おはようございます!
東野圭吾「手紙」を読んだので、感想を残します。
ネタバレ注意!
↑著作権が怖いので自作POPを作りました!
感想
この小説の良かったところを語っていきます。
①舗装道路を走らせてくれてありがとう
東野圭吾さんの本を読むのはこれで2作目です。
1作目の「クスノキの番人」の時もでしたが、なんのひっかかりもなく、シンプルな文章で、サクサク読める印象を受けました。
東野圭吾さんの文章は、難しすぎず、簡単すぎずでとても読みやすいです。
例えるならば、小石などが転がっていて凸凹な道を車で走るのではなく、なんの障害物もない、綺麗に整備された舗装道路を走っているようなイメージです。
東野圭吾さんは、ミステリーものが多いイメージがあり、今まで遠くから見ているだけだったのですが(憧れの存在的な)、もっと読んでみたいと思いました!
②直貴の波乱万丈な人生
何もしてないのに、兄の罪を背負って生きていかなければならなくなった直貴。
直貴は大切なものを、大切な未来を、兄のせいで失っていきました。
直貴の壮絶な人生に、私も読むのがとても辛かったです。
直貴の人生に寄り添うように、兄が手紙を出してくるのも、直貴にとっては見るのも億劫で、辛かったです。
もちろん、手紙のおかげで繋がった出来事もあるわけですが。
兄の弟を大切に思う気持ちも分かるのです。
実際お兄さんは弟のために犯行に及んだ訳ですから。
犯罪なんかしなければ、幸せな家族だったのに…。
( ノД`)←この顔では表せないくらい辛かったです。
でも社長の言葉に、直貴も私もはっとさせられました。
人には、愛情だったり友情だったり、繋がりがあるから、それを無断で断ち切る殺人は絶対にしてはいけないこと。
兄が犯してしまった罪は、絶対に許されないこと。
しかし、社会的な死からは生還できる。
社長の言葉に、私も心を打たれました。
犯罪って、刑務所で何年過ごしたって、罪が消えるわけじゃない。
被害者にとってはずっと辛い記憶であり続けるし、加害者はそれを分かって背負っていかなきゃならない。
直貴も、お兄さんが犯した罪の1部を、背負っていかなければならない。
このとき直貴も、兄が犯罪者だということに向き合うことが出来たんだと思います。
由実子も、直貴と一緒に向き合ってくれて、本当に良かったです。ありがとうーっ!
③震えたラストシーン
刑務所で歌うことになり、どうしても声が出なかった直貴。
思い出すだけで震えます。
このラスト、直貴が兄のことを本当に家族と思っていたから、兄はやっぱり兄だから、声が出なかったんだろうなぁ。
たくさん嫌なことがあったけど、兄のことは恨みきれなくて、兄はどこまでも兄で…。
語彙力がなくてすいません。直貴にとっての兄は、やっぱり剛志しかいないってことが言いたいです。
伝わるかなぁ…。
作中には描かれていなかったけど、直貴は本当は、兄と兄弟らしいことがしたかったのかも。
切ないなぁ……。切なくて、切なくてふるーえる♪(西野カナ)
まとめ
では最後に、心に残っている言葉を。
「兄貴、俺たちでも幸せになれる日が来るんだろうか。俺たちが語り合える日が来るんだろうか。二人でお袋の栗をむいてやった時みたいに__。」
切ない。この言葉を聞くと胸が張り裂けそうです。
犯罪をしたことに同情しているわけでは決してないのですが、やっぱり、苦しいです…。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
共感などして頂けたら嬉しいです!