被災地から戻った直後、東北地方は梅雨入りし、愛知は暑く長い夏を迎えました。
そして9月、秋になったはずだけど、夏同様の暑さの中で、震災後半年を迎えました。
その頃から、再び被災地への再訪問の気持ち、新たな想いの実現に、
一歩でも近付きたいという気持ちが強く湧き始めました

そして、まずは訪問時期の検討。
今からでも無理なくじっくりと調整・計画でき、
冬の寒さ特に積雪を避けられる時期として、
11月中旬の訪問予定としました。

その想いと予定を妻(愛称は「せんべえ」。以下、せんべえ)に告げると、
せんべえはなんと「私も行きたい」と。

前回は、僕一人での「みちのく一人旅芸人」。
一人旅は物事をじっくりと捉える事ができ、自分のペースで計画・実行でき、
そして何よりも被災地でお会いするであろうたくさんの方々、
お一人おひとりと、サシで関わりが出来ます。
自分の生きざまや感性に基づいた関わりが持てます。

前回、一人で行ったことで、自分の行動に自分で責任をもち、
甘えそうな自分を自分で制し、
その結果、得る事が出来たたくさんのふれあい、
そして達成感と焦燥感があります。

もしせんべえあるいは他の誰かと複数で出向いていたら、
たやすいほうに背中を押してもらいたいと思ってしまったかもしれません。
あるいは、僕は黙っていても、動かなくても、誰かが取り持ってくれる。
ついついそんな甘えが出て、自分自身をさらけ出して
被災地の現実と向かい合うことが出来なかったかも知れません。

だから、「一人旅でありたい」とせんべえには伝えました。

ところが、被災地に出向き、
自分の目で被災地の現状を感じたいというせんべえの思いは強く、
そして、「タップリンの荷物持ちでいいから行く」という、せんべえの意思は熱く、
(自分の荷物は自分で持つ。これぞ、大道芸人)
また、せんべえが普段からボランティアとして取り組んでいる絵本の読み聞かせや、
学童保育の指導員�時代に習得した工作でのおもちゃ作りなどの活動が
被災地の子どもたちにも大いに喜ばれると思い、
つまり、笑い・笑顔をさらに引き出せると思い、
『一人旅』でなくなることへのビミョーな気持は拭い切れないまま、
「みちのく二人旅芸人」いや「みちのく一人旅芸人withせんべえ」と相成りました。

さあ、そして、みちのく訪問日の朝を迎えました。
iPhoneからの投稿
被災地の方々のたくさんの笑顔に出会えたという大きな「達成感」。

しかし同時に、子どもが心を閉ざそうとしている現実にも出会いました。
何も感じないようにすることで、みずみずしい感性を閉ざすことで、
辛さを耐えようとする、痛々しい場面でした。
子どもたちは、このどうしようもない現実を耐えるしかないのか・・・。
それは、笑いを引き出す事を生業としている僕にとっては、
大きな「焦燥感」でした。

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「達成感」は、期待にもっと答えたいという想いを産み出し、
「焦燥感」は、もっと行動しなければ、もっと続けなければという、
さらなる熱い想いを産み出しました。

達成感と焦燥感の両方が産み出した、
そして実体験に裏付けされた、「新たな想い」。

第1回目の被災地訪問は、これを自分の中で確認しながら、
みちのくを後にしました。
その車中、僕は、こんな言葉を繰り返していました。

子どもが心を閉ざす 老人が命を削る
 そんなことは僕が許さない
社会が目を伏せていく 過去のものになっていく
 そんなことは僕が許さない


iPhoneからの投稿
昨年6月末、愛知県が梅雨の真っ只中の頃、
まだ梅雨入り前の東北地方に、一人で一週間出向きました。
震災後3ヶ月を過ぎた頃でした。

「震災直後は現実を受け止めきれず、気持ちが張り詰めているが、
3ヶ月過ぎた頃から現実を受け止めざるを得なくなり、
心のケアが必要となる」という、
ある心理学者の言葉に裏付けされた、
満を持しての被災地訪問計画でした。

そして、初めて目のあたりにする被災地の風景。
テレビや新聞ではよく見かけた光景だけど、
でも、空気が違う、匂いがある、恐怖が迫ってくる、
そして・・・、生きようとする人がいる・・・。

そのような中での、笑いを引き出す活動。
大切な人を亡くし、家や財産を無くし、
仕事を失くした方々から笑いを引き出す活動。

ところが、被災地の方たちは、とても歓迎してくれました。
あらかじめ、連絡・調整し、計画していただいていた場所ではもちろん、
車での移動中に飛び込んだ施設などでも、大歓迎していただきました。
被災時の様子を語ってくれました。
食事を用意すると言ってくださいました。
汗かきの僕に、支援物資の中から「これが似合う」と、
着替えを提供してくださいました。
気持ちでつながろうとしてくださいました。

釜石市~大船渡市~陸前高田市~気仙沼市。
8か所の施設や避難所で大道芸をやらせていただきました。
みなさん、笑いたがっている。笑っていいと思っていらっしゃる。
初めて東日本大震災の被災地に出向き、
僕は、「達成感」とたくさんの「パワー」をいただき、
いつかまたお返ししようと思いました。

そんなところから、第2回目のみちのくへの「心の旅」が
実は始まっていました。

この「タップリンのきまぐれ日記」では今後、
昨年11月に出向いた第2回目訪問の被災地での出来事や感じたことを
回想しながら綴っていきます。

ただし、きまぐれに・・・
たぶん・・・

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