とうとう私も冷却デジカメの世界に突入となりました。
実は今年の春先よりテストを重ねておりまして、やっと記事にすることができるようになりました。
といっても、まだ試作機段階ですので、これからのものではあります。
今回の冷却改造デジカメは、ケーズショップさん が販売を予定されている CANON EOS Kiss X5 を冷却&IRフィルター換装したもので、K's COOL X5 という冷却改造デジカメです。
詳細はケーズショップさんのサイト を見て頂ければ書かれていますが、サイトに掲載の写真より改良がされている為、背面に変更があります。
・パイロットランプが上部に移動(ここには元々乾燥空気の流入口がありました)
・背面左上にIR表面の結露防止マイクロフィルムヒータの温度調整つまみを設置
・冷却ユニット下部に乾燥空気流入口を移動
やはり、冷却デジカメに欠かせないものは、どのように結露対策を行うかだと思います。
K's COOL X5 は、IRフィルター前面にマイクロフィルムヒータを使用することで、IRフィルターの結露を防止します(この画像はケーズショップさんに、IRフィルターに付ける前に写真を撮ってもらいました)
また、夏場と冬場で温度調整ができるように、マイクロフィルムヒータに繋がる抵抗を可変抵抗にしてもらい、それを背面のツマミで調整できるようにしてもらいました。
このツマミの状態に対する温度は以下の通り。
・一番左の状態で0℃(ヒータOFF)
・10時の方向で約30℃
・ 2時の方向で約40℃
・一番右の状態で約50℃
で、通常使用は10時の方向で約30℃で使用です。
夏時期は冷却MAXでの運用でいいと思うのですが、真冬のキンキンに冷えている自然冷却の環境であれば、そこまで冷却MAXにする必要もないような気がします(冷却時バッテリーの消耗も大きいですしね)
真冬までに自作で、電圧可変電源でも作ろうかと思っていまして、電圧を可変にすることで冷却効果も操作できるかなと…。
でもその場合、ヒータに対する電圧も落ちることになるので、その場合このツマミを操作することで、ヒータに直結する抵抗を調整し、ヒータ温度を可変することができると思っています。
その場合の問題点として、ヒータの温度がよくわからない事です^-^;;
これは運用で煮詰めていかないといけないのですが、冷却改造開発時に「ヒータの温度計も付けて!」とケーズショップさんにお願いしたのですが、背面のコネクタを置く場所が無いのと、ヒータ部までサーミスタを持って行きにくかったということで却下されてしまいました。
ま、これに関しては通常使用の範囲内としては常に冷却し、ヒータの調整つまみは10時方向で運用するとして(真冬で何度まで冷却できるかもテストが必要ですし)、余裕が出てきたら冷却効果の調整もやってみようと思っています。
つづいて冷却ユニットの下部には乾燥空気を流入させる空気穴が設置されています。
金魚のブクブクなどを使用してシリカゲルなどを入れた乾燥空気流入装置などを使用すれば、カメラ内部に乾燥空気を入れることができ、カメラ内部の基盤の結露を防げるようになっています。
IRフィルター表面に関してはマイクロフィルムヒータで結露を防止する機構が整備されていますが、カメラボディ内部は結露防止剤などでU字アームをコーティングしているとはいえ、プラスチックの隙間だらけのボディなので、やはりカメラ内部の結露→基盤上のショートなどが心配されます。
某CDSの様に、完全に密閉状態を作れればいいのですが、それも開発が大変ですし、気休め程度かもわかりませんが、カメラ内部へ乾燥空気を流入させる機構を作ってもらいました。
さて、まずはやはりホコリのチェック。
IR表面のホコリはブロアで取ることができますが、CMOS-IR間にもしホコリが入り込んでた場合、我々使用者側ではどう頑張っても取ることができません。
ん~。おしい!発送前にチェックしてもらい、その時頂いた画像には1粒のホコリも見えなかったのですが、この画像の左側に濃いめのホコリが点在します。
ブロアで何度か吹き飛ばしたり、ペンタ棒でペタペタしてみましたがどうして取れませんので、CMOS-IR間のホコリの様です。
発送前には端の方に残っていたホコリが宅急便の車に揺られた結果、内側に移動してきたのでしょうか?とりあえずこれに関しては再クリーニングを依頼しました。
実はこのデジカメ到着した週の週末は月夜だったのですが、冷却効果など現地使用でのテストもかねて遠征する予定でした。が…、やはりマーフィーの法則といいますか、週末は見事に曇り予報…。
というわけで、自宅の部屋で冷却効果のテストを行いました。
まずは、初期状態。クーラー温度27℃設定にした室内でのカメラの冷却を行ってない状態です。
この状態より、カメラの電源は入れずに、冷却を開始します。
使用した電源はいつも遠征時に使用するディープサイクルバッテリー(G&Yu SMF27MS-730) で、使用前に電圧を測ると12.9Vを表示していました。
| 経過時間(分:秒) | 付属温度計(℃) | 外気温度差(℃) |
| 00:00 | 26.7 | 0.3 |
| 05:00 | 8.2 | 18.8 |
| 10:00 | 4.6 | 22.4 |
| 15:00 | 4.5 | 22.5 |
| 20:00 | 3.4 | 23.6 |
| 25:00 | 2.7 | 24.3 |
| 30:00 | 2.3 | 24.7 |
