三毛氏。

 

 

ちょっと体調の気になっていた三毛氏は

その後ぐんと調子が悪くなりました。

 

先週ほんの少し外出していた間に瞳がおかしくなっていたので

離れた場所にある大きな病院へ行ってきました。

元々右目には保護した時からの後遺症があったのですが

今回は左目。

診断はヘルペスとのことでお薬を貰って帰宅した月曜日。

 

しかし翌日には食欲も落ち薬も飲めなくなって

その左目も内出血で腫れあがってしまったりで

とても心配になったので急遽同じ病院へ行ったところ

眼球よりも体全体に心配があるので検査しましょうと。

 

レントゲンや血液検査を受けたところ

内臓の変形や白血球の数値等々色々異常がみられました。

特に肝臓の数値は計測不可能レベルで悪いらしく

数種類の注射と点滴を受けながら先生に入院を勧められました。

 

先生曰く

「入院しても助かるかどうか分からない」とのこと。

 

 

 

うずくまったまま動けなかった子猫、

保護した時の状態が悪く、猫風邪で目鼻はぐちゃぐちゃ、

ガリガリに痩せていて、体中シラミだらけで毛はボサボサ、

右目は白く濁って、一時は目も当てられないほどの酷い状態になりました。

そこから奇跡的に回復して失明は免れたものの、

白濁の後遺症は残ってしまいました。

鼻の方は回復せず慢性鼻炎の蓄膿症。

耳からは取っても取っても真っ黒でドロドロの塊が大量に出てきて

声をかけても音を鳴らしても反応がなかったので

耳も聞こえないのか。。。と落胆したのですが

先生に診て貰ったところ黒いドロドロの原因はカビ菌とのことで

処方して頂いた薬のお陰で一週間で改善し、

名前を呼んだときに反応してくれたのが嬉しかった。

 

最初の酷い状態からは脱したものの

体は一向に大きくならないし、お鼻はいつだってグズグズだし、

呼吸も常に苦しそうで、いつも口呼吸をしているため鼓動も速く辛そう、

睡眠も満足に得られないようで、熟睡している姿を見たことがありません。

 

この小さな体に毎日毎秒どれだけの負担がかかっているのか、、、

「きっと長生きは出来ない子なんだろうな」と

ある程度覚悟はしていたものの

いざシビアな現実を突きつけられるとやはり耐えがたく・・・

 

費用のことも含めて決断は難しかったので

なにか別の手はないかと先生に相談したところ

「毎日通院できますか?」と聞かれ、

それならと覚悟を決めて挑んだ先週でした。

 

 

入院させても助からないかも知れないのなら、

何日も離れた場所に預けた果てに死んでしまうのかも知れないなら、

せめて最期は傍に居て看取ってやりたいと思い

すっかり弱々しくなった三毛氏を連れて帰り家で面倒をみました。

 

問題は自力で食べることが出来るかという点です。

薬を飲ませるのが難しい三毛氏には

フードに薬を混ぜて騙し騙し飲ませることになるのですが、

つまりそのフードを自力で食べることが出来なければ

薬を摂取することも出来ずにこのまま弱ってしまうのです。

 

頂いた点眼薬は1日に何度点しても良いとのことだったので

3時間おきに両目・鼻に点し続け、部屋を暖かくして、

高栄養のフードに水と薬を混ぜて少しずつ食べさせました。

 

 

三毛氏を保護して3年弱、

はじめ、体の小さな三毛氏はとても気が強くツンツンした暴れん坊でしたが

10か月ほど経って発情期を迎えたときはまるで別人のように丸っこくなり、

愛くるしく甘え、愛想を振りまき、四六時中プリプリと纏わりつく子になりました。

とっても可愛いけれど、ずっと「触って!触って!」の相手はしていられないので

「中間ぐらいの性格だったらいいのに」と苦笑していたら

発情期を終える頃には本当に程良い性格に落ち着いてくれて驚いたものです。

避妊手術は「こんなに体重が軽くちゃまだ無理だよ」と言われ、していません。

三毛氏は体重2キロにも満たない子猫のような体型のまま大人になりました。

 

いつもぽけ~っと純粋無垢な顔つきで動作もゆったり軽やか、

ゆらゆら尻尾を振って天真爛漫おっとりした雰囲気を醸し出しながら

平気な顔して他の子が食べている餌を横取りし、寝床を奪う傍若無人ぶり。

悪気が無いのがこの子の凄いところで、ピュアな瞳を見ると叱る気も起きません。

他の子も「仕方ない譲ってやるか・・・」となぜか三毛氏には甘々な処遇。

特にベタベタ甘えてくることはないけれど私が部屋を出ればついてきて

トイレに入っている間はスリッパの番をしてくれます。

全く人見知りもせずに機嫌良くしているので鼻タレだけど誰からも好かれます。

 

そんな様子を見ながら

私はいつも「天使だなぁ」と思うのです。

 

 

天使ちゃんは、

天使なんだけど、性格は謎だらけでまるで宇宙人のように感じます。

「何を考えているかサッパリわからない。。。」

 

 

何匹も猫を飼って来ましたが、

長い付き合いの中で絶対的信頼関係が生まれ阿吽の呼吸になる子、

やたらめったら主張が激しくなんだか要求が伝わってしまう子、

最期を迎えていく日々の中でようやく心が通じたと感じた子もいました。

 

 

私と三毛氏はまだ心が通じ合っていない

そんなままでお別れするのは嫌だ!

