8月納涼歌舞伎、観に行ってきました!
チケット入手困難だった第3部。
心待ちにしていた野田版「愛陀姫(あいだひめ)」。
野田秀樹演出の新作で、オペラ「アイーダ」をベースにしています。
歌舞伎座1
チケット2回取ったのに、1回目は完全な失念でパー。。もったいない。。
今回は実母に泊まりに来て貰い子守態勢万全で挑みました。
(ここんとこ夜留守がちすぎ。。息子よごめん)

音楽もヴェルディだったり、オーケストラと和楽器の融合もあったり、
美術も日本が舞台でありながら象や風船が飛び交う無国籍風だったり。
合戦シーンではスクリーン映像もあったな。
(コンドルズを思い出して笑えた)
歌舞伎の決まり事から離れて、役者も自由自在に動き回りギャグも言い、美術のセットは移動の度にカタカタカタカタノイズ出るわで
どこぞの騒がしい劇場に来たんだか?な錯覚を覚えました。
今回は音楽を変えたためか演劇っぽすぎて客の好き嫌いが分かれるところだと思う。
歌舞伎座2
でも、
愛陀姫役の七之助さんのいじらしく愛らしいこと(めちゃくちゃ上手い)!
祈祷師細毛役の福助さんの野田の化身のような狂気めいた壊れっぷり!
木村駄目助左衛門役の橋之助さんのスケールの大きさ!
濃姫役の勘三郎さんは情念たっぷりで涙を流しながらの熱演!
この役者さんのココが観たい!というツボがしっかり押さえてありました(笑)。

個人的に福助丈のはっちゃけぶりデフォルメっぷりときたら、毎回悶絶もの。
お祓い棒振り回して「降りてきたーっ!神のお告げじゃー!」ってエセ感上等。舞の部分はさすがに流麗でギャップ萌え(笑)。
毎回言うけど、福助観たさに足を運んでいるようなものです…!

第一部が「紅葉狩り」という華やかな演目だったのですが、歌舞伎の技術をしっかり堪能したあとだけに、一人一人の凄さが際立ってくる。
歌舞伎役者さんが演じると言葉の届き方も、仕草も、奥行きがどぜんぜん違う。。。
幼い頃から稽古をつけているのもあるでしょうが「完全に化身になれる」というのか「あっち側に行ってしまってる人々」というか。
うまく表現できなけど、今回は「心の醜さ」が胆なだけに恐怖を覚えるほどひとりひとりの潔さが際立っていた。

歌舞伎座HPより

●野田版 愛陀姫(あいだひめ)

 美濃の領主である斎藤道三の息女濃姫(勘三郎)は、密かに思いを寄せる木村駄目助左衛門(橋之助)を、父の道三(彌十郎)に認めさせようと思っています。そこで濃姫は、家臣の多々木斬蔵(亀蔵)が城下から連れてきた祈祷師の細毛(福助)と荏原(扇雀)を使い、駄目助左衛門に隣国織田家との合戦の先陣役に任じるお告げが出たように見せかけます。そして駄目助左衛門は見事に功を立てますが、実は濃姫の下女の愛陀(七之助)に思いを寄せており、先陣の功として愛陀を賜ろうと思っているのでした。
 やがて美濃に織田軍の捕虜が連れられてきますが、愛陀が父と呼んだ人こそ、織田信秀(三津五郎)。実は愛陀は織田家の息女であったのです。一方、濃姫は愛陀が恋敵と知り、また愛陀は祖国の尾張のために働こうとし…。オペラの名作「アイーダ」を野田秀樹が歌舞伎に翻案した話題の舞台をどうぞご期待下さい。