書店に行くと、小売関連の棚には ”ネット通販で成功する方法”的なタイトルが必ず並んでいます。


中をめくると”小資本で始められるネット通販は脱サラにお勧め”と、書いてあるのを見ると立ち眩みすら覚えます。大体の著者の肩書きは小売のコンサルタントの方々が多いのですが、現役のバイヤーから見ると 書いてお金とるってどうよ?”的な内容が多いのです。


少なくとも、本の通りに独立すると、かなり高い確立で、撤退する羽目になると思います。


著者の方の経歴を見ると、実際に自分で、通販を興したり、通販法人の中核的な立場だった方では、無いんですよね。まあ だから好き勝手書けるのでしょうけど。


 ネット通販は1995年頃から立ち上がってきた、新しい媒体です。

技術革新や販売手法のブレイクスルーなどもあり、教科書を書けといわれてもかなり難しい世界です。

ネット通販では、去年成功した事例が、今年も成功するなんって、かなり稀な話です。

実際、現役で居るうちは、秘守義務があるので、書けない事が圧倒的に多いのです。


 どんなコンサルタントのプレゼンよりも、日々のデータマイニングと、コールセンターに着電するお客様の声に、勝る成功の方法は無いと思います。


毎年、どんどん進化した企業だけが生き残れる世界なのです。


IT関連のビジネスはドックイヤーと呼ばれるほど、速度の早い世界ですが、ネット通販は、その速度で、物流、調達(仕入れ)というアナログを動かす、ある意味 難儀な世界なのです


特に多い勘違いは 小資本で始められる ここがもう大嘘と言ってもいいと思います。

実際 大手通販でも、成功するまでに 長い赤字の期間があったり、物流やシステムに大規模な投資をして居たりします。


小資本で成功しようとお考えなら、次の要素を満たす商品を用意する必要があります。


①他所の店舗、サイトでは手に入らない

②誰もが欲しがり、口コミで宣伝してもらえる物

③仕入れ単価が安く、商品サイズが小さく、在庫負担の少ない物、または必要の無い物

④販売価格がある程度高く売れて、利幅がきちんと確保できること

⑤お客様の満足度が高く、クレームが少ないこと


果たしてそんな都合のいい商品があるのでしょうか?


上記の条件を満たす物としては、化粧品の製造直販が思いつきます。

要は、メーカーになってオンリーワンの商品をネットで独占販売する。

最早、個人で興せる話ではなくなります。


これからは、単に仕入れて売って食べて行くのは小規模な法人には厳しいと思います。


実際の販売状況はどうなんでしょうか?


先日 経済産業省より 平成21年消費者向け電子商取引実態調査結果 が発表されましたので、いくつか気になる数字を拾ってみます。


と ここから先は次回へ



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