三五日目


 6時頃起床。8時集合30分発のバスに備える。朝から雨が降っている。ネパールで雨が降らなかった日はない。雨季にネパールに来ることがいかに愚行だったかと最後まで思い知らされる。


うまいと評判のパン屋で4つパンを購入。1つ20ルピー。大した味ではないが安いし、一個食べただけで空腹が満たされるボリューム。明らかに胃が縮小しているのもある。

 バス停まで歩いて30分。8時前に到着。豪雨で身体はびしゃびしゃ。風邪も悪化しよう。

 待てど暮らせどバスは来ない。バス乗り場の姉ちゃんのしつこい絡みに押し負けラッシーを購入。パンをつまみながらバスを待機。結局1時間遅れで到着。9時半に出発。


 カトマンズ→チトワン、チトワン→ポカラとは比べ物にならない道の険しさ。飛んだり跳ねたりラジバンダリーのオンパレード。ひどいときには車内で叩きつけられる地獄の鬼も顔負けの鬼畜プレイ。全く眠ることができず数回の休憩を除きぶっ通しで6時間ほど乗り続け15時過ぎに国境近くのスノウリで降ろされる。国境までは4キロ。もちろんリキシャは使わない。


ひたすら歩く


30分ほどで到着

 バスに同乗していた白人より先に歩き出していたのにいつの間にか追い越されやつらは先回りして出国手続きを終えていた。リキシャ、腑に落ちない。


 出国手続きはものの5分で終わる。かなり適当。ニコニコの窓口が愛らしい。ネパール-インドの国境間はネパール人とインド人は自由に行き来している。陸路越境は物好きしかおらず仕事は楽なよう。


 次はインド側の入国手続き。国境から1キロほど歩く。不法入国になってないか不安になるが15分ほど歩いたところにちゃんとボロ小屋同然のイミグレーションオフィスがあった。同様にすでに欧米人が入国手続きを終えていた。解せん。


 窓口担当の態度、-152点。言葉遣い荒しスタンプを押したあとにパスポートをぶん投げてくる。どういう教育を受けてきたんやこいつは。


 イミグレーションから出ると大量の客引き。両替をまあしとくかということで両替商についていく。先にレートを聞かないと金だけ奪われる気がした。ここはインドなので。しつこく1000ネパールルピーがおいくらインドルピーになるか問うも教えてくれない。金を出せの一点張り。予想はつくが先にレートを言うと誰も交換しないくらい変換率が悪いのだろう。10回くらい聞いて、やっと教えてくれた。


 おおよそ1000ネパールルピー=630インドルピー、20ドル=1400インドルピーということを調査済だったので2000インドルピー前後手に入れられればと考えていた。が1000ネパールルピーで520インドルピーを提示してきやがる。20ドルと合わせて1620インドルピー。ピンはねにも程がある。400ほどかっさらうのはやりすぎではないか。しぶしぶ1000ネパールルピーのみ渡し520インドルピーと交換。どっこい「その金額じゃバスに乗れないよ。もっと高いから。」と脅してくる。


 バスの値段が200-350なのも調査済。はいはいこれが名物のやつかと一蹴して店を出る。インドには詐欺師しかいないというのはほんとのようだ。ネパールがかわいく思える。国境を超えてから明らかに雰囲気も違う。道の汚さとかはそう変わらないが、ネパール人のゆったり感に比べて心なしかインド人は目がギラギラしている気がする。


 国境を越えているのにネパールのSIMがガンガン使える。中心に行けば使えなくなるのは当たり前だがアホなのでそのことに気づくのはあとのこと。国境で高くてもSIMカードを買えば..。オフラインのマップもダウンロードをし忘れる無能ぷり。


 スノウリからゴーラクプルに行き鉄道でバラナシに行くか。スノウリからそのままバラナシにバスで行くか迷って後者を選択。


何もないバススタンドで待機。

 例のごとくバスは待てど暮らせど来ない。16時半から待ち続けやっとのことで来たのは18時半。出発は19時。バスチケットを車内で購入。321インドルピー(500円くらい)。


