
世界遺産でも、ゴミが落ちていることはままある。しかし、ここではシケモクもビールの瓶も落ちていない。露店がないのも関係あるだろうが、この辺に来る観光客の民度が高いのだろうか。ウマウアカもそんな感じだったし、アマゾンもイメージ的にそうだから南米北部の保護区域は適切に管理されているのかもしれない。
最後の最後、サンセットを見るところで日本人のおばあちゃん七人組とおっさん日本人ガイドのツアー組を発見。記憶の限りボリビアのサンタクルスの安宿のオーナー以来の日本人。退職したあとに家でふんぞり返った旦那を日本に置いての町内会の慰安旅行か何か知らないが、お小遣いでももらえんかとサングラスを外したり日本語の歌を口ずさんだりしてアピールしてみるも不発に終わる。ばあさんグループをよく観察すると、固まりから一メートルほど離れてぽつんと一人だけで座っている方がいた。一人が好きな人だったら良いけど、ナオンというのはこの歳になってまでそういうことをするのか?おっさんはおっさんで仲良くなれるように輪をまとめてやらないと。それもガイドの仕事の一部やろ。遠い地球の裏側に来てまで同胞の嫌なところを見てしまい、なんだか日の入りがとても切なく感じられた。
ぼっちばあさんと同じく、自分も一人ぽっち。同じ団体の観光客と一言も会話を交わしていない自分を見かねてガイドの兄ちゃんが「写真撮ってやろうか?」と気を遣ってくれる。泣きそう。撮ってもらった写真を確認するといやにお肌がきれいになっている。肌荒れの自分を慮ってか、ビューティーモードにしてくれたみたいだ。その気遣いに悔しさか嬉しさかわからないけど、涙が止まらない。ガイドの兄ちゃんは抜けてるとこもあったけど、案内は上手だったな。英語は半分ほどしか聞き取れなかったけど、途中から腹の痛みも少しずつおさまったのでツアー自体はそこそこに満足できるものだった。ムーンバレーと呼ばれるゆえんが大変よくわかる、でもデスバレーってどれや。あった気がしないけど、まぁいいや。20時過ぎにツアー会社の前に戻り、解散。40分後には戻って来いよと念を押され、星空ツアーに備えて宿に戻る。片道15分かかるから10分も滞在できないが、内側から感じられる巨大なダークマターを体外に排出せんことには星空ツアーにもまともに参加できない。ホステルに戻って即便所に行くも出てほしいときに出てくれない、気まぐれなうんちゃん。出てほしくないときには大量に出るのに。結局こいつは排出できず、再びツアー会社に戻る。
世界一きれいな星空とはどんなだろう。腹の痛みも忘れて、とまではいかないが期待に胸は膨らむ。結論から言うとたしかにそう言えなくもないくらい素晴らしいものだった。ところがどっこいツアーに参加するのがベターかと問われれば、そんな気はしないというのも事実だ。ガイドのおっさんの星空うんちくの垂れ流しは二時間以上に及ぶ。おまけにワインは飲み放題どころか一滴も提供されず、コーヒーのみだったので、ツアーはとても満足いくものではなかった。まぁワインがあっても腹の調子と相談して決めることなので、口にはしなかったと思うけど。静かに星を眺めるだけで良かった自分としては30ドルも40ドルも払うもんではないなと思った。上を眺めると満点の星空。目の悪い自分にはぼんやりとしか見えないが、キラキラ輝く腐るほどの星の存在はいやでも確認できる。肉眼での星空鑑賞に満足する自分に対して、自分以外の欧米人は天体望遠鏡から覗く星空の方に感動している様子だった。ガイドへの気遣いなのか何なのかわからないが、肉眼で見てもそれほど驚かないのにガイドの説明のあとに望遠鏡を覗いて見る星たちにはOhと感嘆の声を漏らしながら大袈裟に驚いている感じだった。星空に関してはなんなら宿からでもそれなりにきれい見られるのでやっぱりこのツアーはおすすめではない。ルームメイトの韓国人の仰せのままでした。あとずっと腹が痛かったのでほとんど説明も入ってこなかった。
23時過ぎに宿に帰還。腹は痛いが出ない。風呂に入っていつも通り背中に軟膏をかます。痛い。ただれたアヌスにもかます。涙が出るほど痛い。塗ってから軟膏のラベルを見たけど「傷口と粘膜には使用しないでください」とはっきり書かれている。背中は傷口だから使用は推奨されないだろうが、アヌスに関しては傷口×粘膜つまりマイナス×マイナスだから使用しても良いのか。いやそんなはずはない。いったい、この身体的苦痛はいつまで続くのだろうか。
一二五日目
