ゴールデンウィーク最終日は、
草むしりすると決めていた。
いや、決めていたというより、
もう見て見ぬふりの限界だった。
庭の草、すごかった。
草というか、もはや稲。
しかも、たんぽぽ。
見た目は可愛い。
でも根が深い。
びっくりするほど深い執念のかたまりである。
朝7時に起きて、
母に手伝ってもらい
一緒に草むしり開始。
ゴールデンウィーク最終日にすることとして合っているのかは知らないけど、
もうやるしかない。
せっせ、せっせと抜いて、
まとめて、
袋に入れて、
途中から無言。
気づけばゴミ袋10袋分。
10袋でも
まだ終わってない
どんだけ草に支配されてたんだ。
母の手に豆ができてしまい
試合終了
草との戦いを終えたあと、
14時からは、まつエク。
母には家でまると休んでもらった。
朝は草。
昼はまつ毛。
この振り幅よ。
泥くささから、急に美容へ。
人間って忙しい。
で、アイリストさんに聞かれた。
ゴールデンウィーク何してたんですか?
私、答えた。
バイトと草むしりです笑
我ながら、
夢も希望もなさそうな返答として完璧だった。
たぶん相手が想像してるのは、
旅行とか、ランチとか、映画とか、そういうやつ。
でもこっちは
バイトと草である。
一方、そのアイリストさんは、
仕事後にプラダを着た悪魔2を見に行くらしい。
人生の画角が違いすぎる。
しかも行くたびに、その人、輝いてる。
ジュエリーもキラン。
肌もツヤン。
空気もなんか華やか。
幸せ、わけてください。
というか、ほんのひとつまみでいいから、
私の生活にもふりかけてほしい。
それに比べて私は、
行くたびに自分がすさんでいく。
これ不思議よね。
美容で整えに行ってるはずなのに、
相手のキラキラを浴びるたび、
こちらの生活感だけが浮き彫りになる。
顔は整えてもらえても、
背景にゴミ袋10袋分の草が透けて見える気がする。
もちろん、その人が悪いわけではない。
むしろ仕事はちゃんとしてる。
いや、ちゃんとしすぎてる。
「3週間以内に予約を取ってもらって、お客様のコンディションを見るのがプロの仕事だと思ってるので」
立派。
とても立派。
でも、正直ちょっとしんどい。
だってこっちは、
出かける前だけでよくない?
って思ってるから。
毎回きっちり整えて生きていけるほど、
人生に余裕がない。
財布にも余裕がない。
気力にも余裕がない。
庭には草がある。
でも、その人ひとりでやってるから、
一回のがすとなかなか予約が取れない。
だから結局、
じゃあお願いします…
となる。
美容に行ってるのか、
予約の人質になってるのか、
だんだんわからなくなる。
本来、美容って気分を上げるためのもののはずなのに、
気づけば
自分のくたびれ具合と生活格差を静かに確認しに行く時間
みたいになってる時がある。
なかなか切ない。
でも、今日は草むしりを頑張った。
そこは認めたい。
ゴミ袋10袋は、なかなかの戦果である。
しかも最後に、
スーパーで特上のまぐろづくしのお寿司を母と食べた。
これが、めちゃくちゃ美味しかった。
ほんとに美味しかった。
草むしりのあとに食べる、特上まぐろ。
これが現実。
でも、悪くない。
キラキラしたジュエリーはなくても、
特上まぐろは私を裏切らなかった。
むしろ今日いちばん誠実だったまである。
ゴールデンウィーク、あっという間に終わっちゃった。
バイトして、
風に振り回されて、
車に裏切られて、
草を抜いて、
最後にまぐろを食べた。
こう並べると、
なかなか情報量の多い連休だった。
華やかではない。
映えもしない。
プラダ感もない。
でも、なんだかんだ生きてはいた。
キラキラしてる人を見ると、
自分の生活が急にくすんで見える日もある。
でもまあ、
草は少し減ったし、
庭は人間の住処に戻ったし、
まぐろは美味しかった。
それでよしとするしかない。
少なくとも今年のゴールデンウィーク最終日は、
プラダではなく、草とまぐろの記憶で終わった![]()





















