対決 3
前日に深い酒を浴びてしまうと、目が覚めた時
「ここは何処だ?」
と、状況を把握するのに時間を要する時がある。
龍生が正に その時だった。
渋谷で安いワインに酔わされ、電車の一定のリズムに眠りの扉を開ける・・・・・。 目を覚ますと一瞬、自分の状況がわからなくなる。頭を回転させ今、何駅だ?と考える。普段ならすぐに答が出るのだが・・・・
だが・・・・・・
実際には、龍生は本当に見た事もない場所にいた。
頭がボーっとする。
左右を見渡した。
全面銀色の壁に覆われた部屋。
何もない。
天井から、直径Ⅰメートルくらいの照明が、龍生を照らす。
その照明の真下にあるベッドの上に龍生はいた。
「な、な、なんだ? ここは何処だ? 誰かん家か? 」
当然 考えても わかる筈がなかった。
あの電車での事・・・・・・・。
龍生以外誰も乗っていなかった電車は、ある場所で行き先が変わった。
暫く電車は走る。
電車が停車すると、白い制服を着た男達が、龍生を捕獲、麻酔を打った後、龍生が今居る場所へと連れてきたのだった。
右側の壁に扉のような枠がある事に気付いた。
壁と色が一緒だった。
ここからでは扉なのか、ただの線なのか区別がつかない。
龍生は重い頭をなるべく動かさないように ゆっくりと起き上がり、壁へと近付いて行った。
扉ではあった。
が、ノブが着いてない。入る事は出来ても 出る事が出来ないのだろう。
龍生は扉を叩いた。
「すいませーん、チューッース! 誰かいませんか~~~! 迷子一名 発見致しました~~~。」
返事はない・・・・。
「っんだよ、どうなってんだ? 応答くらいしろっちゅーに!」
不安より文句が優先される龍生。ある意味なかなかの奴だった。
すると、天井から声がする。どこかにスピーカーが付いているのか、その声は部屋に反響した。
「マ、マ、マイクテス、あ、あ、あ~~~、おい、隊長、このマイク入っているのか? あ、あ、あ~~」
「将軍、大丈夫です。 マイクの電源バッチリです。お話下さい。」
雑談が龍生の耳に入る。
隊長? 将軍? なんだそりゃ。何を言ってるんだ?
龍生は天井に向かって声を出した。
「お~い! 隊長だか将軍だか知らねーけど、聞こえてるよ~~~! でも二日酔いで頭が痛いから、少しボリューム下げてよね! 」
即座に見えないスピーカーから声がした。将軍だった。
「 お~~~、聞こえているな! 龍生君、おはよう! 私は将軍。わが国の指導者だ。」
我が国の指導者?
言っている意味がわからない。
龍生は将軍の話しに応えた。
「あのさぁ~、将軍だか何だかわかんないけど、そろそろ姿を表してよ! 胃薬ちょうだいよ! 腹も減ったし。」
呑気な龍生に将軍は笑う。
「おー、そうか、そうか、お腹がすいたのか! そーいえば私も空いたなぁ。よし! まずは会食としよう!」
物分かりがいいだけでは絶対ない将軍の言葉は、意外にも龍生の周波とあっていた。
いよいよ ご対面。そして対決である。
一体、何を対決するのか・・・・・・・。
そして 龍生が連れて来られた理由は? 将軍とは?
