小田急電鉄では、2026年3月14日のJR各社ダイヤ改正と同日にダイヤ改正を実施します。主な内容は以下の通りです。今回はダイヤ改正のうち平日の改正内容について見ていきます。このダイヤ改正では主にロマンスカーの利便性向上が中心となっている他、回送列車のワンマン化が推進されるということです。




平日

①朝時間帯の下りロマンスカー増発

②夜間帯の下りロマンスカーの停車駅追加と接続改善

土休日

①日中のロマンスカー増発

②一部の小田原発着の「さがみ」号を箱根湯本まで延長、「はこね」化

③夜間帯の下りロマンスカーの停車駅追加

④新宿から小田原59分運転の復活

詳しく見ていきましょう。

平日の①について。増発されるのは新宿7:10発えのしま1号藤沢行きと新宿7:18発のさがみ93号伊勢原行きです。平日午前中に江ノ島線下りを営業列車としてロマンスカーが運転されるのは、2022年のダイヤ変更で廃止されて以来4年ぶり、また伊勢原終着のロマンスカーが運転されるのは初めてだと思われます。現行ダイヤの平日N71N21運用(MSE運用)は、本厚木6:08発新宿7:00着のモーニングウェイ2号に充当された後、藤沢まで回送され、藤沢8:10発新宿9:10着のモーニングウェイ60号に充当されます。えのしま号の増発に関しては新宿から藤沢までの回送を営業列車化したものと考えられます。よってえのしま1号は、MSE車充当の可能性が高くなっています。なお、現行ダイヤのモーニングウェイ2号は新宿3番ホーム到着のため、その折り返しのえのしま1号も新宿3番ホーム発になることが想像され、新宿3番ホーム発のロマンスカーは平日では久しぶりの復活となります。また現行ダイヤの平日N66N46運用(EXE運用)は、秦野6:04発新宿7:09着のモーニングウェイ4号に充当された後、伊勢原まで回送され、伊勢原で折り返し更に本厚木まで回送、本厚木8:41発新宿9:27着のモーニングウェイ12号に充当される運用になっています。したがってさがみ号の増発に関しては新宿から伊勢原までの回送を営業列車化したものと考えられます。よって、さがみ93号はEXE車充当の可能性が高くなっています。

平日の②について。新宿を22:20以降に出発するロマンスカー3本(ホームウェイ23、25,27号でいずれも本厚木行き)は、現行ダイヤでの停車駅は町田、海老名、本厚木ですが、これに新百合ヶ丘が追加されます。新百合ヶ丘22:13まではメトロホームウェイと江ノ島線直通のホームウェイが新百合ヶ丘停車となっていますが、それ以降は新百合ヶ丘に停車する便が無かったことから、新百合ヶ丘(とその周辺駅)への利便性向上ということになります。また、本厚木23:06、23:52発の各駅停車小田原行きの時刻を後ろにずらすことで、本厚木駅でホームウェイ23号、27号から接続出来るようになり小田原駅への到着時間が最大22分短縮されます。またホームウェイ25号は6両から10両に増強されるとのことですが、ホームウェイ25号は現行ダイヤのN74運用(MSE運用)に組み込まれています。N74運用は日中はふじさん号がメインの運用となっており、単純に6両から10両に増結することは考えにくいです。N74運用は新宿19:20発藤沢20:20着のホームウェイ85号に充当された後、新宿まで回送され、新宿22:40発本厚木23:25着のホームウェイ25号に充当され、海老名入庫となります。また、N71N21運用は、大手町19:30発本厚木20:38着のメトロホームウェイ45号に充当された後、海老名に入庫します。よってホームウェイ25号を10両化するためには、N74運用の藤沢到着後は海老名まで回送し、N71N21運用を本厚木到着後新宿まで回送しホームウェイ25号に充当することが考えられます。なお、ダイヤ改正後はホームウェイ23、25、27号はそれぞれ31号、33号、35号となります。
また今度のダイヤ改正では、小田急箱根鉄道線(箱根登山線)小田原〜箱根湯本間の一般列車において、ワンマン化されることが発表されています。それを伴う運用変更はあるのか、その辺にも注目です。