【1月】DVDで観た映画② | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 


穴(1960年)

 

 

 

 


好き度: ★★★★★ /5点


それもまた、人間。


「大脱出」公開ということで未見だった脱獄映画をみたいなぁなんて思っていたら、映画秘宝で脱獄アクション特集があったり、タマフルで宇多さんがいくつかおすすめを挙げていたので、個人的に脱獄熱が高まってきたということで、TSUTAYAで脱獄映画をいくつか借りてきました。


というわけで、ジャック・ベッケルの『穴』を観てみました。これが超絶おもしろかったんですよ!!!! 脱獄映画に必要なもの、見たいものはなにか、それは小道具と仲間(チーム感)だと思うのですが、そのすべてを理想的なフェティッシュさとチーム感のキャッキャっぷり、そしてラストのめちゃくちゃビターなオチなど、傑作と言われる理由がものすごくわかりました。


人の心についての映画といいますか、僕がよく使っちゃう『倫理観揺さぶり映画』でした。脱獄の作戦などもものすごくリアリティがあってめちゃくちゃフェティッシュなのですが、それ以上に登場人物の心の動きのリアリティがものすごいんですよね。脱獄という道具を使って人間の心理のおもしろさを描く映画といいますか。


あのラストも、新入りを受け入れるかどうするかというワンハードルを超えて(←フード理論的な印象的な描写も!)来てただけに、ほんとうにふざけんなよお前!!って思いましたよ。でも、このラストの選択も脚本がめちゃくちゃ良く出来てて、ほんとうに心苦しい。ふざけんな!って思ってたけど、あいつのそっちをとっちゃう弱い気持ちもまた人間なわけだし。。実際、俺だったらどうしただろう。裏切っちゃうのかな。それとも、あのままマンホールから出るのか。。最近はこの「穴」のことばかり考えています。考えざるをえなくなる傑作でした。上げきれませんが、ほんとうに細かいディティールがほんとにフェティッシュ。小道具がフェティッシュ、演出がフェティッシュ。ビンビンです!!

 


 

イルザ ナチ女収容所 悪魔の生体実験


好き度: ★★★☆☆ /5点
 

セックス弱者は即刻去勢!


いわゆる女因ナチもののクラシックで、映画秘宝でもものすごく見ますし、観なければなぁとは思っていましたが、ずっとスルーしていた物件。しかーし、映画秘宝の脱獄映画特集のなかに名前があったので(監獄映画というくくりで) TSUTAYAさんで借りてきました。イルザ様という単語は秘宝で死ぬほど観ていましたが、やっとお目にかかれました。


ほんとにマジ酷い!……んだけど、たしかにイルザ様というキャラクターが人気な理由もわかる!という感じ。(不謹慎ですみませんが)

まず、いきなりイルザ様のセックスからはじまるのですが、相手の男は収容所に捕まってる男たち。セックスでイルザ様を満足させられなかった男はすぐさまチンコを切られて去勢!なんたる!とにかく異常な性欲を持っているイルザ様は並大抵の男のセックスじゃ満足しないのです。


そんななか、収容所に新たな男たちが運ばれてきます。すぐさまイルザ様はチンコをチェック!アメリカ男を見つけるとすぐさま自分の部屋でセックスを開始!しかーし、このアメリカ男が最強のセックス男であのイルザ様をあっという間にセックスで手懐けてしまうのです!…というセックスコメディ的な要素もあるのですが、やっぱりナチ収容所。そして副題は「悪魔の生体実験」ですから、ほんとに悲惨極まりない生体実験をやりまくるイルザ様。


イルザ様の独自の理論で女のほうが苦痛に対する耐久性が強いはずだ!という理論のもと、病原菌を体に植えつけられた上での延命実験や高圧下における耐久実験、熱湯ないでの耐久実験など、まじ動物以下の酷すぎる扱い。しかも収容所内で男女で会話したものはすぐさま死刑! こんな酷い監獄から脱獄しよう!と計画を立てるのです。。


とにかくイルザ様というキャラクターがすごくて、マッドサイエンティストで超絶サディストなのですが、セックス大好きの異常性欲の持ち主で、めっちゃ巨乳でスタイルよくて、軍服姿もとても決まっているという。。なるほどこれはカルト的な人気が出るわけだ、と納得しました。


そんなサディストイルザ様がそのアメリカ男にて手懐けられ、セックスに溺れ、「新しいプレイをしよう」と手足をベッドに縛られ…そのスキに収容所の反乱がはじまり、脱獄を許すというラスト。最低最悪のイルザが見せた、欲望への執着が死への引き金になったのです~。SとMがひっくり返るというSM映画の典型や、最後はナチをぶっ倒すというカタルシスもちゃんとあって、しっかりおもしろかったです。カルト的な人気がある理由、よくわかりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

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(1960)』

スタッフ

監督
    ジャック・ベッケル
脚本
    ジャック・ベッケル
    ジョゼ・ジョバンニ
    ジャン・オーレル
原作
    ジョゼ・ジョバンニ
撮影
    ギスラン・クロッケ
美術
    リノ・モンデリニ

キャスト

    ジャン=ケロディ Roland
    フィリップ・ルロワ Manu
    ミシェル・コンスタンタン Geo
    レイモン・ムーニエ Monseigneur
    マーク・ミシェル Gaspard
    Eddy Rasimi Le Gardien
    J. P. Coquelin Grinval
    A. Bervil Le Directeur


作品データ
原題     Le Trou
製作年     1960年
製作国     フランス

 

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女ナチ収容所 悪魔の生体実験
 

スタッフ

監督     ドン・エドモンズ
脚本     ジョナ・ロイストン
製作     ハーマン・トレーガー(デイヴィッド・F・フリードマン)
音楽     ホースト・ウェッセル
撮影     グレン・ローランド
編集     カート・スニッチ

キャスト    ダイアン・ソーン
       グレッグ・ノフ
       シャロン・ケリー
       ジョージ・フラワー


作品データ
原題  Ilsa, She-Wolf of the SS
製作年  1974年
製作国  カナダ、アメリカ
上映時間 96分