 

 

私はそんなことを思いながら泣いていました。

 

「まだだよ。」

「まだ今じゃないよ。」

「今回は乗り切らなくちゃいけないよ。」

 

 

火曜日の夜、そう何度も言い聞かせながら

ずっと温めるように体を撫でていました。

 

 

三毛氏は、私の言い聞かせが通じたのかどうなのか。

ぼたぼた吐き出しながらもゆっくりゆっくり薬入りフードを口にしてくれました。

 

そして、明け方には勝手にカリカリを食べていてくれました。

 

私がトイレに行っている隙に起き出して150㎝以上あるキャットタワーなどの

高低差障害物を乗り越えて別場所の餌場でガツガツ食べていてたのです。

 

 

薄っすらと、「まだ大丈夫だろう、余力はあるだろう」と感じてはいましたが

まさかそこまでの力が残っていたとは・・・本当に驚きでした。

 

 

 

やっぱり「何を考えているかわからない」・・・(苦笑)

 

でも、「乗り越えてくれてありがとう!」

 

 

水曜日に病院へ連れて行ったら先生にも回復っぷりを驚かれ

「本当にダメかもと思ったけど・・・」と一旦はセーフのお言葉を頂きました。

それでもまだ予断は許せない状況なので

先週中はずっと毎日病院へ通いつめ注射・点滴を受けて投薬しました。

 

一応、一週間は大丈夫でした。

左目にはまだ内出血があり、元気だ回復したとは言い切れない状態ですし、

今後の再検査でどのような結果が出るのかも分かりません。

まぁ、悪いのは分かっているので

あとは治療でなんとかなるものなのかどうか。

 

 

保護した時から体の弱さは覚悟していました。

一生付き合っていくこの子のハンデの数々です。

でもせめて、時々は何の邪魔もなくぐっすり眠れる夜がありますように、

せめて、私と「心が通じ合った!」瞬間を迎えられる日が来ますように、

 

私はこの天使を保護した時に必ず守るから!と誓ったのです。

 

せめて5年は生きて欲しい。

5年経ったら6年を、

6年経ったら7年を目指しながら

一緒に頑張っていきたいな。

前々からぼんやりと考えていたことですが

今回の件でより一層その思いが強くなりました。

 

 

 

このブログを書いている間じゅうずっと

麦わら氏が私の膝の上できゅるきゅると甘えまくっています。

重い、動けない、邪魔だ、・・・が、嬉しい。

阿吽の呼吸の麦わら氏はとはもう15年のお付き合い。

急に膝の上で甘えるようになったのはつい最近になってからです。

この子もお年がお年だから健康には留意してやらなきゃいけないな。

 

色々あって4月から安住の別部屋を追い出され

所在なさげに私の部屋の隅に追いやられているはちわれ氏は保護して1年半。

首輪をつけた人懐っこい子だったけど、捨てられたのかどうしたのか、

飼い主を探したけど見つからず届け出の期間を終えてウチの子になりました。

やたらめったら喋りかけてくる五月蠅いおバカちゃんだけど可愛い子。

抱っこすると安心しきって頭を預けてくれる、そんな子は初めてでした。

お風呂や爪切りがどんなに嫌でも甘噛みでしか対抗して来ない優しい子です。

きっと溺愛されて育ったんだろうなと想像がつくのだけど・・・

何があったのかな。年齢も分からない。多分三毛氏より年上の4歳くらい。

特に持病もなく見るからに健康なのは本当に救いです。

この子も大切に育てよう。

 

 

全部の犬猫他を助けてあげたいですよ。

でも、お金にも体力にも環境にも限りがあるから。。

せめて何かしらのご縁があって出会ってしまった子には手を差し伸べたいし

そうなったからには最期まで出来る限り尽くしたい。

 

今回の三毛氏への出費はとんでもなく大変なものです。

コロナのせいで行くはずだったライブの数々が中止になって

いつか再開した時のために!と一切手を付けずに願いも込めて残していた

返金や遠征費に充てるはずだった封筒のお金を全部出し切りました。

それでもどうやら足りないようですし、今後の治療費も気になるところ。

私はこの子たちのために頑張らなければ。

 

 

さて、足腰が痛くなってきたので麦わら氏にはどいてもらおう。

三毛氏はやはり眠れないらしく薄目を開けてぼんやりこちらを見ている。

起きているなら薬入りフードを食べさせて点眼もしてしまおう。

はちわれ氏は今はぐっすり寝ているようだけど、

三毛氏のフードの音を聞けば我も我もとすぐに起きてくるだろう。

 

お前にはまだやらん。