夢屋 S-28スプールとは?

 シマノの2019年式リールから採用された、ロングストロークの4000番サイズスプールです。

 19ストラディック、19ヴァンキッシュ、20ツインパワー、20ヴァンフォード等、スプール受けにベアリングが入る機種は、全てこの型式のようです。


  機種ごとの違いは?

 最も大きな違いは、スプール内にベアリングが内蔵されているかどうかです。

 このベアリングの有無が、リジッドサポートドラグか否かを示します。


20VANFORD 4000MHGはベアリング無し。

19Vanquish 4000MHGはベアリング有。
 ドラグ性能を重視するなら、やはりベアリング内蔵スプールを選びたい。


  スプールの選択基準

 性能(ベアリングの有無)、糸巻き量、重量、価格、そしてデザインが判断基準になります。


  重量測定結果

 網羅はしていませんが、集めたスプール達を測定しました。

(安物の秤なので、単位が1gですが。。。)

19STRADIC 4000MHG
51g、ベアリング無し。重いな。。。

20VANFORD 4000XG
45g、ベアリング無し。まあまあ軽い。

20VANFORD 4000MHG
48g、ベアリング無し。う~ん。。。

夢屋S-28 PE1520コルトスナイパーカラー
45g、ベアリング内蔵。高価なのにあまり軽くなくて、期待外れ。

19Vanquish 4000XG
40g、ベアリング内蔵。文句無しの軽量スプール。

19Vanquish 4000MHG
40g、ベアリング内蔵。これも軽い。

21TWINPOWER XD C5000XG
45g、ベアリング内蔵、重くはない。

21EXSENCE 4000MXG
41g、ベアリング内蔵、軽いです。

23EXSENCE XR 4000MXG
46g、ベアリング内蔵。そこそこ軽い。
 シマノのパーツリストを漁り、ベアリング内蔵で最も安価なスプールだったので、試しに新品を取り寄せました。21EXSENCEと同等かと期待しましたが、それ程軽量ではありませんでした。

  結果をまとめると(価格は令和5年12月時点)

↓↓非リジッドサポート(ベアリング無し)↓↓

19STRADIC4000MHG   51g  6,215円(最安値)

20VANFORD4000MHG 48g  9,020円

20VANFORD4000XG     45g  9,020円


↓↓リジッドサポート(ベアリング内蔵)↓↓

23EXSENCE XR 4000MXG 46g    7,865円(安価)
21TWINPOWER C5000XG 45g  12,375円
夢屋S-28 PE1520コルトスナイパー 45g 13,200円(廃盤)
21EXSENCE 4000MXG  41g  13,200円(軽量)
19Vanquish 4000XG      40g  13,475円(最軽量
19Vanquish 4000MHG  40g  13,475円(最軽量

 重くてベアリングが無いけど安価な19ストラディックはさておき、軽くないのにベアリングが無く、値段の高いヴァンフォードのスプールの存在意義に疑問が。。。

  総括

 シマノのブランド戦略として、ヴァンキッシュはクイックレスポンス機種のハイエンドモデルであり、最軽量(4000MHG:205g)である必要がある。従って、スプールも軽量化に抜かりはない。
 ヴァンフォードは、フルCI4+ボディであり、ヴァンキッシュよりも軽くできるものの、イメージ戦略的に兄貴分を越えてはならず、性能の低い、重いスプール(とハンドル)の搭載を余儀なくされている(4000MHG:220g)、と考えられます。
 これは、同じく兄弟機種である、シーバスハイエンドモデルの21エクスセンスと、CI4+機種の23エクスセンス XRの間にも言えることです。カタログでは、21エクスセンス 4000MHGの自重は220g、23エクスセンス XR 4000MXGの自重は225gです。XRのスプールがあと5g軽かったら、兄貴分と同じ重量になってしまい、差が明確ではなくなってしまう。だから、XRには敢えて重いスプールを与えた、と。。。

  結局どれを選ぶのよ?

 サーフルアーでヒラスズキを狙い、時々アカメ、大マダイと対峙する自分の使用する糸は、PE1.2~1.5号200mです。従って、ベアリングを内蔵した4000Mスプールが最適。

 長時間の回遊待ちになることもあり、軽さは必須。でも、費用対効果も無視できない。
 色やデザインは特に気にしない。
 自分なら、新品で予備スプールを買うとしたら、23EXSENCE XRを選びます。21EXSENCE比で、5g重いですが、5,335円安いですから。