今朝は便所を少なくとも7回以上往復している。一回目以外は全て水みたいなやつ。これから23時間ほどバスに揺られる予定だが、乗る前からもう悲惨な結末が訪れることは想像に難くない。自分にできることと言えば神にひたすら祈りを捧げるのみである。朝飯には残りの食材玉ねぎ半玉、トマト一玉、ニンジン半本、牛肉100グラムほどでつくったスープを食した。塩だけの味付けだが、おいしい。パラグアイ以降のこの一ヶ月ほどほぼ毎日自炊を続けてほんとに料理がうまくなった。自分を誉めてあげたい。料理の腕は置いといて、うまいけど味には飽きた。同じ食材に同じ味のものを無限に食ってるだけだから。今が一番日本食への恋しさが募っている。あとちょっとだけど、サンティアゴに着いたら即効日本料理店に行ってしまいそうだ。体調的なことを言うと、食欲もあまり湧かない。こいつはただの下痢ではない気がする。素人じゃない。風邪かあるいは虫垂炎か。ほんとに胃腸がただれるがごときの強烈な痛みが緩和されることはほぼない。寝るのも痛くて時間がかかるし、起床も腹痛によって引き起こされる。昨晩は1時頃に寝たが、6時前にはぽんぽんの痛みが目覚まし代わりになった。皮肉なことにその最悪のアラームのおかげで素晴らしい日の出を見られた。悪いことばっかではないし、それなりに旅行を楽しんでいるということはご理解いただきたい。10時前にチェックアウトし、歩いて10分ほどのバスターミナルへ。
ターミナルには10時きっかしに到着。すでにバスは待機していた。南米のバスは大抵二階建てで、一回がプレミアムかカマ仕様。ドヤ顔で一階のプレミアムらしきところに行くが、自分の席番号が存在しない。運ちゃんにお前は上だよと諭され、二階へ。ほんとにプレミアムなのか疑わしくなるが、席は一番前で後ろに座席がないので、心置きなく160度くらいまで倒せるので多分プレミアム。ご飯もプレミアム専用だろうし、55ドルも払った価値があると良いな。一人一つずつモニターがあるのはトルコの長距離バスに似ている、南米では初めてな気がする。ペルーであったかな?このバス会社自体かなりサービスが良いのかも。ただしWi-Fiドーンって書いてるけど、一ミリも繋がらないし電源もない。イヤホンを一本も持っていないのでイヤホンの有無を添乗員さんに聞くけども、貸し出し用のヘッドフォンはないらしい。無能かよ。モニターから音が出ないタイプなので、イヤホンがないことにはどうしようもない。最新の映画もあるし観たいけど、諦めるしかない。バスは定刻を10分ほど過ぎた10時半頃に出発。アディオス、サンペドロ=デ=アタカマ。もう会わないと思うけど、達者でな。そして明日の9時半まで耐えてくれ、俺の腹。
未だにサンティアゴ以降の予定を決めかねている。パタゴニアに関してはマーブルカテドラルに一番期待していたのだが、意外にがっかりスポットだということが調べていてわかった。真っ青な鍾乳洞の画は大抵、加工済のものらしく実際はそんなに青くないらしい。まとめ記事も大袈裟なタイトル、例えば「一生に一回は行きたい!世界一美しい洞窟、南米チリの秘境マーブルカテドラル!」みたいな感じで例のごとく行ったことのないやつが小遣い稼ぎにやってるだろうから信用ならない。マーブルカテドラルのためだけにパタゴニアに行きたいと思っていたから、それならそれほど行かなくても良いんかなとか思う。それに腹と肌の具合が悪すぎる。日本に帰る前にお肌は多少直したいし、お腹が痛いことには観光に全く集中できない。応急処置として、野菜と酒はしばらく控えようと思う。ヤニはストレスが溜まるので吸う。そういえば旅行への慣れだか何だかわからないけど、やたら喫煙量が増えた。一日に五本くらい多くても七本ほどしか吸わなかったのに、今は一日に最低でも十本は吸うようになった。ちなみにタバコと肌荒れには何は因果関係はないと考えている。日本で肌荒れしたときしばらく禁煙してみたことがあるが、むしろ悪化した。オナ禁と同じで肌荒れとは全くの無関係。禁煙とオナ禁を積極的に唱える陰謀論者はハローバイバイの関暁夫と同じくらい信じてはならないのだ。
