日々是好日 -5ページ目

6月12日 陸前高田 大船渡 邂逅

2011年11月 メール。
4月以降に参加できれば。春に向って準備します。
石垣島。三陸より2300km

2012年3月 タイで会う。
6月のお休みに行きますね!
タイ、コタオ。三陸より5300km

2012年6月 シーズンオフでの一時帰国。
急遽予定変更、三陸へ
モルディブ。三陸より8000km

3人が暮らすのは、三陸から遠く離れた南国の島。
同じ想いをもつ3人が、ここで出会うのも必然。


石垣島からユカちゃん、タイ、タオ島からエリちゃん、モルディブからクロちゃん。
南の島で活躍する3人の女性ダイビングインストラクター。
気温差10度以上、水温差15度以上。彼女達にとっては冬真っ只中の初夏の三陸。

それぞれの島でしか見れない風景、海。
今の三陸でしか見れない風景、海。
夢や憧れ、楽しさを与えるリゾートで暮らす彼女達には、今の三陸を見る必要はあったのでしょうか?

選択するのは彼女達。見ておかなくてはならない、自分で見て、行動して、感じるために
来てくれました。
震災から1年3ヶ月。とっくに過去のこと、忘れ去られようとしている今。遠く離島で暮らす
彼女達は、ずっと気になっていて、やっと来れた、見ておかなければ、
何ができるかわからないけど、来てなんでもいいから手伝えれば。
何をしてもらえなくても、来て見てくれただけでうれしくて。震災は、まだ忘れられて
無いんだなと思えます。

被災地で暮らし続けていると、いろいろ麻痺してしまって。僕が暮らす街の普通は、
曲がったガードレール、かさ上げされた道路、修復中の建物、解体中の建物、
無くなった街、地盤沈下で近くなった海。
全部当たり前のこと。生活の一部。
ここに来てくれる人達と一緒にいることで、やっぱり普通じゃないんだなーと確認できます。

キーワードはやっぱり海。海と共に生きる彼女達。ダイビングポイントとして世界的に有名な
ポイントで暮らす3人。初めての東北、三陸の海はどう写ったでしょうか。

背負うのは、マリンダビングフェアで来場された方々に書いていただいたメッセージタンク。
一緒に海の中にメッセージを残していって欲しい。

三陸から帰ってそれぞれの暮らす場所。見たこと、聞いたこと、感じたこと、周りの人達に話してくれたもっとらうれしい。
被災地ってね、けっこうまだ大変そうで、こんな感じだよって。

つながり続ける津波が結ぶ縁。そして、ここで出会えた人達に会えてよかった、
というよりも、ここで出会う人達に会いたかったんだ!と思っています。
運命の赤い糸は黄色いロープに変わり、結んだ瓦礫と共につながっていきます。

そこから三陸は遠いですか?遠いですよねー。三陸ってアクセス悪いもん。
時間の都合がついたら来てみてください。
浸水地域は更地になってきて、雑草だらけですけど、そこで何が起きたか、きっと感じれると思いますから。
そして来てくれた人達に、帰ってから言ってもらいたいのは、被災地はまだ大変そうだけど、
三陸ってけっこういいとろだよーって言ってもらえれるようにしたいのです!


6月6日 越喜来 崎浜漁港

お昼休み。コンビニの前に咲くクローバーは四つ葉がいっぱい。
願うは被災地の未来、世界平和、ちょっと自分の幸せ。


週が明けてやってきてくれたのは、タイでのくまさんの同僚エリちゃん。三陸初参戦。
瓦礫以前に水温差20度との戦いから始まります。

そして今年もきてくれた、西神奈川広域救難所のみなさん総勢9名。田端さんを
見てると季節感がなくなりますが、水温12度、気温20度とはいえまだまだ風は冷たいですよ!





2人づつ4チームを作って、船外機でちょっと沖に出て、断崖沿いに調査開始です。
だいたい沖の方に出ると、流され崩れた船の残骸が多くなります。



定置網に使う大きな船が転覆したあたりでもあり、破片も大きめ。かさばるので
船もすぐいっぱいです。

なんか2月くらいによく見た光景。普段は南国タイ、石垣島で活躍するイントラの2人。
僕たちは普通な水温ですが、2人してみればまだまだ冬。低水温で冷え切ってしまった指先にお湯が気持ちいい。



この数日で引き上げた海中の瓦礫。1年3ヶ月たったいま、陸に上がりました。
つなぎあわせても元に戻らないけど、引き上げた分、海は元の海に近づきます。


帰り道。津波をかぶり、復旧の予定がないJR大船渡線。先に伸びていく線路は、
未来へつながる例えとして唄われたりするけれど、この線路には未来無し。
起きた現実の象徴です。

やっぱり夢を乗せて走るのも、現実に立ち向かうのも、基本は2本の足。体を使って
行きましょう。器材とタンクがあれば海の中だって少しの時間は大丈夫。
いつでも気にかけてくれる人たちがいてくれる。日本中から世界から。
途切れた線路先に進むのも、みんなが一緒に手伝ってくれるから大丈夫!

画像提供:ユカ




6月2日 越喜来 甫嶺鬼沢漁港

以前来たのはいつだった?去年のくまさん2011年度最後の作業が甫嶺鬼沢漁港。
港の真ん中にリフトで、ユニックで引っ張ってもビクともしなかった塊があり、とりあ
ず次の機会にとしてから他の港に行くことが多くなり、そういやその後どうなりました?
と最近になって聞いてみたら、大きな船で引っ張って上げたよ、と。海中で解体しよう
にも、あまりにも大きすぎた塊。すごいなーと思っていたら、他になにか忘れている
ような気がすると、ちょっと港内のチェックを頼まれました。
そういや他にも見失った塊があったなーと、ぐるっと回ってみたら、見つけた。
あまり透明度のよくないこの港の中。1度見失うと元の場所がわからなくなってしまっ
たりします。 ホタテ養殖のカゴやロープ類がからまった塊。船を上げるスロープのす
ぐ近く。水深3m程度のところです。



ロープで引っ張って解体しながら上げて、またロープでくくって引っ張って。車で引っ張ってみたり。
まだ泥に埋まっている部分も多いけど、見えているところはほとんど上げる事が出来ました。

途中で見つけたクワ?俺の農具、奇跡の生還!そこにあった小屋に置いていたんだよな、
別注で作ってもらったものらしく、うれしそう。


その後は港内中に育っている海藻の除去です。タマハハキモクというホンダワラ科の
海藻で、水深10mくらいのところからでも水面で首をかしげるくらい伸びていきます。
これがけっこう丈夫な海藻で、船のプロペラにからまったりします。



海中では、狩って狩って狩りまくる。浮いてきたら船で回収。まだほんの一部。とりあえず
船を満載にして、岸に並べて、乾燥させた後に焼却処分です。

これも津波の影響で、いままで増えることがなかった海藻が増えたり、いままで無かった
ところに海藻が生えたり、また逆にいままであったところになくなったりと、変化を見せて
います。停泊させたまましばらく使っていない船の船底は昆布だらけになっていたり、



スロープの際も海藻だらけ。船の航行も減り、根付く環境も増えてきたのでしょうか。



海藻が増えるというのは、それもまた栄養豊富な海の証拠。悪いことばかりではありません。
他の生き物も呼んでくれるので、元気になっていく海のひとつです。
けどごめんなさい。ちょっと邪魔なところのは、片付けさせてくださいね。