昨日のすき家では提供まで20分も待たされた。ファストフード界でも屈指の提供速度を誇るZENSHOホールディングスのエースすき家で待たされるとは思ってもみなかったのでオーダーが通ってるのか心配になるが、待機させられたことなのどもうどうでも良くなるくらいに旨かった。やっぱ日本食が世界で一番うまいってことをすき家は再認識させてくれた。母国ではワンオペで問題になっているのに、こちらでは十人以上のクルーが満席の船内をまわしていてとても雰囲気が良かった。スタッフは多分全員ブラジル人だけど、入店時と退店時には「イラッシャマセ」、「アリガトゴザマシタ」と拙い日本語を発声する教育が行き届いている、かわいい。牛丼がつゆだくじゃないのも良い。頼んでもないのに気を利かせてつゆだくにする輩が日本にはいるけれど、余計なお世話だ。つゆだくにすると米がべちゃべちゃになり、牛丼ではなくもはやお粥と化してしまう。あれが嫌いだから日本では毎度毎度つゆ抜きを頼むのだが、ブラジルでは何も言わなくてもデフォでつゆ抜きを提供してくれた。つゆ抜きで!と店員に言っても通じないし、変な日本人だと思われるだけなのでオーダー時には何も言わずつゆだくが来ることを覚悟したが、杞憂に終わる。同様に大変ありがたいのが、肉の脂肪分が少なく赤身の部分が非常に多いことだ。これは多分おそらく十中八九、ブラジル及び南米の外食全般で言えることだと思うが、牛肉が大変安いので上質な赤身ビーフをおいしくいただけるということだ。わざわざトロ抜きオーダーをせずともペラ肉脂肪たっぷりのビーフが出てくることは皆無。もはやすき家の味のレベルとしてはブラジルの方が数段上ということすらある。帰ったら確かめないといかん。
一〇五日目
12時過ぎに宿を出て昼飯をかます。いつ以来か、メニューを店の外からちょっと眺めていただけで店員の姉ちゃんがわざわざ出てきて食ってけ食ってけ食ってけと腕を引っ張ってくる。400円以内に済まそうと思っていたのだが、姉ちゃんがサラダは?飲み物は?としつこくて600円くらいになった。
リオもサンパウロも都会だからか結構サバサバしてる人が多い。あっさりしていると言えば聞こえは良いが、あまり人に干渉しない。笑顔が多くて陽気な南米を思い浮かべていたが、この辺りは該当しないようだ。田舎が恋しいけど行ったら行ったであいつらは金の亡者だのなんだのと批判してしまう卑小な自分を容易に予測できるのが嘆かわしいところ。
食後にバスターミナルへ。次の目的地ウルグアイの首都モンテビデオ行きのバスを探す。着いてすぐにウルグアイ行きの販売カウンターを発見するのだが、一時間待っても開かない。何をやっとんねん。他のペルーやらアルゼンチンやらは思いっきり開いているのに。しびれを切らしてウルグアイの手前のブラジル側の国境の街、ポルトアレグレ行きのバスを探す。しかし、これはこれで全く見つけられない。ポルトアレグレって州の名前じゃないかもしれないと気づいて調べてみるとやはりアレグレは街の名前で、州名はRio gran de sur。それで探してみると、Rio de surの表記があるカウンターの発見に成功したのでそこに並ぶ。サンパウロまで来るのに利用した1001busという会社。故星野仙一さんの影響が地球の裏側ブラジルまで轟いているのかどうかは不明だが、闘将を思い出させる抜群のネーミングセンスに惚れ込む。並んで20分ほどで俺のターン、明日のポルトアレグレ行きを発注するのだが、うちではやってないからペーニャって会社に行ってください!との返答。闘将はいつも厳しい。ペーニャはペーニャでソフトバンク→オリックス→楽天→ロッテを渡り歩いたパ・リーグの渡り鳥ウィリー=モー=ペーニャを思い起こさせる。ブラジル人もっと野球しろや!日系人の野球選手なんか、元ヤクルトの松本ユウイチくらいしか思い浮かばん。そんなことはどうでも良くてリオデスルはリオグランデスルとは違うみたい。暇だから良いけど時間に追われている人ならぶちギレ必至だろう、自分は心の余裕に自信ニキなので問題ないが。
