雪のない道路 4時間で到着

直ぐ様 義父のもとへ

意識はある 

体幹ベルトに両上肢の抑制

酸素マスクで5㍑

声にならない声で何かを訴えている


夫婦って不思議だ

口を開けば義父への不満ばかりの

義母だったのに…その姿に唖然

「寂しくて眠れない」

「食べたくない おかしくなる」


支えていたつもりが義父の介護に

生き甲斐を得られていたのか

義母は憔悴しきっていた


枕元に駆け寄る孫娘と長男

主人は長男だ

顔を見るなり号泣している

義母が「◯が来てくれたよ」長男

「◯も来てくれたよ」孫娘

そう義父に声をかけた


ん? 私も居ますが? 笑

やっぱり嫁は嫁 血縁のない私

それを感じて涙は出なかった

足元に立ちその光景を見ていた

義母との関係性は悪くなかったが

こう言う時にやっぱり出るのね

いいんですよ 嫁っすから 笑


孫娘に反応 

か細い声で名前を呼ぶ義父

ジジっ子だった娘は涙が止まらない

私は全身チェック

点滴の中身はただのブドウ糖

悪いにゃ悪いが今日って感じはない

って…看護師たらこが出ちゃった


面会を終え義妹夫婦と食事

相変わらず…やかましい義妹

葬儀 お墓…ワーワー 

そうワーワー言わんでも…

松野明美バリの騒がしさ

苦笑いの私 コレが疲れるんだわ


今回はホテルを予約した

ドーミーイン ツイン2部屋

娘と私 主人は1人別部屋


それも危篤連絡が来る前に

義母からキツい一言があったから

見舞いに行きたい旨を伝えた所

「来て貰っても困る」

「自分の事で精一杯だ」


だよねぇ…義母も高齢だ

実家に泊まるとなるとアレヤコレヤ

大変なのは分かる

けどもっと言い方あるんじゃね?

と思ったがハイハイ聞いていた

義母もいっぱいなんだわ


そして主人に電話を代わると

いきなり喧嘩が始まった 汗

2人はよく似てる 笑

だからぶつかるのかねぇ…

もう…義母の精神状態考えてや

ったく…困った2人だ


延命処置はしない

けどやっぱり病院で最期を迎えるの

私は嫌だなぁ…

体に鍵の付いた体幹ベルトを巻き

着けられ両手も柵に縛られ

身動き出来んのだから…


安全の為と言う身体抑制

尊厳も何もありゃしない

病院はさほど効果もない点滴を

流し続ける為に転落しない為に

抑制するのだが…死期迫る者に

それが必要なんだろか?


じゃ退院して家で看ればって事に

なるのだけど…

看取りの場が病院って言うのは

避けたい ポックリ逝きたい

誰もがそう思うだろうけど

ホントそう思った


往復8時間 

ちょっと行って来るわの距離では

なく…仕事もある

スーツケースに入れた礼服を

またクローゼットに戻した