高尾山にて想ふ | 岡本太郎のブログ

高尾山にて想ふ

日本人の美意識。

掃除しているおじさん。


ベンチに腰掛けていると、おじさんが近寄って来て、「いいですよ、そのままで。」といった。
"足を動かして掃除しやすくしようとされましたね。ありがとう。でもいいですよ、そのままで。"と聞こえた。


日本語はハイコンテキストな言語と言われる。

全てを表現しなくとも意図が通じる。正確に言えば、伝わり易い。


足りない部分は聞き手が補って理解する

むしろ全てを表現しないからこそ表現していない部分がきわだつ。

俳句などはその典型。

17文字で世界を表現する。

その世界の空気や音、温度や感情まで体感できる。

それは自分のなかの世界、記憶と共鳴するからだ。

ロジックではなくアート。

足りない部分は相手の美意識に委ねられる。

ロジックもいいが、やっぱり、アートだね。





「Be TARO」
岡本太郎