和歌山市の新規陽性者発生状況は、グラフで見る限り若干峠を越えたかと見ることもできます。ただ、クラスターの発生が続いていること、変異株が主流になっているので、これまでの感染傾向が当てはまらないことを考慮すれば、まだまだ気が抜けない状況です。

 さて、この稿で山梨県の「やまなしグリーン・ゾーン認証」をまねることを提案してきましたが、和歌山県が新型コロナウイルス感染症予防対策調査及び認証制度をスタートさせました。ようやくここまで来たか、と思いながら、県のホームページを見ましたが、感染予防対策のガイドラインは、そのほとんどが業界団体のガイドラインへの転送で、山梨県のように具体策や数値をもって県が指導するというものではないようです。(調査の現場でどのように運用されているかは分かりませんが)

 理想は、県が調査をし、指導する→不足があれば、和歌山市の新型コロナウイルス感染拡大防止対策促進奨励金を利用して、対策補強→基準を満たせば認証という形です。中途半端な対策は、慢心を生み、感染拡大の隙を与えます。そうでないから、クラスターの発生が続くのです。ここはやりすぎるぐらいに徹底する必要があります。

 ただ、この営業自粛が求められている最中において、和歌山市には感染予防対策を支援する策がこの瞬間全くありません。前年度末ですべて終了し、現在は無策の状況です。上に書いた新型コロナウイルス感染拡大防止対策促進奨励金制度も終わったままです。

 感染拡大を防ぎながら、事業継続を支援するのが目的のはずなのに、そういう歯車にはなっていません。この時短要請期間中に、そういう設えに徹底すべきです。

 新規陽性者が1000人を超えている大阪を中心に、兵庫と京都に緊急事態宣言が明日25日から5月11日まで出されることになりました。

 そして残念ながら、和歌山市でも感染拡大が止まりません。毎日新規陽性者数の報告を受け、自分でグラフにしていますが、高止まりしていて減少傾向にはありません。すでに市内のコロナ対応病床は満床で、患者を市外へ救急搬送している状況です。

 4月13日の稿で、和歌山市は感染が拡大する前に「まん延防止等重点措置」の適用を受けて、先手を打つべきだと提案しました。あれから10日経ってしまいました。

 大阪は連日1000名を超える新規陽性者が出て、兵庫や京都も過去最多の新規陽性者数を更新、4月20日には和歌山県で過去最多となる55名の新規陽性者が出ました。

 市長は「まん延防止等重点措置」の適用を知事に進言したそうですが、今のところ具体的な動きはありません。すでに窮屈になった大阪から和歌山の飲食店などへの人の流れがあることを知事も把握されているそうですが、それならば大阪・兵庫・京都の緊急事態宣言と同じ期間で「まん延防止等重点措置」の適用を受けるべきです。そうでなければ、県内市内の感染拡大を抑えるのは難しいと思います。

 また知事は22日の記者会見で、同日から和歌山市内の飲食店に対して、営業時間を21時までとする時短要請を行いました。なお、時短要請に対する協力金の実施は今のところないようです。市内の飲食店経営者からお問い合わせをいくつもいただきましたが、落胆の声ばかりでした。

 報道でもかなり取り上げられていますが、大阪の新規陽性者が1099人で、初の千人超えとなりました。東京が510人で、その倍以上です。大阪の検査数が6001件で陽性率が18.3%、東京がどれぐらいか分からないので、単純に比較することはあまり意味がないと思いますが、しかし新たな患者が千人も増えると、医療現場はお手上げ状態になることは想像に難くありません。大阪はすでに「まん延防止」の域を超え、直ちに緊急事態を宣言する状況に入ったと思います。

 そして和歌山市も感染拡大が抑えられているとは言い難い状況です。特にカラオケ喫茶でのクラスター発生が衝撃的です。和歌山市は新型コロナウイルス感染拡大防止対策促進奨励金の制度を作って飲食店に対策を促してきました。しかし、対策を事業者にあまりに任せすぎたため、不十分でクラスターが発生するのです。新年度に入り、感染防止対策の奨励金制度も終わり、現在、事業者への対策支援制度はない状況です。

 そこで私は次の2点を提案します。

①和歌山市は「まん延防止等重点措置」の適用を受けるべき

 本来、新型インフルエンザ等対策特別措置法という法律の求めるところは、感染が拡大する前に「まん延防止等重点措置」で抑え込もうというものです。今の大阪はすでに広がってしまっているので、先程も書いたように、すでに「まん延防止」の域を超えています。

 和歌山市はまだまん延しているという状況には至っていないこと。また今年1月に緊急事態宣言が出されたときには、和歌山市の繁華街に大阪から多くの方が来られたということが、飲食事業者へのヒアリングから分かっています。大阪がまん延防止等重点措置から緊急事態宣言に切り替わると、前回と同じことが起こると想像できます。

 和歌山市の飲食店などで働く方や利用される方をコロナ感染のリスクから遠ざけるためにも、「まん延防止等重点措置」の適用を受けて、先手を打つ必要があると思います。

②山梨県の「やまなしグリーン・ゾーン認証」をまねる

 山梨県は感染症予防対策についての基準を定めて、その基準をクリアした事業者を認証する「やまなしグリーン・ゾーン認証」を行っています。

 感染症対策に必要な事柄を細かに定めて、それがクリアできているかを職員が確認し、時には改善を指導して、クリアできた事業者にはお墨付きを与えるというものです。

 感染防止対策の奨励金制度があっても、使わなかったり、使って機器を導入しても効果的に使われていなかったり、そもそも的外れということもあります。事業者側も本当に効果があるのか不安に思うでしょう。

 そこで役所が感染症対策を徹底的に指導して、感染リスクをゼロに近づける。認証が与えられたお店にはお客さんも行きやすい。飲食店からクラスターや新規感染者を発生させない。事業者にとっても、お客さんにとっても、行政にとっても、三方一両得だと思います。

 市民の命と生活を守るためには、ここまでしないといけないのではないかと思います。山梨県では効果が出ているようですし、良いことはどんどん取り入れていけばよいと思います。