謎に包まれたまま・・・・・・
最終回へつづく。
「ここは何処だ?」
と、状況を把握するのに時間を要する時がある。
龍生が正に その時だった。
渋谷で安いワインに酔わされ、電車の一定のリズムに眠りの扉を開ける・・・・・。 目を覚ますと一瞬、自分の状況がわからなくなる。頭を回転させ今、何駅だ?と考える。普段ならすぐに答が出るのだが・・・・
だが・・・・・・
実際には、龍生は本当に見た事もない場所にいた。
頭がボーっとする。
左右を見渡した。
全面銀色の壁に覆われた部屋。
何もない。
天井から、直径Ⅰメートルくらいの照明が、龍生を照らす。
その照明の真下にあるベッドの上に龍生はいた。
「な、な、なんだ? ここは何処だ? 誰かん家か? 」
当然 考えても わかる筈がなかった。
あの電車での事・・・・・・・。
龍生以外誰も乗っていなかった電車は、ある場所で行き先が変わった。
暫く電車は走る。
電車が停車すると、白い制服を着た男達が、龍生を捕獲、麻酔を打った後、龍生が今居る場所へと連れてきたのだった。
右側の壁に扉のような枠がある事に気付いた。
壁と色が一緒だった。
ここからでは扉なのか、ただの線なのか区別がつかない。
龍生は重い頭をなるべく動かさないように ゆっくりと起き上がり、壁へと近付いて行った。
扉ではあった。
が、ノブが着いてない。入る事は出来ても 出る事が出来ないのだろう。
龍生は扉を叩いた。
「すいませーん、チューッース! 誰かいませんか~~~! 迷子一名 発見致しました~~~。」
返事はない・・・・。
「っんだよ、どうなってんだ? 応答くらいしろっちゅーに!」
不安より文句が優先される龍生。ある意味なかなかの奴だった。
すると、天井から声がする。どこかにスピーカーが付いているのか、その声は部屋に反響した。
「マ、マ、マイクテス、あ、あ、あ~~~、おい、隊長、このマイク入っているのか? あ、あ、あ~~」
「将軍、大丈夫です。 マイクの電源バッチリです。お話下さい。」
雑談が龍生の耳に入る。
隊長? 将軍? なんだそりゃ。何を言ってるんだ?
龍生は天井に向かって声を出した。
「お~い! 隊長だか将軍だか知らねーけど、聞こえてるよ~~~! でも二日酔いで頭が痛いから、少しボリューム下げてよね! 」
即座に見えないスピーカーから声がした。将軍だった。
「 お~~~、聞こえているな! 龍生君、おはよう! 私は将軍。わが国の指導者だ。」
我が国の指導者?
言っている意味がわからない。
龍生は将軍の話しに応えた。
「あのさぁ~、将軍だか何だかわかんないけど、そろそろ姿を表してよ! 胃薬ちょうだいよ! 腹も減ったし。」
呑気な龍生に将軍は笑う。
「おー、そうか、そうか、お腹がすいたのか! そーいえば私も空いたなぁ。よし! まずは会食としよう!」
物分かりがいいだけでは絶対ない将軍の言葉は、意外にも龍生の周波とあっていた。
いよいよ ご対面。そして対決である。
一体、何を対決するのか・・・・・・・。
そして 龍生が連れて来られた理由は? 将軍とは?
謎に包まれたまま・・・・・・
最終回へつづく。
対決 2
2・・サマーナ国 午前零時半
「将軍、 予定通り、作戦は順調に進んでおります。」
アメリカ海軍のような、白い制服を身にまとった男が コーヒーを将軍に差し出しながら伝えていた。
「そうか、ご苦労。では、第二段階に進む準備をしてくれ。」
湯気の立ったコーヒーを受け取り、軽く口をつける。
予定通りにいっている時のコーヒーの苦さは格別だったようで、将軍から笑みがこぼれた。
「あと、ロッソ隊長、いかそうめん が食べたい。」
将軍は白い制服の男に言った。 彼がロッソ隊長なのであろう。
「相変わらず 通ですね、将軍は。 コーヒーに いかそうめん。 すぐにご用意致します。」
和と洋の絶叫なコラボレーション は 絶句もの であった。
いかそうめん が運ばれて来る間に二人は語る。
「しかし、あれだな、ロッソ隊長、 今回のイチ押しの・・龍生と言った名前の日本人は 威勢が良さそうでいいじゃないか!。早く見てみたいねぇ!」