にしても、今週の『ひらがな推し』は控えめに言っても神回だった。オードリーとけやきちゃんの掛け合いは他のAKBグループや坂道グループと比べ抜きん出て面白い。今週も井口ママはキレキレだったし、春日がどんなに頑張ってもメンバーからの好感度で若林に勝てないっていうところが面白い。中学からのオードリーのオールナイトニッポンリスナー通称リトルトゥースとしては、ラジオで話していたことの答え合わせもできて一度で二度おいしい。三回くらい見た気がする。井口さん出演回のさんま御殿のダイジェストも観たけど、ほんとに彼女の天性の才能が如実に現れていた。大してかわいくもないし歌も踊りも驚くほど下手で、それなのに最年長でなぜアイドルになれたのか不思議なポンコツメンバーだが、無意識に人を笑わせられるタレント性は狩野英孝やら出川哲朗に通ずるものを感じる。しかも、それが嫌みだったり相手を不快にさせるものだったりしない。結成当初は相当な非難もあったようだが、今やけやきに欠かせないメンバーの一人である。奈良の英雄、日本の英雄、トーク回しの天才お笑い怪獣明石家さんまと全く会話が噛み合わないというのは大変珍しい光景ではなかろうか。またすぐにでも呼んでもらえそうな気がしてならない。
オールナイトの文脈からすかさず少し自分語り、自慢をさせていただきたい。今年の2月、オールナイトニッポンの50周年企画として新パーソナリティーの募集があった。素人大学生が全国ネットのラジオで冠番組なんて持てるはずないというのが大半の意見だろうが、自分の中では多少勝算を感じていた。というのも自分が中学のときに聞いていたオールナイトの一枠で素人大学生の番組があったからだ。二人の進学と就職で番組は一年ほどで終了してしまったが、月別の時間帯聴取率でトップを取るなど大変話題のラジオで大好きだった。二人の掛け合いが面白く友だちの会話を聞いているみたいで芸人には出せない味のあるラジオだった。自分が面白いとかは全然思わないけど、あのニッポン放送でレギュラーパーソナリティになれるかもしれないチャンスは人生でそう何度もないだろう。あとあの頃聞いていた西岡さん本村さんのラジオのように中高生の星になりたいということで応募を決心した。今までの傾向から素人一人では絶対に採用されることはないので数少ない友だちにラジオのオーディションを一緒に受けないかと打診するのだが、当然のごとくまぁ誰も引き受けてくれない。そんな中友人の友人で受けてくれるノリの良い奴がいて、そいつと一緒に応募した。初めて会ったその日にオーディションの動画を撮影。投稿したのは〆切の三日前とかだった。で、その動画の何が評価されたのかはわからないが、最終候補者まで残ったのだ。300組以上の応募で、素人としては唯一。同じ最終候補者にはM1の決勝進出コンビを初めとする名の立った芸人ばかりが名を連ねている。憧れのオールナイトのレギュラーが手の届くところにまで来ているのだ。枠がもし、もしもらえるとするなら素人だからという理由だろう。最終候補者で一番素人に近い劇作家の根本&モデルの長井ペアが自分たちのライバルになろうと予測していた。彼女たちは昨年のオーディションでも最終まで残っている。
あれよあれよという間に最終選考がやって来たのだが、面接では思う存分我々の魅力を発揮できたと思う。ディレクターとプロデューサーに面白いねってお世辞でもほめられたし。これは通ったか、と思いながらニッポン放送の社屋をニチャニチャしながら出る直前、社屋に颯爽と入ってくる背の高い女性とすれ違った。あれは完全に長井さんだった。自分たちの面接の直後に根本&長井ペアの面接があったのだ。なーんかいやぁな予感はしたけど、最終面接から三週間ほど過ぎても連絡がないので落胆しているところに正式に不採用通知が届く。やっぱりなぁと思いながらも新パーソナリティーが誰になったのかは気になるのでホームページを確認すると、自分がライバルと勝手に目していた根本さんと長井さんが抜擢されていたのだ。一晩中泣き明かしたし、それからというものまともな感情でオールナイトを聞けなくなってしまいました。根本さん長井さんのラジオは面白いし普通に考えて自分たちがレギュラーなる未来なんてものはハナから存在しなかっただろう。しかし、手が届くあとちょっとのところまで来ていたから。このレギュラーに落ちたからこそ、今こうやって旅行に出られてるのは良いことだとは思うけど、それにしても未だに悔しい。最終まで残ったことは一生自慢し続けると思うけど、来年オーディションがあればまた受けような、asn。
隣の席のガキがスイッチ?でポケモンをやっているのが嬉しい。地球の真裏でも日本のアニメは幼児にまで広く受け入れられているんだとどういう立場からかわからんが、誇りに思う。あとイヤホンから漏れてくるのがクラブミュージックなのが面白い。南米の子どもたちは小さい頃からそういう音楽を聞いてるんやな。陽キャの英才教育、悪くないとと思います。