 いくらかインドルピーを日本から持ってきていたのでそこから300。さっき両替したやつから20を払う。1ルピー足りないけどおまけしてくれた。


 どういうわけか350を払い込んだと勝手に勘違いし切符の売り子に突っかかってしまう。29お釣り寄越せよと。売り子は売り子で1ルピー負けてやったのにと他の乗客を巻き込んで煽ってくる。


 「こいつ320しか出してないのに、350出したって言い張ってるで」みたいな感じで喧伝される。乗客は爆笑。計算できない日本人とか何とかボロクソ言われてた。


 両替したとき550を手に入れたとすっかり勘違いしていた。50ルピー札だと思っていたものは20ルピー札だと暫くしてから気づき赤面。謝罪するが、許してくれない。まだ怒られる方がマシだ。あんなに煽んなくても良いじゃんと思うも自分の間違いだから仕方がない。警戒フィルタービンビンに立てすぎていたのかもしれない。ここで折れず警戒はし続けよう。警戒してもし過ぎることはなかろう。


 19時過ぎにバスは出発するも道がぎる。ネパールよりマシとか誰か言ってたけど変わらずとても悪い。一睡もできたもんじゃない。3人掛けの椅子にぎゅうぎゅうで座り込んで、身体の小さい僕はプレスされる。プラスチックのシートにケツが痛い。尾てい骨が骨折していないか心配になった。極めつけはドアが常時開放されていること。


普通に走ってる。落ちたら即死。

 バスの中でパンを食らう。あそこでけちらず4つ買っといて良かった。全ての事象は繋がっているんだとしみじみ感じる。


 横のインド人がぺらぺら声をかけてくる。「バラナシで商売やってるからおめえも来いよ!」ちゃっかり番号を渡されるが行くわけがない




ネパール総括


治安★×2.8(安全だと思う。治安にいれて良いのかわからないけれど、交通事情がやばすぎる。道路が舗装されておらずでこぼこ。ほんとにバスで死ぬと思った。)

飯のうまさ★×3.6(うまい。なんでもうまい。)

雰囲気★×3.8(自然も多いのにごちゃごちゃな感じがたまらない。かなり良い。)

物価★×3.0(思ったりよりは安くない。コーラも70円くらいする。安いホステルは一泊300円程度。観光地はやはり高め。)

清潔度★×2.4(汚い。ひたすら汚い。)

Wi-Fi★×2.7(ポカラではよく通ったが、突然切れることが多い。チトワンはカスでカトマンズは微妙。)

総合おすすめ度★×3.1
楽しい国です。

ネパール滞在費

チトワンと郵送費が蛇足。それがなければ2週間2.5万くらいで済んだ。それでも高い気がするけど。



三十六日目

 寝られたのか寝られていないのかよくわからない。疲れているということは回復していないし多分寝ていない。幾度かの休憩を挟み5時半頃バラナシに到着。かと思いきや、わけのわからない道で降ろされる。


 車のタイヤが沼にはまり動かなくなったのだ。乗客全員で押すもバスは全く動かない。いやほんまにクソやろ。どういう運転したらそうなんねん、というかなんで道路に沼があんねん。もはや理解不能。


動かないクソバス


 30分後、緊急出動の小さなスクールバスにすし詰めにされる。対応ええやんと思っていたのも束の間、白髪のじいさんが乗客から金を請求し始める。誰やねんこいつ。20ルピー。


 6時半頃バラナシ到着。SIMカードはもちろん動いていない。ホステルも予約していないのでSIMカードを手にいれることと宿を見つけることが喫緊の課題。身体を休めないともう動けない。


 3時間ほど歩き続けるも同じ場所に戻ってきた。インドという街はRPGのシステム構築に使われるドーナツ型のワールドなのかと疑うがそんなはずはなく自分の方向音痴を恨む。というかそもそもどの方向に何があるのかすらわからない。


 道理でリキシャの兄ちゃんたちにゲラゲラ笑われるわけだ。何度目の逢瀬だろう。SIMカードを売っているところにいっても「Not UPだから中国人、日本人には売れないネ」なんて意味不明なことを言われ購入できない。撃沈。