将軍は葉巻を片手にロッソ隊長に話す。
素早い反応に定評のあるロッソ隊長は、ポケットからライターを取り出し、将軍の葉巻に火を着けた。
煙りを楽しみながら、将軍はロッソ隊長に目をやる。
・・・・・・・・・。
「ロッソ隊長・・・・・・・・。
駄目とは言わんが その生い茂った鼻毛は切らないのかね?」
煙りを楽しむ筈が 鼻毛鑑賞になってしまった将軍はロッソ隊長に言った。
ロッソ隊長は 何を言ってるんだ こいつは! という表情で将軍を見る。
「失礼ですが 将軍、 私の鼻毛は将軍の葉巻と同じ位 大切な物であります。 いくら将軍の命令と言えど こればかりは・・・・」
ロッソ隊長の鉛のような意識を将軍は感じたのか、それはすまん と言って話しを龍生の事に戻した。
「それで 奴の到着予定時刻は?」
将軍の問いかけにロッソ隊長は胸ポケットからメモを取り出し、将軍に差し出した。
「段取りと致しまして、 駅到着が零時1時になりまして、その後、我が部隊が龍生を拘束し ここまで運ぶのに15分、 結果、将軍との対面が 零時1時半となります。 一応 メモを渡しておきます」
「そうか 間もなくだな。 それでは ロッソ隊長、よろしく頼むぞ。」
「かしこまりました、将軍!」
葉巻の煙りの向こう側のロッソ隊長は 敬礼をし、その場を後にした。
いよいよ 龍生と将軍とのご対面になる。
何も知らないで電車に乗っている龍生。
一体 これから何が起こるのか・・・・・。
夜の闇はまだ語らない。
つづく。
「将軍、 予定通り、作戦は順調に進んでおります。」
アメリカ海軍のような、白い制服を身にまとった男が コーヒーを将軍に差し出しながら伝えていた。
「そうか、ご苦労。では、第二段階に進む準備をしてくれ。」
湯気の立ったコーヒーを受け取り、軽く口をつける。
予定通りにいっている時のコーヒーの苦さは格別だったようで、将軍から笑みがこぼれた。
「あと、ロッソ隊長、いかそうめん が食べたい。」
将軍は白い制服の男に言った。 彼がロッソ隊長なのであろう。
「相変わらず 通ですね、将軍は。 コーヒーに いかそうめん。 すぐにご用意致します。」
和と洋の絶叫なコラボレーション は 絶句もの であった。
いかそうめん が運ばれて来る間に二人は語る。
「しかし、あれだな、ロッソ隊長、 今回のイチ押しの・・龍生と言った名前の日本人は 威勢が良さそうでいいじゃないか!。早く見てみたいねぇ!」
将軍は葉巻を片手にロッソ隊長に話す。
素早い反応に定評のあるロッソ隊長は、ポケットからライターを取り出し、将軍の葉巻に火を着けた。
煙りを楽しみながら、将軍はロッソ隊長に目をやる。
・・・・・・・・・。
「ロッソ隊長・・・・・・・・。
駄目とは言わんが その生い茂った鼻毛は切らないのかね?」
煙りを楽しむ筈が 鼻毛鑑賞になってしまった将軍はロッソ隊長に言った。
ロッソ隊長は 何を言ってるんだ こいつは! という表情で将軍を見る。
「失礼ですが 将軍、 私の鼻毛は将軍の葉巻と同じ位 大切な物であります。 いくら将軍の命令と言えど こればかりは・・・・」
ロッソ隊長の鉛のような意識を将軍は感じたのか、それはすまん と言って話しを龍生の事に戻した。
「それで 奴の到着予定時刻は?」
将軍の問いかけにロッソ隊長は胸ポケットからメモを取り出し、将軍に差し出した。
「段取りと致しまして、 駅到着が零時1時になりまして、その後、我が部隊が龍生を拘束し ここまで運ぶのに15分、 結果、将軍との対面が 零時1時半となります。 一応 メモを渡しておきます」
「そうか 間もなくだな。 それでは ロッソ隊長、よろしく頼むぞ。」
「かしこまりました、将軍!」
葉巻の煙りの向こう側のロッソ隊長は 敬礼をし、その場を後にした。
いよいよ 龍生と将軍とのご対面になる。
何も知らないで電車に乗っている龍生。
一体 これから何が起こるのか・・・・・。
夜の闇はまだ語らない。
つづく。
対決
1・・・・・トラップ
珍しく晴れた夜。
渋谷の街の上にも星が見えていた。
