先日、レジデントの頃に大変お世話になった

私の恩師と言える、先輩外科医に会う機会があり、

色々と貴重な話を伺うことが出来た。


医師の働き方改革が進む中で、

より業務を効率化する必要があるが、

一方で、これまでのような働き方(若さに任せて、昼夜を問わず働きまくる)は出来なくなった。


体力がある若い頃は、ある程度の無茶が効くし、

私もそのような無茶をある程度行った結果、

今があるという自負もある。


正直言って、恩師と話すまでは、

いわゆる「無茶」の期間は、若いうちはあっても良いのでは、と思っていた。


恩師の時代は、我々の時代よりさらに過酷で、

文字通り24時間×365日、

家族との時間を犠牲にして、働いて来られたことと思う(昔話はほとんどご自身から話されることはないが)。


そのような話題で恩師が仰った一言が、印象的であった。


「今は時代が違う、

今、オリンピックで日本のメダルラッシュが続いている、

大谷選手、将棋の藤井聡太棋士、ボクシングの井上尚弥選手のような、これまでは考えられなかったような異次元の成績を残す若者が、出つつある。


前時代のやり方を、ただ踏襲しているだけでは、決してこのような若者は出てこなかったであろう。


外科医も同じで、我々が育ったやり方(昼夜問わずがむしゃらに働く)を押し付けるのは違うだろう。


AIの積極的活用や、タスクシフトにより、

より、外科医がオペに集中できる環境を整えれば、我々が取れなかった金メダルを取るような、外科医が輩出されるだろう」



自身が育った環境ややり方に固執せず、

若手には時代にあったやり方を求める。


恩師の考え方に深く感銘を受け、

目から鱗が落ちる思いであった。