一一四日目
早朝にバスターミナルに到着した。チェックインはまだまだ先なのでここで暇潰し。Wi-Fiも飛んでいます。
朝から快便。三回もターミナルの厠を利用した。ウルグアイあたりから便所は無料なのがありがたい。ここのトイレは門番みたいな人がいてスペイン語でやんややんやと煽ってくる。ブエノスアイレスもそうだったな、そういえば。何かと思って話を聞いてみると、トレペを30ペソで販売しているみたい。たしかに便所にトレペはなかった。地下鉄の流せるティッシュ自販機と同じシステムみたいだ。
ターミナルにて、ショートホープみたいなマルボロを購入、75ペソ。250円しないくらい。アルゼンチンのこういうとこ愛せます。
13時からチェックインできるので、11時頃にターミナルを出発。買い物をかましてちょうど良い時間になるんじゃないかなという思惑。街を歩くのだが、ちょっとした違和感を覚える。ほぼ全ての店が閉めていて、どの通りもシャッター街なのだ。まるでゴーストタウンの様相を呈している。七軒ほどスーパーをまわるのだが、ただの一つも営業していない。恐るべき街だ。ブエノスアイレスだったらこんなことはなかったろうに。ここコルドバもアルゼンチン第二の都市で世界遺産も抱える観光地なのだが、ここまで商売っ気がないとは驚くばかりである。日曜というのもあるだろうが、それにしてもそれにしてもだ。日本もこのくらいきっちり休みを取れば良いのになぁと思う。それくらいほんとに店という店が開いていない。結局、スーパーを探し始めて八軒目でようやく営業中をの店発見。しかし、ここも生鮮食品コーナーはもぬけの殻で野菜という野菜が一つも売られていない。諦めて340mlのビール瓶×2を購入。40ペソ、120円とか。どうでも良いが、瓶の蓋を歯で開けられるというのが唯一の自慢。くたばった祖父譲りで歯力が強い。じいさんはビール瓶はもちろん、くるみの殻すらも歯で噛み砕いていた。とんでもないじじいだった。
ビールは店内表示価格15だったのに、会計では20になっていた。よくわからなかったけど、5はデポジット量らしく瓶を返しに行くと二本分の10ペソペイバックしてくれた。680mlで1ドル以下ってカンボジア並みかそれより安いかも。カンボジアのレストランでビールを飲むとジョッキ一杯が安い店で0.5ドルとか(なぜか、店で買うよりレストランで飲む方が安い)。他の物価は高いけど、ビールとヤニだけはほんとに安いのが当地。1000mlのボトルが大体70ペソだから20ペソの340を三本買う方が安いのと、473ml缶だと45ペソもするのがよくわからなくて面白い。
スーパーが開いていないので飯かませるとこを探すのだが、飯屋も開いていないのでどうしようもない。たまたま開いているパン屋を発見したのでそこで顔面くらいの大きさがあるバーガーとバゲットを購入、85ペソ。
チェックインして宿でも1000mlの瓶を購入、95ペソ。「あんた、今日はラッキーね。今日はパーティーがあるの」って言ってたけど、参加するわけがない。スペイン語を母語とする奴らが大半のパーティーに陰気臭い東洋人が一人参戦しても場の雰囲気を乱すだけだ。一人で酒をまったりかましている方が気が楽なのは自明。21年も極東で培われたひねくれ根性は、4ヶ月やそこら海外に出てみたところで変わりやしないのだ。パーチーは丁重にお断りしたが、外から漏れ聞こえてくるクラブミュージックに少し羨ましさを感じる。その妬み怨みを振り払うかのように、けやき坂の動画に癒されながら眠りについた。
一一五日目
