一二三日目







フフイでただれてしまった背中の皮がペリペリと剥がれる段階まできた。カサブタも剥がしちゃうしニキビもいじってしまう性格なので、昨夜まだ剥がすべきではないその皮を風呂場でペリペリと剥がしまくった。風呂上がりにいつも通り、軟膏を塗ったらば金玉にムヒを塗ったがごときの激痛が背中を襲う。背中の痛みとはこの先しばらく付き合わないといけないかも。
蚊の羽音に睡眠を妨げられ、結局三時間ほどしか寝られなかった。バスには間に合いそうだから、良しとしよう。朝のサルタは不気味だった。人通りが少ない上に、野犬と鳩と雀はウヨウヨいる。そこに一つまみのスパイスとして酔っ払った兄ちゃんとネズミを加えるとえも言われぬ怪しさの完成。野犬とヤンキーを避け、ビクビクしながら歩を進める。もう太陽が昇っていてもおかしくない時間だが、雨が降った痕跡もあり厚い雲が日の出を妨げている。屋台の一つくらいやってるやろうとなめてかかっていたが、朝の六時から営業しているところなどなかった。
関係ないが、やっぱり髭が生えてくれないことが悔しい。昨晩喫煙所でヤニをかましながらフランス人としゃべっていたのだが、そいつの髭がフサフサでとっても羨ましくなった。まるでアラブ人がごときの剛毛。日本で何やってんの?って聞かれたから、スチューデントって答えると高校生か?と。皮肉かもしれないけど。一生、年上には見られることはないのかもしれない。髭がほしい、切実に。ちなみに自分としては年上と話しているつもりだったのに、同じ22歳だった。この旅行中の最大の悩みは肌荒れ。日本に帰っても治癒するか心配になるくらい、大きいしやたら固いし数もべらぼうに多い。次点で髭が生えないこと。語学などは二の次で、自分の身体的コンプレックスの方が浮き彫りになる。いつか生えてくれる日が来ると嬉しいのだけれど。
フフイ辺りから花粉の被害をあまり感じない。猛威を奮っているのは中部から南部にかけてだろうか。この辺は多分乾燥地帯なので、それほど花粉も飛ばないということなのか。いずれにせよ、これは大変自分の身にはありがたい。目も鼻もやられると、ちょっと外出する気すら削がれてしまう。
ウマウアカで同室の韓国人に荷物の小ささを驚かれた。いつ買ったかわからない日焼け止め、日本から持ってきた約20本の乾電池、ラベルが剥がれてしまい何かわからなくなってしまった薬もほかして荷物は7キロ代になったと思う。お土産なども十分詰められそう。
バスは7時過ぎに出発。宿でもターミナルでも糞をかましたが、残便感は拭えない。あと十時間何とか耐えてくれ、括約筋!荷物預けのとき、お金は求められなかった。だけど、地べたに投げ銭入れみたいな箱はあったのでこれはチップってことなんだろう。だから、払う人と払わない人がいたんだ。20が最低紙幣だったのでそれを投げときました。
その一時間後うとうと寝かけていたのだが、なんだか車内が騒がしいので起きてみると






プルママルカやん!オルノカルも良かったけど、こっちはめちゃくちゃ近い。向こうの方が壮大だけど、迫力はこっちの方が上かも。何より近い。形もそうだけど、やっぱりこのカラフルさが素敵。見る場所によっても光の角度によっても見え方が全然違う。移動中にこれだけ見られるのはなんか得した気分。サルタとかから北上するときは絶対に一番前の席がおすすめです。風景が一望できるので、隣の席が空いてたけど、プルママルカ出るまでは白人たちがシャッターポイントを取り合ってました。たまたま一番前の席だっただけど、超ラッキー。前を走るプルママルカのツアーバスも同じルートを通って泊まってたので、やっぱりお得感がある。カッパドキアのためだけにトルコに行く人がいるように、アルゼンチンもウマウアカのためだけに行くの価値は十分あると思う。観光地だけど、そこまで観光地化もされておらずアクティビティとかも少ないけど、だからこそ良い。バスはずっと時速20キロくらいで進む。道がうねうねで細いので、あんまり加速できない。距離的には五時間くらいで行けそうだけど、出入国審査も含めて倍ほどかかるのも納得。
14時半頃に国境到着。出入国審査が行われる。聞いていた通りスタンプの押捺は一瞬で終わるが、荷物検査は鞄を全部ひっくり返す勢いでがっつり。ピンクローターやらエッグテンガを見られるのは恥ずかしいけど、向こうも察してくれたと思う。食糧は入れてなかったので何事もなくパス。
約一時間後にバスはリスタート。きっちり手荷物検査があるので長かった。

