愛の渦
3月3日(月) 21:10~ テアトル新宿
好き度: ★★☆☆☆ 2/5点
今の日本っぽい乱交パーティー
愛の渦、三浦大輔が自ら映画化するということと、すげぇエロそうだし、ゲスそうだし、おもしろそうなのでバイト終わりにテアトル新宿で観てきましたよ~。感想としては、不満点もあるけど全体としてはおもしろかったですよ~という感じ。
池松くんが2万円を引き出すところからスタート。その2万円で乱交パーティーに参加するのです。六本木のマンションの一室で毎日行われてまして、エレベーターでおそらくこの後一緒になるであろう人とすれ違って勢いで違う階のボタンを押しちゃったりするシーンとかおもしろかったです。
乱交部屋に着くと、いろんな人がいまして、看護師、OL、常連、学生が女子の4人。サラリーマン、フリーター、童貞、そして池松くんのニートの4人が男子。この8人でレッツ!RA-N-KO!!……と思いきや、なんたって全員初めて会った人間同士、セックスやりにだけ来たのもかかわらず、そこで繰り広げられるのは「(俺はあのことやりたい)」「(あたしはあいつだけとはやりたくない)」という心理戦。
部屋に集まったのはこの8人。俺は誰とやりたいかなぁ~
この心理戦が繰り広げられるやるまでの前半がおもしろくて。初めに店員の「ふつうの恋愛とかめんどくさいでしょ。ここはただ手っ取り早くセックスやるだけだから」という言葉からはじまりますが、ふつうのコミュニケーションがめんどくさくてここにセックス”だけ”をしにきてるはずなのに、けっきょくここにきてもそこには社会性ができて「勝ち組」に入りたい、「負け組」には入りたくないというそれこそメンドクサイコミュニケーションがつきまとうというのがおもしろかったし、今の日本っぽいなぁとおもいました。乱交しにきてるのに妙に辛気臭い感じ。アメリカだったらこうはならないだろうしさ。 人間ってたとえ裸一貫になろうとも、セックスをするという目的のためだけに集まっていてもなにかを取り繕って、自分は勝ち組に入りたいし、セックスうんぬんよりも社会性の高い方に入りたいがための駆け引きをしちゃうんですね~。なんてゲスイ生き物でしょう。そのゲスさが気持ちわるいくらいあらわになる朝3時を越えてからもすごくおもしろかった。フリーター役の新井さんの好演もあいまって「うわぁ~きまず~」って感じで最高でしたよ~。
一番最後カーテンをあけて朝日を浴びた瞬間、全員が感じた虚無感というか、なにやってたんだ俺ら感も納得ですよね!笑
役者陣もみんなよかったんですが、とにかくこの映画のMVPは学生を演じた門脇麦ちゃんだと思います。ちょっとわかりやすすぎるというかデフォルメされすぎかなぁとおもうところもありましたが、いやしかしめちゃくちゃ頑張りまくったセックスシーンは圧巻でした。もはやエロさゼロというか、「うわ、動物だ」って感じのナイスファイトセックスとか笑っちゃうくらいナイスファイトでした。ちゃんと脱いでてエライ!
男性陣も最高で、フリーターの新井さんも最高だったし、名優でおなじみ駒木根くんの童貞もよかったです!駒木根くんがラストになるとセックス強者に成長する姿、常連の女の人の演技も含めて「よかったね駒木根くんヽ(´▽`)/」とちょっと感動のラストの笑顔でした!あと、店員役ですが窪塚洋介がすげぇよかったです。窪塚であることの説得力というか、ぴったりな役だったなぁ。
おもしろかったんだけど、不満点もけっこうあって、まずやっぱ長すぎだとおもいました。もうちょいコンパクトにしてほしかったなぁと思います。主に編集のテンポだと思うんですが、もっと編集にメリハリがほしかったです。このジリジリとした空気を出すためにもこのワンカット長めの編集はアリだと思いますが、もっと編集のテンポをあげてほしかったなぁという印象。中盤、すげぇなかだるみしちゃったなぁ。カップルのくだりとかいらねぇんじゃないかなぁって思っちゃいました。あと、NU-RE-BAも新鮮味がなかったなぁ~。門脇麦ちゃんは頑張ってましたが、OL役の三津谷葉子さんなんかフルで脱いでなかったり、なんか全体的に逃げ腰なNU-RE-BAだなぁと思っちゃいました。あとラストもダラダラながいなぁと感じました。言いたいことはわかるけど。
でもしっかりおもしろかったですよ~。今の日本的な乱交映画としてぜんぜんアリだとおもいました。ほんと日本だなぁという辛気臭さでしたね~。よくシラフで乱交やれんなお前らっていうのと俺は3回、4回もあんな短時間でやる自信はゼロだね!っていうのを一応付記しておわります。笑
◆◇注目ポイント◇◆
門脇麦
-------------------------------
スタッフ
監督 三浦大輔
製作 間宮登良松
藤本款
企画 加藤和夫
プロデューサー 岡田真
木村俊樹
企画協力 太田雄子
原作 三浦大輔
脚本 三浦大輔
撮影 早坂伸
照明 神谷信人
美術 露木恵美子
録音 永口靖
編集 堀善介
音楽 海田庄吾
ラインプロデューサー 坂井正
音楽プロデューサー 津島玄一
キャスティング おおずさわこ
キャスト
池松壮亮 ニート
門脇麦 女子大生
滝藤賢一 サラリーマン
中村映里子 保育士
新井浩文 フリーター
三津谷葉子 OL
駒木根隆介 童貞
赤澤セリ 常連
柄本時生 カップル
信江勇 カップル
窪塚洋介 店員
田中哲司 店長
作品データ
製作年 2013年
製作国 日本
配給 クロックワークス
上映時間 123分
映倫区分 R18+