109の地下を歩き、龍生は地下鉄の駅に向かって歩いていた。
11時50分。
12時発の最終電車には、どうにか間に合うだろうと思っていた。 パスモで改札をくぐり、階段を降りる。 電車はまだ来ていない。
龍生はお気に入りの黒いショルダーバックから iPodを取りだし、ヘッドフォンを耳に付ける。
渋谷駅の最終電車はまるで派遣切りされたストライキのような慌ただしい人の群れを作っていた。
デビットボウイの声が、周りの話し声も電車が来る音も無音にしていた。
音のない笑い顔や、口元が、 何気に見てると以外に面白い。
普段は気にならない事が ダーツ仲間で飲んだ安いワインのせいか、今日はコントを見てるようだった。
「ったく、こいつら馬鹿だねぇ~~、笑っちゃうよ」
と確実に聞かれてしまう程度に呟く龍生。
が・・・・
龍生本人も、誰にも聞こえないメロディに合わせて右足をリズミカルに動かしていた。
更には、両手の人差し指だけ伸ばし、見えないドラムも叩きだす。
乗り乗りのイケイケ状態。
周りの笑い声は 龍生に向けられていた。
もちろん気がつかない龍生。
馬鹿なのはどっちなのか・・・
周りを馬鹿扱いしている龍生が 周りに馬鹿扱いされながら電車に乗り込んだ。
電車は、立ってる人が いない程度の混み具合だった。
永田町あたりで徐々に人が減ってゆく・・・。
車内には、本を読む人、爆睡してる人、人間観察を楽しんでいる人、 など個性に溢れていた。
自由を目標に生きている龍生は、そんな電車が嫌いではなかった。
やがて 電車は錦糸町を過ぎた。
異常に珍しく、龍生の車内には 誰も乗客が乗っていなかった。
そう・・・、かなり異常に珍しく・・・・。
だが、その事にあまり気にする人はいないだろう。
へぇ~ 誰も乗ってないや程度だろう。
龍生も 当然その部類だった。
それが・・・・・・・・
龍生の時間を狂わす事になろうとは・・・・・・・。
龍生の 面白いろ可笑しい物語が、今始まろうとしていた。
つづく・・・。
珍しく晴れた夜。
渋谷の街の上にも星が見えていた。
109の地下を歩き、龍生は地下鉄の駅に向かって歩いていた。
11時50分。
12時発の最終電車には、どうにか間に合うだろうと思っていた。 パスモで改札をくぐり、階段を降りる。 電車はまだ来ていない。
龍生はお気に入りの黒いショルダーバックから iPodを取りだし、ヘッドフォンを耳に付ける。
渋谷駅の最終電車はまるで派遣切りされたストライキのような慌ただしい人の群れを作っていた。
デビットボウイの声が、周りの話し声も電車が来る音も無音にしていた。
音のない笑い顔や、口元が、 何気に見てると以外に面白い。
普段は気にならない事が ダーツ仲間で飲んだ安いワインのせいか、今日はコントを見てるようだった。
「ったく、こいつら馬鹿だねぇ~~、笑っちゃうよ」
と確実に聞かれてしまう程度に呟く龍生。
が・・・・
龍生本人も、誰にも聞こえないメロディに合わせて右足をリズミカルに動かしていた。
更には、両手の人差し指だけ伸ばし、見えないドラムも叩きだす。
乗り乗りのイケイケ状態。
周りの笑い声は 龍生に向けられていた。
もちろん気がつかない龍生。
馬鹿なのはどっちなのか・・・
周りを馬鹿扱いしている龍生が 周りに馬鹿扱いされながら電車に乗り込んだ。
電車は、立ってる人が いない程度の混み具合だった。
永田町あたりで徐々に人が減ってゆく・・・。
車内には、本を読む人、爆睡してる人、人間観察を楽しんでいる人、 など個性に溢れていた。
自由を目標に生きている龍生は、そんな電車が嫌いではなかった。
やがて 電車は錦糸町を過ぎた。
異常に珍しく、龍生の車内には 誰も乗客が乗っていなかった。
そう・・・、かなり異常に珍しく・・・・。
だが、その事にあまり気にする人はいないだろう。
へぇ~ 誰も乗ってないや程度だろう。
龍生も 当然その部類だった。
それが・・・・・・・・
龍生の時間を狂わす事になろうとは・・・・・・・。
龍生の 面白いろ可笑しい物語が、今始まろうとしていた。
つづく・・・。
