山猫(1963年、イタリア・フランス合作) | 他力本願映画見たよ日記のブログ

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 2月8日、みゆき座にて「山猫」(1963年、イタリア・フランス合作映画)を観る。ルキーノ・ヴィスコンティ監督・脚本。ジュゼッペ・ランペドゥーサ原作。バート・ランカスター、アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレほか。
 美しさ、優雅さ、気品。大きなベッドでさえずる貴族の娘たち。何とも華やかな映画である。
 1860年頃のイタリア。分権国家の終焉から新しい国家建設に至る過渡期の時代を生きる、シチリア貴族であるドン・ファブリツィオ(サリーナ公爵:バート・ランカスター)を中心に描く。甥のタンクレディ(アラン・ドロン)と、新興勢力の娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)との恋が「時代」を暗示している。イタリアのシチリア貴族の没落は舞踏会の後、1人で帰るサリーナ公爵の後ろ姿に表わされる。舞踏会の雰囲気を享受できないサリーナ公爵。何に疲れたか。
 映画の3分の1以上を占める舞踏会が圧巻である。貴族の末裔たちが舞踏会にたくさん出演しており、どこかしら気品が感じられる。ただ、サリーナ公爵は疲れ果て居場所を無くしつつも、情熱的なアンジェリカに無理に誘われて、ワルツを踊る。蒼い瞳。時代は変わるが、人間は不思議に変わらない。
 4.5つ星、切なさ度2点。