画館で一番笑いましたよ~!
ホントは10時間の作品!これを劇場用に2時間ちょいにまとめたのが本作。
レース参加者は6人のAV監督。この6人が東京から札幌までレースを行うレースステージと札幌で行われるセックスステージで戦うのです。レースステージは簡単に言えば誰が早く札幌にたどり着くかというレース。で、この映画の中心のセックスステージは、ナンパ・テレクラ・出会い喫茶などを駆使してハメ撮りをして、いかにすごいセックスをしたかというのをポイント制にして競うというもの。優勝者にはAV女優の新山かえでさんと神谷まゆさんとセックスし放題というご褒美があります。でも、この賞品のためというよりはそれぞれがプロとしてのプライドを掛けた熱い戦いになっていて、その6人のプロ意識と熱意に正直胸を打たれてしまいました。
車やバイクでレース!
それぞれ、制限時間内にハメ撮りしてくれる素人を見つけて、ハメ撮りをとって持ち帰り、深夜にホテルでみんなで観て、ポイント集計会議をするのですがこれがすげぇおもしろい!いろいろとオプションポイントがあって、例えば3Pは○ポイントですよ~とか、ナマで挿入したら○ポイントですよ~とか、こんな感じでいろいろオプションでポイントが付くのですが、ここに悪ふざけで入れたあるオプションがものすごくドラマティックな要素としてラストに効いてくるんですよね~。ほんとにバカバカしくって、度胸試し的なものなんだけど、これをめぐって6人のプライドがぶつかり合うというのがものすごっくおもしろかったし、すげぇ感動的でした。まさか、あんなことで涙を流しそうになる日がくるなんておれも思わなかったよ!
出発進行~!
そしておもしろいのが6人のAV監督のキャラの立ち方。それぞれプロとして、様々な作戦や特技を使って女の子を釣ってハメ撮りをするのです。カンパニー松尾さんとかバクシーシ山下さんは40代後半、また今回から加わった若手監督は20代、それぞれの関係性やリスペクトが見え隠れするのもおもしろかった。
そしてすごいのは、撮られる側の素人女性たちのキャラの立ちっぷり!もうね、これが超強烈なんですよ。撮られる側にもそれぞれの人生があって、それが見え隠れしてくるのもおもしろいし、そんな素人たちがお金目的、またはそれ以外でカメラの前でセックスをするという残酷さ、そしてそれを楽しんでる俺たちという構図もよく考えればすげぇ残酷な構図だったりして。そのへんの苦い笑い、罪悪感も含めてものすごくおもしろいことになってるし、そんなガチの素人女性の計算外の突飛なハプニングが連発するセックスパートは全編必見です!
そして、この6人の『仕事』 に対する考え方・プロ意識・プライドがほんとにすごくて、俺はこんなにも熱く生きているかな?と思わされましたよ。最高の働くおじさん映画です!こんなにも情熱をもって命懸けでAV作ってる男たちがいるということ、もっと真面目にAV見ようと思いましたよ。早回しなんかせずにね!(何言ってんだ)
今作は仕事が終わったあとのU-CHI-A-GE!もすばらしい!
打ち上げ映画の要素としても最高の物件でした!
美酒に酔う時がキター♪
とにかく、すげぇもん見た感覚です。この熱量に触れることができただけで、ほんとうに見てよかったと思うし、単純に爆笑必須のセックスコメディとしてもおもしろかったので、気になってる人はぜったい行ったほうがいいと思いますよ!もう終わっちゃうらしいので。
この映画、最終的に「ロッキー」になるんですよね。AVロッキーですよ。(自分でも何を書いているのかわからない)
ただ、言いたいのは決して万人受けする内容ではないですし、激怒する人がいてもおかしくないのでね。 そのへんも含めて楽しんできてください!
おわり
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