Om Swastyastu

今回のバリ紀行もこれが最終回。(たぶん)

 

2006年にバリを後にし、帰国してから8年後の2014年に初めて家族でバリ旅行。そこから、2016年、2018年と続いて、コロナ禍を挟んで2023年に5年ぶりのバリ帰省。私の任期中にIchiも5回バリに遊びに来て、ウブドやスミニャックのホテルにも泊まった。(新婚旅行に行けなかったから実質これがハネムーンみたいなもの)

もう充分堪能して、任期終了時にはお腹いっぱい、何なら胸やけ状態で、もうバリに来ることはなかろう、とさえ思っていたのに、知らず知らずのうちにバリの魅力に取り付かれていたということだろうか。

 

あの地で仕事をすることはもう考えられないし、正直、事務仕事や交渉事を進めるのに適した場所ではない。

けれど、離れてみると、いろんなことが思い出されて、その思い出は決して美化されたものでもないんだけど、その後どうなっているのかが気になったり、あの場所は変わっているだろうかと想像したりしているうちに、気づけばまたバリに行きたくなっている。

 

この17年の間に物価は2倍にも3倍にもなっているし、観光客の顔ぶれも街の様相も変わっている。けれど、昔から変わらずそこに佇むもの、太陽と海、地域の人々の篤い信仰は、訪れる者の心を捉えて離さない。

畏るべし、バリの魅力なのか魔力なのか、バリヒンドゥーの神々の悪戯なのか・・・

 

バリはVoA(到着ビザ)料金50万ルピアに加え、2024年2月14日から入島税15万ルピア(1500円程度)も導入されることが決まっている。ヴェネチアやバルセロナや、国内では宮島なども、オーバーツーリズムが深刻な地で観光税が徴収されるのは、世界ではもはや常識なのだから、京都も宿泊税だけでなく堂々と観光税も取ればいいのだと思う。寺社や大学から税金取れないんだから、収入として見込めるの観光税しかないでしょうよ。

 

話を戻して、バリ滞在中は、とにかく暑くて溶けそうになるし、硬水と日焼けで髪はバサバサ、肌はガサガサになるし、雨季の湿気やクラクションの音もこの上なく不快なんだけど、それでもやっぱり魅力満載のバリ。

今後も南国リゾート候補地として、ハワイやモルディブやニューカレドニアなど(どれも行ったことないけど)、いろんな選択肢がある中で、街、食、人、雰囲気、価格、総合的に考えてやっぱりバリを選んでしまうだろうな、という気がしている。

勝手がわかる場所のほうが何かと安心、という年齢でもある。

 

 

マヤサヌールは、宿泊客向けに無料のヨガクラスが朝夕あった。腹筋やウェアなどガチで決めたヨギーはおらず、初心者や中年太りのおっちゃんも多いし(Ichiか?)、先生もホテルのスタッフTシャツ姿なので、気後れせずに参加できる。(その割にけっこうきつかったけど)何と言っても先生の唱えるマントラが素晴らしかった。バリ語はサンスクリット語と近いから、とても自然なマントラで、韻律も美しく、すっと耳に入ってきた。いかにも「私ヨガしっかり学んできてます」的な西洋人や日本人のインストラクターが、レッスンの最初と最後に長いマントラを唱えるのが、わざとらしくてどうも背中が痒くなるんだけど、マントラが心にまで届いたのは、バリ人の先生だったからか、バリの地だからこそなのか、とにかく心地良い時間だった。

 

まだまだ発見しきれないバリの魅力、いつか次章で。(たぶん)

Om Santih, Santih, Santih Om