九四日目

ホステルのイタリア人スタッフの姉ちゃんがとても優しい。オーナーは好好爺といった感じで「コニチハ」、「アリガトゴザイマス」、「メシアガレ」くらいの日本語は話せる。一体どこで覚えてん?この辺では一番安い一泊9ドル。おまけにプールと大きな庭までついている。良い感じで寝れそうやと思っていたのも一瞬で、ベッドで一時間まったりしてるだけで蚊を5匹も潰した。結局朝までに7匹仕留めた。池でもあんのかこの部屋は..発生源は明確。だだっ広い庭だ。蚊さえいなければ完璧な宿。

 寝られないので共用スペースに行くとFUJIWARAフジモンに瓜二つの男性(以下フジモン)にナンパされる。一瞬海外ロケでゲストハウスに泊まらされているのかと思ったが、声は全然違った。フジモンは韓国人の旅人でブラジルから南米を攻め始めたらしい。次に行くボリビアのビザを取るべくパラグアイに滞在中とのこと。日本はボリビアビザ要らないんだぜってドヤ顔したけど、韓国はブラジルのビザが要らないらしい。バランス良くできている。話を聞くとアスンシオンはマジで何もないとこだから早く出たいと。しかも銃が自由だしこの辺はまぁまぁ危険やでって。彼の指指す方向を見ると自分が歩いてきた道だった、少しゾッとする。「死んだらそれまでよ。気にしたらあかん。」ってフジモンは言うけどやっぱ死ぬのは怖い。逆に死ななければ全部何でもないことのように思える。フジモンに捕まったせいで朝の四時まで寝かせてもらえなかった。フジモン曰く僕は完全に日本人の顔らしい。自分は日本人の顔と言われようが、中国人に間違えられても韓国人に間違えられてもなんとも思わない。フジモンは日本人に間違えられるのは良いけど中国人に間違えられるのは嫌らしい。難しいけど面白い。



九五日目


 10時半頃に起床。蚊のせいであまり疲労が抜けていない。朝ごはんも豪華だし蚊さえいなければ完璧。12時半頃に外出、その辺を散策してイグアスの滝の拠点となるフォスドイグアス行きのバスチケットを手に入れに行きたい。外に出て早々、露出度の高い服を着た姉ちゃんの「チーノ!チーノ!チーノ!」と洗礼を受ける。チーノは中国人を揶揄する言葉。まぁ悪気はないのかもしれない。自分は「イェーイ」って返してあげるのだが、直後に鬼の形相でやっかんでくる。こいつは人類と出会うの初めてか?人と会話したことあんのか?アスンシオンさんよぉ。


 気を取り直して中心部へ向かうのだが、いかんせん暑すぎる。溶けそうなくらいに暑い。優に気温は30度を越えている。近くのスーパーでコーラや水などを購入。パラグアイの通貨、グアラニーは一つも持っていないのでクレカでの支払い。ボリビアでは一度も使えなかったので喜びもひとしお。神様、仏様、クレカ様だ。クレカで無双したんねん。


何かわからん

やっぱり何かわからん

何がTOKYOなんや

多分おそらく大統領官邸的な。正面は黒づくめの男たちがいたので撮影は自重した

SUSHI

ほんとに何もない街。というか人がほとんど歩いていない。首都なのに。その代わり警察がやたらいる。厳戒令でも出てるんか。高層ビルも全く見当たらないし。不思議なもので奈良の田舎から出てきて四年、高層ビルを見るたびに「東京ほんますごい」ってなってたのが日常と化し、旅行に出て高層ビルを見ることが少なくなってからは懐かしさすら感じる。そろそろ新宿の居酒屋でへべれけになりたい。

 そんな感じで街は異様な雰囲気を醸している。どこかの東南アジアのごとくそこそこゴミも落ちてるしそこそこに汚い。ただボリビアでとの決定的な違いはヤニのゴミが多いので経済的には少し余裕があるのか。観光的な魅力が一切ないと言われ、スルーされがちなのもわかる気がする。これまた不思議なことに交通マナーに関して。歩行者の信号無視は往々にしてあるのだが、ドライバーが歩行者を優先してくれる。これは今まで行った国の中で味わえなかったこと。ほんとに不思議な国。イメージは魅力度ランキングでワーストとかブービーを取るような某県のような感じ。『未知との遭遇』のBGMがよく似合う。

