父が亡くなる前日、突然「明日、T(50年来の親友)が7時に迎えに来るって」と言ったそうです。
それを聞いた母が「何言っているの、T先生、半年前に亡くなっているでしょ」と言ったところ、
「だってそこに来て言ってるもん」と言ったそうです。
驚いた母が主治医を呼びに行って戻って着た途端に血圧が急激に下がり、
実際次の朝の7時に亡くなりました。
その数年後、どうも父は色々な人の所にお迎えに行っているようで、
仲良しのS先生が心筋梗塞で倒れたとき、運よく処置が早く延命されたS先生に
「あんたのおやじが迎えに来たよ」と言われ、びっくりして
「で、先生どういわれたんですか?」とお尋ねしたところ
「まだ早い!!と言って追い返した」と笑われていました。
その後、間もなくS先生は再度発作に襲われ、亡くなりました。
「お迎え」について、2011年 河原正典医師の在宅緩和ケアグループと社会学者と共同で
500人以上の宮城他の在宅緩和ケアを受けた遺族に対して本格的調査をしました。
結果、全体の4割でお迎え現象を体験したという回答が得られたのです。
最も多いお迎えは両親や友人などすでに亡くなった人たち。
猫や犬など飼っていたペットや動物が現れる場合もありました。
そして、懐かしいふるさとの山々など思い出の風景を見ることも。
こうしたお迎えを見た9割の人が穏やかな最期を迎えたことがうかがえるとしています。
私自身、遺族としてのお迎え体験をお話をすると、「実は・・・」と語られる方が何人もいらっしゃいました。
その方たちに、ご家族を亡くされた後の悲嘆について伺うと「お迎えがきた」と知った時、「独りで逝ったんじゃないんだ」とか「懐かしい人などが迎えに来てくれるから怖くないんだ」などポジティブなコメントが返ってきていました。
ただ「お迎え」を患者の「妄想」として取る医療者もいることも事実です。
ある看護師さんは、患者さんがお迎えが来たという話をした、と別の看護師に伝えたところ、
その看護師が患者さんのカルテに「せん妄が出てきている」と書いているのを見て激怒していました。
確かに患者さんにしか見えないものだから亡くなる前の脳のマジックによる幻想かもしれません。
ただ、それで少しでも患者さんやそのご家族が気持ちが楽になるのであれば、それはそれで受け入れて
話を聞くだけでいいのではないでしょうか?
さて、あなたが亡くなるとき、誰にお迎えに来てほしいですか?
なぜその人を選びましたか?
その人がお迎えに来たら、あなたはなんとその人に言いますか?
それはなぜでしょうか?
