1月27日
大山田川商店会競馬サークル【外伝】〜重賞のない土曜日〜

場末の純喫茶エンゼル
〜♪
「おはよー」
先週に続き、何故か集まっている
私が最後だったが雰囲気が重苦しい

「何かあった?」
誰にともなく聞くとタイゾーがマスターの方をうかがうように小声で…
「マスターが客を追い出しましてん」
「は?」

よく来る客らしいが常連顔でなんだかんだ言うらしい
詳しくはわからないが特別扱いして欲しいのだろう…

マスターはいつものことと適当に聞き流していたのだが
タイゾー達の競馬談義にマスターにだけ聞こえるように
イチャモンを付け出して、マスターが切れたとのこと

「クソがっ…」
マスターは怒りが収まらないらしく
「常連ほど店や周りの客に気配りするもんやろが…」
(なるほど、ごもっとも)
「他人が自分の金で馬券買うのにゴチャゴチャ言うな、ボケ!」
洗い物をしながら毒づいている
シンクの中のカップやグラスが割れないか心配だ

「マスター、ホットコーヒーね」
「あ、すまん、気付かんかった(笑)」
皆が笑っていつもの競馬談義に戻った

「先週は俺だけ坊主だったなぁ…」
AJCCは、よーこが1着、コータが3着
東海Sは、ケイサクが1着、タイゾーが3着
「でも先輩、馬券はとんとんだったんですよね?」
「ん〜、前にも言ったけど、皆の指名馬を絡めて買うからね、助けていただきました(^^)」

「モリスJK、帰っちゃいましたね」
「いろいろあるんやろな…ね、先輩」
「なんにしても人は去り際が大切だね」
「意味深ですねぇ」

「今日は食べてく?」
マスターがカウンターから声を掛けてくる
「あ〜、俺はあんかけスパのウインナーたくさんの奴」
私はこれしか食べないのだが
今日はよーことケイサクが同じものを頼んだ
タイゾーとコータはナポリタンが好きらしい

「いいなぁ〜、ありがとう」
皆が食べ始めて暫くするとマスターが呟いた
「え?何がですか?」
「5人とも"嬉しそう"に食べくれるからさ…」
「嬉しそう?」
「そう、"嬉しそう"」
「"美味しそう"じゃないんですか?」
「"美味しそう"とはまた違うんだよなぁ」

そう言うとマスターは背を向けて洗い物を始めた

※明日の資金が少し増えました(^^)

tarezo…(^。^)y-.。o○