| 35:00 | 2.3 | 24.7 |
| 40:00 | 2.1 | 24.9 |
| 45:00 | 2.0 | 25.0 |
という感じで、約30~40分で温度が安定しました。カメラ電源オフ時の冷却効果は外気温-25.0℃という結果となりました。
※今回プロトタイプ版ということで、-25℃の性能がありましたが、この個体につけてある銅製のヒートシンクは既にメーカー製造中止となってしまっているようです。そのため、今後の個体は別のヒートシンクになるため、スペック表記上は「冷却効果:外気温-20℃前後」ということだそうです。
この状態から、続いてカメラの電源を入れ、BACKYARD EOSからデジカメをコネクトします。
| 経過時間(分:秒) | 付属温度計(℃) | 外気温度差(℃) |
| 00:00 | 2.0 | 25.0 |
| 05:00 | 2.6 | 24.4 |
| 10:00 | 3.0 | 24.0 |
| 15:00 | 3.3 | 23.7 |
| 20:00 | 3.5 | 23.5 |
という感じで、カメラの電源を入れた状態で、約1.5℃の温度上昇が見られました。
ここから連続露光を開始します。BACKYARD EOS から ISO1600 300sec露光×12枚を連続でバルブ撮影します。
BACKYARD EOS では、カメラ内部の温度センサーより情報が取れるらしく、その温度も合わせて記載します。| 経過時間(分:秒) | 付属温度計(℃) | BYE温度(℃) | 外気温度差(℃) |
| 00:00 | 3.5 | - | 23.5 |
| 05:00 | 5.0 | -2 | 22.0 |
| 10:00 | 5.8 | 1 | 21.2 |
| 15:00 | 6.3 | 2 | 20.7 |
| 20:00 | 6.7 | 2 | 20.3 |
| 25:00 | 7.5 | 2 | 19.5 |
| 30:00 | 8.5 | 3 | 18.5 |
| 35:00 | 9.1 | 4 | 17.9 |
| 40:00 | 9.5 | 5 | 17.5 |
| 45:00 | 9.6 | 5 | 17.4 |
| 50:00 | 9.5 | 5 | 17.5 |
| 55:00 | 9.5 | 5 | 17.5 |
| 60:00 | 9.5 | 5 | 17.5 |
このテストの終了間際、娘が部屋に入ってきたので、若干部屋の温度が上昇してしまい、温度計が28℃となってしまいました^-^;;
誤差はあるかとは思いますが、連続露光することで、CMOSの温度は約6℃上昇するようです。
電源オンから合計すると、カメラ内部の温度上昇は、約7.5℃となります。
ということで、露光時のCMOS温度は外気温-17.5℃の冷却効果という結果となりました。
今年の遠征で神野山で一番気温が高かった時は約23℃でした。この時を考えると、この冷却効果を考えて、CMOS温度は5.5℃となり、若干ノイズが出ますが、ダークで十分取り除けます。
また真夏を越せば気温も20℃を下回りますので、そうなるとCMOS温度も0℃付近となり、ダーク引きをしなくても良さそうな温度となりそうです。
このあたりのダーク状態に関してはこれから現地での実地テストで検証していこうと思います。
今回の露光テストで気になったのは、BYEの返してきた温度です。
付属の温度計の表記より約4℃ほど低い温度を返しています。いろいろとネットで調べた結果、BYEが取得する温度は CMOSの背面基盤についている温度センサーで取得した温度であり、厳密にCMOS背面の温度では無いとのことです。
内部の構造はよくわかりませんが、付属の温度計はCMOSの温度を測定しており、温度センサーはペルチェよりにあるため、CMOSより低い温度が表示されているのでしょうか。
最後にダーク画像です。非冷却時(室温27℃)と冷却時のISO1600 300sec露光を比べてみました。
室温27~28℃/ISO1600/300sec (JPG画像中央部300x300px切り抜き) *長秒時露光ノイズ低減→しない/高感度撮影時のノイズ低減→しない |
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レベル補正 |
非冷却時 CMOS温度(38.7℃) BYE温度(+36℃) |
冷却時 CMOS温度(9.5℃) BYE温度(+5℃) |
補正なし (Lv255) |
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補正あり (Lv255→50) |
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室温27℃でのテストなので、真夏想定(夜間そこまで暑くない?)ですが、冷却の効果は絶大です。
今年の夏(8/17)に遠征したときが一番暑かったですが、そのとき外気温が23℃でした。その時より高い温度でのテストとなりますので、ノイズ低減の効果が大きいのがわかりますね。
これから気温がどんどん低くなり、CMOS温度は0℃に近づいたときのノイズ量が楽しみです。
あとは、現地でのテスト(結露の有無・バッテリーの消費具合)とライトフレームの状態、あとは回数を重ねた使用での故障頻度のテストを行って行く予定です。













