コルドバも何か目的があって来たわけではない。残りの目玉はアルゼンチン北部のウマウアカ渓谷、虹色の絶景が見られる谷。あとはチリのアタカマ砂漠、最高の星空が見られる。くらいなので、けやき坂の動画を視聴するのが捗る。ほぼ丸一日観ていた気がする。観すぎてYouTubeにあがっている番組は全部観たと思うし、目も頭も痛い。あと外に出るのがめんどくさくなる要因としてホステルを出るときも入るときもスタッフに声をかけないと扉が開かないことだ。治安が悪いのはわかるが、なんか声をかけるのもめんどくさくてじゃあ外に出なくて良いやとなってしまう。もう一つ出なくて良いやとなるのがもう飽きてしまったのだ。飽きたというのは街の感じだ。多少の差異はあれど大都会だし、観光と言えばなんとか教会とカテドラルくらいなものだ。クリスチャンじゃないしもう教会は見飽きてしまった。行ったら行ったで「おお、すげーやん」とはなるのだが、雰囲気が荘厳で写真も撮影できないし他の礼拝者たちに申し訳なくて行きづらいというのもある。10日間着続けた服も曇り空と移動続きにより一週間洗えず終いでバックパックの底で腐りかけていたパンツも、コルドバのカラっと晴れた空の下で乾かすことができたのでここでのミッションは達成できました。
そうは言っても何もしないのは少しもったいない気もするので、昼過ぎにちょっと外に出る。世界遺産に登録されている南米の超名門コルドバ国立大学の旧校舎(1600年代創立ってすごい)くらいはちょっと見ておきたい。宿からは五キロくらい離れたところにあるよう。
ユニバーシアードナショナルコルドバに行く前に明日のバスチケットをターミナルで購入。ネットで見た所1700ペソ以上するチケットが窓口だと1300代で買えた。ブラジルからはオンライン購入が楽チンなので横着してきたが、ちゃんと比較しないと損する。気を付けよう。購入時窓口の姉ちゃんから「乗り場は1-25ね。うちの会社ともう一つフフイに行くバスがあるけど、そのどっちかだから気を付けてね」とのこと。なんじゃそりゃ。乗り場の雑さはまあ経験済だがどっちかってどっちやねん。これも気をつけないと、置いていかれそうになる。明日の18時にバスは出発。
朝から何も食っていないので、腹がグースカグースカ鳴っている。店を探してもやっぱりやっていない。どういうことやねん、人の通りも少ないしどうやってこの街はまわっとんねん。車もまばらだし。コルドバ国立大学がある場所には着いたのだが、なんか世界遺産らしきものはない。イーデュラムがビュンビュン飛んでいたので検索してみるとここではなく別の校舎のようだった。距離は全然違うけど、早稲田キャンパスと西早稲田キャンパスのノリ。諦めて帰ることにした。どうせ、明日も夕方までは暇だし。自炊を二日していないだけで、体調が悪い気がする。自炊しないと不安になる身体になってしまった。素晴らしい傾向である。とにかく飯をつくりたい。帰り道に開いているスーパーも発見。
この日もけやき坂の動画を観ながら就寝。もうおしまいだ。完全にオタクに逆戻り。適当に7月から年内旅行するというのは何か意図があってのものではなく完全に思いつきなのだが、ちょうど良いスパンだったかもしれない。今が母国を一番恋しく感じる。前にも言ったが、なれてきたからかそれとも発展しすぎているからかイージーすぎて心に余裕ができすぎた。心に余裕ができるともういいかなとなる。しんどい国だと必死すぎて、帰りたいとか考える余裕すらないのだ。とにかく今は握手会に行きたい。
一一六日目
11時過ぎに宿を出る。コルドバ国立大学へ。チェックアウトのとき、スタッフの姉ちゃんにハグと軽いチュをされた、海外ドラマとかで観たことある。なんか嬉しい。

聞き覚えのあるミュージックが流れている。郷ひろみのゴールドフィンガーだ。でも歌詞はおそらくスペイン語。あれって元ネタありきのカバーだったんだ、知らなかった。ベンチでまったりしているとドラゴンボールのクリアファイルを売りつけようとしてくる兄ちゃんに絡まれた。ガン無視していたら鬼の形相でキレられた。アルゼンチンに来て一番怖かった。買うなら母国で買うっちゅうねん。
そういえば今日は外に出るとものすごく活気のある街になっていた。人もめちゃくちゃ多いし、店もたくさん開いている。昨日までの二日間は宿の前で露店商みたいなのがたくさんいたけど、今日はいない。一昨日は日曜で昨日は祝日だったのかな。本日はアルゼンチン第二の都市と言うにふさわしい明るさ。
15時過ぎ、ちょっと早いけどバスターミナルへ向かう。その辺でルービーでも買って。ウマウアカは明明後日とかになるのかな、楽しみ!
続く













