読了。
「やめるときも、すこやかなるときも」 窪 美澄
久々にハードカバーを購入。
書店で何度も手に取り、冒頭を立ち読みし、やっぱり読みたい、今読みたい!と。
人を好きになると、その人の過去もひっくるめて知りたくて、知りたかったくせに、知ったら知ったで過去に嫉妬してみたり。不安になったり、暴走してみたり、臆病になってみたり。
この小説の2人。トラウマを抱えている男、家にしばられ恋に不器用な女。
2人の気持ちが交互に語られていく。
窪さんの文章は、はっと心にグギっとささる。感情を持ってかれる。
「やめるときもすこやかなるときも」
いつか終わりがくるまで、それぞれの生活は続いてゆくのだ。
「できかけの瘡蓋を力まかせにめくるようなほの暗い誘惑に私の心は支配されていた」~本文より~