仙一の正面にあるペーニャのカウンターで切符を発券するのだが、今日の便になってる。俺ははっきりトゥモローって言ったのに。ブラジル人の英語話せない率は日本人並みだと思う。ある程度発展してきてさぁ英語覚えましょうか、ではかなり遅い。すでにその地の言語だけで生きていく土壌ができてしまっているから。発展途上国の人の方がいわゆる先進国の人間よりも英語を喋れるのは当然と言えば当然なのだ。観光で稼ぐには英語がマストだからだ。かろうじて日本は殿様商売でどうにかなっているが、この先どうなるかは全くわからない。
こちらでも15分くらい待たされたが、明日の15時発の便を無事発券完了。ポルトアレグレまで何時間かかるかわからないけど、Googleによると最速ルートで15時間ほどだから20時間くらいはかかるんじゃないかな。切符は269レアルとかなので8000円くらい?やっぱりここまで来ると高い。バスターミナルには無駄に2時間近くいた気がする。気を取り直してメトロでサンパウロ美術館へ向かうことにする。
メトロなんて便利なものを覚えてしまうと人間ダメになる。やっぱりことあるごとに利用してしまう。今までの自分なら片道10キロ、往復20キロ?歩いて余裕じゃんとなっているのが、当たり前のごとく地下に潜り込んでしまう身体に変化している。昨夜はメトロを使って帰ったのだが、ラクすぎる。ひょいひょいだもの。利用するとは言っても使いこなせないのが悲しいところ。
パライソという駅で乗り換えてMASP駅に到着すればそこから徒歩一分、計20分で美術館にはたどり着くのだが、パライソという地名に反応してしまった。中野に「アロマパライソ」という見るからにいかがわしいマッサージ屋さんがあるのだが、そこのことを思い出してしまう。たしか松屋とドンキの間辺りにあったはず。二年ほど中野に住んでいたが、ここに行くか行くまいか幾度となく店の前で悩んだことを昨日のことのように思い出す、懐かしい。結局、毎回迷ったあげく高円寺のピンサロ、宇多田ヒカルよろしくSAKURAドロップに行ってしまうのでアロマパライソには行かずじまいになった。そんなことを考えていたらパライソの改札で外に出てしまった。無駄に三キロ歩かないといけない。
車通りは当然のように多い。リオからサンパウロまでのバスでも、一時間くらい渋滞で動かないことがあった。だけど意外なことに日系メーカーの車は少ない。日産をたまに見かける程度でフォルクスワーゲン一強の印象、あとは赤いエンブレムのメーカー。日系人は多いけど、日系メーカーが弱いのは少し残念。
他の南米諸国に比べてタトゥーをしている人もやたら多い。経済が発展するとおしゃれにもお金をかけ始めるのだろう。旅行の序盤で自分もタトゥーを入れてやろうか迷った。東京で十万はくだらないサイズのタトゥーが東南アジアでは数千円で彫ることができる。身長も低くて陰気臭い東洋人でもタトゥー入ってたらなめられないかもということと、急にタトゥー入れて日本に帰ったらめっちゃおもろいんちゃうかという発想の下である。痛そうだし入れたら一生後悔するだろうなと思うくらいには頭が回っていたので入れなかった、端的に言うとひよったのだ。物価が上がるにつれて、彫るのにもお金がかかるのでこの辺で彫ることはもうないだろう。
タトゥーで不思議なのが明らかに肥満の人のタトゥー。痩せる気は毛ほどもないのだろうが、痩せた場合タトゥーはどうなるんだろう。ぐちゃぐちゃになってしまうのかな。逆もしかりで、痩せた人が太った場合タトゥーとしての役目は果たされるのだろうか。痩せてる人が太って、痩せ戻った場合も気になる、元に戻るのかな。気になって夜も眠れない。
美術館には長蛇の列ができていた。大した観光名所もないから、こうなるのも必然か。日系移民資料館でもそうだったけど、小中学生らしき団体が多い。社会科見学なんだろうが、大都会ではこういった情操教育的なのがしっかりしている。



プラットフォームにはおされなクラシックが流れている。サンパウロはおしゃれな街だよほんと、天王寺とのハイブリッドだけど。改札を通る人のほとんどがICOCA的なICカードを持ち歩いている。驚くのがメトロの車内アナウンスがポルトガル語のみなこと。なんで第二の都市リオが英語のみで、最大都市のサンパウロがポルトガル語だけやねん、不思議だなぁ。