 無限に同じ場所をぐるぐる回り続け、意識が飛びそうになる。不眠不休十数時間、風呂なし40時間近く。バラナシがエリアごとに別れているということも全く知らずバラナシ以外の地名が不明なので行き交う人々に質問もできない。予習が大事だって小学校の頃から教えられてきたのに。

降参。


 白旗をあげ、リキシャに乗る。ホテルのあるエリアへお願いする。10分後に到着したのは、高級ホテルゾーンだった。ちゃうねん、そういうのじゃなくてもっと安いところが良いねん。お代は250ルピー、当然ぼったくり価格。もう気にする余裕すらない。


 下車後、うろうろしていると別のリキシャの兄ちゃんから声をかけられる。「良いゲストハウス知ってるぜ!」こいつ絶対に怪しいやろと思いながらも早くシャワーを浴びたい&寝たいという欲求が先行。騙されてもええやと思いついていくことにする。


 15分くらい経っただろうか延々と観光の案内ばかりしてきて一向に宿までつかない。事前に物色していたホステルで唯一名前を覚えていたところに行ってくれと、指示を出すとたまたまそいつが場所を知っていた。10時半頃乗った場所と全く同じ場所に到着。乗る必要は全くなかった。が過剰請求されることはなかったのでまあ良しとしよう。250ルピー。当然ぼったくり価格。もう気にする余裕すらない。


「タバコ一本だけくんね?」という馴れ馴れしい態度にはムカついたが、ご愛敬。電話番号をよこしてきたが、かけるはずがない。バカタレ。


ホステル着弾。陽気なオーナーが声をかけてくる。「二泊1500でどう?」いやどう考えても高いやろ。相場一泊300くらいやろ。ブッキングドットコムで見たとき二泊600とかやった気がするし。


「二泊1200朝食で!周りにホステルはないよ」
の一言でKO。こいつらほんま足元見てきよる。最悪。インド人がこうなのかバラナシだからなのか(たぶん前者)わからんけどもうインドを出たい。この国には2度は来ないだろう。


 部屋に案内されるがキングベッド一台のシングルルーム。全然ドミトリーでええのにと言っても後の祭り。


 明後日のアーグラ行の切符とSIMカードを手に入れてもらうようオーダー。ニチャニチャしてるけどもうこいつしか頼れへんしな。


 11時頃から14時まで暫時休憩。「カレーできたよ」なんて言うから、無料と思って食ったらきっちり350ルピー請求してくる。ほんまにほんまに勘弁。


 オーナーが飯食ったらリキシャの運転手とSIMカード買いに行けと言う。15時にホステルお抱えのドライバーがやって来た。ニチャニチャしているのでとても怪しい。


 一軒目、二軒目の携帯会社ともに理由はよくわからないが買わせてくれない。三軒目も一週間後なら使えるとかよくわからないことを言う。あれっ、これって人種差別じゃないか。隣のインド人はスイスイ購入している。ガチな迫害は初めてで怯んでしまう。結局SIMカードは手に入らなかった。ホステルの親父は何度尋ねても「ポケットWi-Fiあるからあとで持ってくるね」しか言わない。どっこい、いつまで経っても来ない。もうええわボケ。次のアーグラで手に入らなければもう一気にデリーかムンバイまで行って、出国しよう。ほんまに腹立つ。お抱えドライバーはきっちり500ルピー請求してくるし「明日は何時に起きるの?何時に来ればいい?」しか言わない。いい加減にしろ。ええよもういくらでも払うからもう2度とその薄汚い顔を俺に見せるな。


 たまたま電波が入るのでブッキングドットコム確認したらやっぱり二泊400。このサイズの部屋だけ1200、しかもドミトリー空いとるやんけ。ほんま許せん。このホステル自体がグルや。


 初日からめちゃくちゃお金を使ってしもうた。オタクのokmtの顔が目に浮かぶ。「室田は余裕がないからダサい」。このくらいは必要経費、勉強代。そのくらい思わないとやってられない。とりあえず寝よう。外に出るのが怖い。しんどい。


続く