 二時間ほどひたすら歩いてバスターミナルに到着。新幹線の窓口みたいにしっかりしたところで切符を購入。明後日の0時15分発の夜行を予約。微妙な時間だ。125000グアラニー、2500円くらい。


久しぶりに自炊をした。油がなかったのでマクドナルドでこしらえたマヨネーズ×3で炒め、塩で味付け。ここ三ヶ月で食べたご飯で一番おいしかった。高校時代にあの餃子の王将でバイトしていた腕はダテじゃない。無限に皿洗いさせられてただけだけど。

 牛肉が100円/kg(11/1追記:300円の見間違いかも)とかいうイカれた価格で売られている。肉肉しくて俺好みのもの。やはり牛肉は固くてなんぼよ。南米は肉が安いので自炊の方が栄養も取れるしベターなのかも。ただ野菜がこれっぽっちで200円もしたのは解せない。

ペルーの道のり

ボリビアの道のり

パラグアイの道のり

 ざっくりこんな感じで大体南米で1万だか1万5000キロくらい移動する予定なのでまだまだ先は長い..。「つ」か「?」型イメージで移動するのだが、ちょうど上のところの途中にいる。でもバス移動は嫌いじゃないのでそれほど苦ではない。それよりも待機時間とか、夕方発夜着で夜歩くとかの方が怖いし嫌だ。

 夜にフジモンとは別の韓国人と英語で会話(フジモンは日本に留学経験があるので流暢な日本語)。お互い下手くそな英語で馴れ合いという感じ。安心するけどこれじゃダメなんだよ。ネイティブとしゃべらないと。

 また歯ブラシをなくしたのでスーパーで買った。二日半ぶりの歯磨きをして床に。



九六日目

 「チェックアウトはいつでもいいよー。俺たちはフレンドだから」ってオーナーが超良い人なので長居してしまった。外にいてもすることはないし、雷と風がすごい。ずっと喫煙所→便所を往復していた気がする。Not下痢かつ厠が近いときはやはりタバコを利用して排便するのが有効だと思う。ヤニは偉大。

 昨夜フジモンに「明日飯行きましょー」と誘われていたのだが、フジモンの姿が見えない。そのために釘付けとなり宿を出られない。フジモンが帰還したのは17時頃。昼飯を食っていないので腹はペコペコ。フジモン&別の韓国人と三人で夕飯。

韓国料理ってこんなにうまいのか。米がうまい。辛いしうまい。うまいうまいうまい。二日連続で旅行中の飯ナンバーワンを更新してしまった。フジモンの「いっぱい食えよー」の合図とともに怒濤の食ハラを受ける。言われるがまま飯×3にビールとキムチをもりもりと食す。このあとのバスが心配になるくらい腹はパンパンに膨れたけどオアシスかと錯覚。いやあれはやっぱりオアシス。韓国料理屋ってキムチやナムルがおかわり自由。知らなんだけど有能すぎる。写真には写ってないが、漬け物が10種類くらい。1500円くらい飲み食いしたが、オールおごり。ごっつあんです。食後には虫除けとコーラもおごってくれた。ビッグイベントの終焉に突然「永住権って知ってるか?」って聞かれるから日本に住むための連帯保証人的なやつにならされるのかと思ったけど日本人のパラグアイ移住に関する話でひたすらいい人たち。パラグアイと日本は明治か昭和かに結んだ条約で日本人であれば日本人であるという理由だけで超イージーに移住できる模様。肉安いし割とアリ。

 ずっと甚兵衛を来ているのだけどコリアン二に好評で「いくらなの?買いたいんだけど、どこで買える?」って聞かれた。This is Japanese  Summer  Styleや!

 チェックアウトの概念が存在しない宿を22時前にログアウトしてバスターミナルへ。いざブラジルはフォスドイグアスへ。ここ二日観光はほしてないが、すごく幸せな気持ちに包まれた。やなことがないと愚痴も吐けないので必然的に分量は減る。このままハッピーに手短に済ませたいところ。

続く