14時を過ぎても昼飯が出てこない。12時の時点で腹は空いていたし怪しいなとは思っていたけど、昼飯ないバス!?こっちはプレミアムやぞオラ。幸い、腹痛は大分緩和している。空腹を紛らわすためにしばし睡眠をかますが、15時半頃によくわからないバスターミナルで降ろされる。シンコーミニット!って言われたので5分だけ待てらしい。たしかに自分以外一人も乗客はいない。バスの交代かなと思ったけど、ちょっとお掃除をしただけで、新しい客を詰め込んでバスはすぐに再出発。その間に全然おいしくないハムチーズバーガーとコーラを2200ペソで購入。370円くらいだから日本のコンビニとさほど変わらない。チリちゃん高いよ。窓からは海が見え始めている。内陸から沿岸部に来たことを知らせてくれる。これは太平洋と言えるのかわからないけど、ゴールがすぐそこまで来ていることを実感する。
この旅行でわかったのは、自分は断然海より山派だということ。山は山でも谷が好き。あと砂漠、ペルーのイカのオアシスにはうっとりするくらいだった。鳥取砂丘ですら、ですらという言い方もどうかと思うが、めちゃくちゃ好きだし。でも、そのいずれとも相性が悪い。大抵そこで身体の具合を悪くしているから。塩湖は苦手です。もう二度と行きたくない。
そういえばチリの紙幣が俺好みのものだ。偽札防止のためか、ただの紙ではなくラミネート加工的なものがされていて表面がプラスチックみたいにツルツルしている。それで大きさも日本の札と比べると70%くらいで小さい。丸々と太っていてかわいい。
バーガーを食った直後の16時半頃によくわからない軽食セットの配布。あるんやったら先言っといてや、、、

誰を乗せるでも降ろすでもなく、ちょいちょいバスは道の真ん中で停車する。二時間置きくらいかな。で、一分もしたらリスタート。何やろうと思ったけど、多分運転手の交代だと思う。3、4人いたし結構しっかりしてる会社だわ、ここ。
途中便所で小さい方をかます。お腹のコンディションは悪くはない。一物を見つめずに外をぼんやり眺めながら用を足していたのだが、下半身にひんやりと冷たさを感じる。バスは安定して走っていたので、完全に自分の責任。見ていない間に、尿の放物線は二手に別れておりその一本が完全に左太ももを直撃していた。ジャージの左側はびしゃびしゃ、ほんまやってしもうた。うんこ漏らすよりはうんぜん倍マシだが、予備はもうジーンズしかないし、それも預け荷物の中なので到着までは着替えられない。ボリビアのスクレでおねしょしたときに思ったけど、意外におしっこって乾くと強烈な臭いするのよね。お隣さん先に謝っとくけどごめんなさい。
いつまで経っても夕食の配布は始まらない。まさか、晩飯無はないやろ。あの軽食が晩飯なはずは、、、まさかな。ないにしてもどっかのSAでも寄ってくれんもんかね。21時にはとうとう消灯、本格的に晩ごはんは抜きのようだ。おこなのかな。その一時間半後、良い感じにうとうとしてたら急に明かりが灯った、今度は何や?ついに歓喜の飯タイムかと思ったら、ただのゴミ回収と乗客の入れ込みのためバスターミナルに寄っただけ。なんやこいつら、ただ20分休憩があるみたいなのでここで飯食えると思ったのも束の間、コンビニしか開いていない。仕方なく夕方に食べたのと全く同じバーガーを食す。ボリビアやらでよくやって来た売り子も来ないし、なんか寂しいよ。ターミナルには自分しかヤニカッサーがいないので肩身が狭い。ヤニも吸わないし、飯もくわないのか?チリ人は。栄養足りてる?
一二六日目
9時半頃、サンティアゴのバスターミナルに到着。便所は400ペソだが、すぐに利用。南米のバスの便所はでかい方禁止。だからギリギリまで我慢していたけど、ちょうど良いタイミングで到着してくれた。ナイスなドライビングテクニックだった。
サンティアゴの初見のイメージはなんだか、ペルーのリマに近い。そこそこ汚い都会って感じが。ターミナルにはWi-Fiが飛んでいないのでその辺のバーガーキングに飛び込んだ。今から宿を探します。サンティアゴにはとりあえず二泊ほどして、その後どうしようかと考えています。もしかしたらフライトまでずっとここでダラダラするかもしれません。だいぶ燃え尽き感がありありです。
続く