渓谷を抜けると、今度は塩湖。ウユニを思い出して頭とお腹が痛くなる。
アタカマ到着の10分前くらいに軽食が配布される。いらんちゅうねん。アタカマには18時頃到着。オフラインで地図を見られるmaps.meを度々利用しているが、この地区のダウンロードを失念。ゆえに宿の場所もわからなかったのだが、幸い田舎のくせにバスターミナルにはWi-Fiが飛んでいる。さすがは、南米の雄。で、宿の場所を見たら800キロ先のところを予約していた。なんでや。アタカマで取ったはずなのに、、、6ドルでそこをキャンセルしてフラフラと安宿を探すと一泊10ドルのホステルを発見。キッチンもあるしここでエエかと即決。宿の姉ちゃんが愛想良くてとても感じが良い。ツアーの押し売りすらもなんだか心地好く感じられる。とりあえず谷が有名なのでそのツアーと星空を見上げるツアーには参加したい。後者はウユニでできなかったし、なんでもアタカマの星は世界一きれいだとかきれいじゃないとか。この日は夜も遅く、眠かったので両替と買い物を済ませ、晩飯をつくって睡眠。1ドル640ペソで40ドル分交換、宿の姉ちゃんのおすすめのとこで。余った50アルゼンチンペソも750チリペソに交換。
一二四日目
朝起きると、同じ部屋の韓国人に今からちょいと酒でもかまさへんかとお誘い。最高かよー。自分の甚兵衛を見て、日本人だと確信したとのことで。旅行中に出会った韓国人は皆良い人だったな。三人四人出会った韓国人で唯一ヤニをかまさない人だった。喫煙しない韓国人が存在することに驚き。
この人は今日チェックアウトして、サンティアゴに飛行機で飛びソウルに帰るらしい。ウユニ~アタカマの二泊三日のツアーに参加してここまで来たらしい。ウユニというワードそのものが僕の頭を痛くする。昨日の夜に着いて星空を見上げるツアーに参加したらしいが、カスだったらしい。民家の屋上へ行き天体望遠鏡で代わりばんこに空を見上げるだけの質素なものでとってもつまらなかったと。そう言えば自分でも調べてみたけど、あまり評判は良くない。世界一きれいな星空っていうのは噂にしか過ぎず、レビューでは見たことがない。ぶっちゃけ、きれいでもきれいじゃなくてもどっちでも良い。きれいなときはそれはそれで感動するし、きれいじゃなければカスだったと言って発散すればいいし。コリアンによると、町の方が安く申し込めるからホステルでは予約するなと。ホステルではラルーナの谷ツアーが14000ペソ、星空が22000ペソ。大体50ドルちょい。ツアー内容もそれほど変わらなさそうだが、ワイン飲み放題とそうじゃないやつがあるので、ワイン飲めるやつなら何でも良いやということで町に繰り出して申し込むことにした。
その前に明日のサンティアゴ行きのバスをターミナルへ確保しに行く。朝の10時15分発があったのでそれで即決。南米のバス座席にはグレードがあって、基本的にはセミカマとカマがある。カマの方がやや高い。このバスはカマとプレミアムしかなくて、前者は売り切れだった。10ドルほど違うけど、仕方なくプレミアムを購入。買ったら買ったでちょっと楽しみ、プレミアムってどんなんやねん。53ドルとかだった気がする。アタカマから一番近い空港のカラマまで行きパタゴニアに飛ぶのも考えたいたが、片道3万はくだらないので断念。サンティアゴからなら2万弱で行ける便もあるので、行くにしてもそっちを選択することに。
切符購入後にツアー会社へ。ネットでおすすめ!と書かれていたところに行ってみる。ラルーナが18で星空が22だけど、それぞれ15と20にしてやるよとのこと。交渉自体元々得意じゃないし向こうから値下げしてくれるなら、もうこれ以上下げる余地はないかということで即決。いやぁ、35ドルってアタカマはわりかし観光客に優しいなと思っていながら、40ドルを出すとお前はバカかという目をされる。チリペソで35だよ、0×3つ見落としてるぜって。なるへそ35000ペソなのね。ということは宿で申し込むのと1000ペソしか変わらないし数百円の微々たる差。大して変わらんがな。クレカもドルも使えないので、近くの両替屋で60ドルを交換。1ドル660だった。宿の姉ちゃんに昨日教えてもらったとこよりレートエエがな。あいつらグルかよ。それでツアー会社に戻って支払いを済ませるのだが、ツアー会社の兄ちゃんに交換レートを聞かれる。1ドル660だったよって言うとニチャニチャしながらサンティアゴで交換する方がもっと良いからこっちではあんまり両替すんなよと。660は97パーくらいだから自分の中ではそれなりに満足していたのにそう言われると阿藤快よろしく何だかなぁとなる、悔しい。あとお姉ちゃんが言うてたとこレート悪すぎやん、よう考えたら。ツアーはそれぞれ16時からと21時から。
12時前に昼飯つくって、現在14時。昨日の晩に四食分の野菜と肉を購入した。野菜はでっかいトマト×4とでっかい玉ねぎ×2とニンジン×2。どれも新鮮、パスタと水とあわせて5500ペソくらい。肉屋で適当にうまそうな肉を500グラム購入、4500ペソとか。一キロ1000円越えって南米で一番高い!肉の質が良いのか砂漠の限界集落だから高いのかはわからんけど、外で食うのとあまり変わらない値段になってしまった。というのも、レストランのメニューを見ていたら大体一番安いのが4000ペソだったので。自分の過失が大きいが、狐につままれたような気分。ふぇー。
続く




