十三日目
7時間しか寝ていないのに、7時ちょうどに目覚めた。仕方がないので活動開始。外へ出ようとするとホステルの親父が
「朝飯食ってけよ」
と声をかけてくれる。
ほんとは屋台のカオマンガイをかましたかったのだが、断れずフレンチトーストと卵トーストをいただく。やたら甘い、だがやたらうまい。

フレンチトーストごときじゃ、胃袋は満たされずカオマンガイをかましに行く。

35バーツ。普通だ。普通にうまい。
バンコクに来た目的は、予防接種の注射をブスブス刺すことなので約6キロ離れた赤十字病院へ向けて歩く。
脱糞することを失念していたことに気付き、うんこのことしか考えられない脳みそになる。次第に猛烈な便意が僕を襲う。
今立っているカオサンストリートはバックパッカーの聖地と言われている。その聖地で漏便したらもはや伝説のバックパッカーになれるのではないか、なんてスケベ心を実行に移せるはずもなく直ちにマクドナルドへ駆け込み、65バーツのやたら高いオレンジジュースを頼む。
私「トイレどこですか?」
店「トイレはここを出て右に曲がったとこよ」
店にトイレないマックって何もんやねん、便所利用くらいしかせえへんぞ。ぶちギレそうになりながらダッシュで店を出て右に曲がるもトイレが見当たらない。
あるのは高級めなホテル、
あいつら確信犯的にトイレ使うなら、ホテルの便所使えって言ってたのか。
爆発しそうな肛門を全力で抑え、なんとか排出に間に合う。
見事、脱糞に成功したのち赤十字病院へ向かう。およそ1時間くらいの歩行で11時前とかについた。
この病院はバックパッカーが世界旅行前に予防接種を受けることでお馴染みのようで、到着した頃には十数名の欧米人がすでにいた。
問診票を書き1時間ほど待つが、全然呼ばれない。
時刻が12時を過ぎた頃、やっと呼ばれる。
「ミスター、申し訳ないけど人が多すぎるからお昼休憩後の13時に来てくれない?」
明日来いとか言われたらぶっ飛ばしてたけど、1時間くらいなら待てる。忙しいし全然ええよ。ご苦労さん。
暇潰しがてら病院に併設されたスネークファームを見学。蛇の生体研究をする機関、動物園である。入場料200バーツ、およそ600円。



なかなかかわいいやつら。将来、蛇を飼うのも検討したく思えるほど。温度管理だるそうやけど。
ベンチでだらっとしていると日本人の小学生に英語で声をかけられる。
「緑茶は飲みますか?」
「どこから来ましたか?」
申し訳なく思いながら、日本ですと答えると、驚愕の表情を見せる。いや、英語圏の顔ではないやろどうみても。
「英語の宿題なんですよ」って
でしょうね以外の言葉が見つからない。
13時に戻ると、速やかに診察。
医師との相談の上、黄熱(1200バーツ)とポリオ(700バーツ)、チフス(400バーツ)と日本脳炎(460バーツ)の注射を刺すことにする。

地味に3000バーツ近く、約9000円くらいしたけれども、これで日本の1/3くらい。狂犬病、A型肝炎は南米行く人はやった方がいいけど、期間をあけて三度接種しなければならないので今回は断念。両肩に2本ずつブスッと刺した。
普通に肩が今でも痛い。注射が下手だったのか、あのおばはん。(追記8/19 一週間以上経過しているのに、未だに左肩が痛い。大丈夫かこれ?)
14時、だらだらしながら帰路へ尽く。ぼちぼち雪駄の鼻緒がやばいなあと思っていると

普通に切れた。仕方がないので片足裸足でしばらく歩いたが、バランスが悪いので1964年の東京五輪アベベよろしく両方裸足で二キロほど歩く。
店員にいぶかしがられながらも、ニューcrocsを購入。
屋台が軒を連ねる道をひたすら歩いた。あれもおいしそうこれもおいしそう、となってしまい中々購入できない。朝から何も食っていないので空腹は空腹だが、ここより安くてうまい店があるはずだ、と購入の一歩を踏み出せない。
16時頃、タイの整体店の前を通る。慢性的に腰が痛いので日本にいるときから整体を強く勧められていたが、行ったことがなかった。中に入ると美容院みたいなサロンで、男性は入りづらい感じ。店員も客も女性のみで、入ると「なんだ、この汚くて臭そうな甚兵衛来てるジャップは」みたいな目で見られた、がする。
タイ古式マッサージ400バーツ/60mを選択。
施術中は半分寝てしまうくらい気持ち良かった。骨がバキバキいってるのが楽しい。スケベなオプションとかあるのかなあとか妄想していたが、ここはそういうもののない健全なお店だった。オナ禁はついに二週間を突破した。この旅行を終えるまでエクストリームはなんとかとっておきたい。
施術後、店を出ると身体が心なしか軽くなったような感じ
がするはずもなく、あんなもんはプラセボにしかすぎないと気づく。10年来の腰痛はタイ古式マッサージごときでは治るはずもないのだ。
効いた効いたと言い聞かせながら、屋台ロードを歩き続け、結局昨日のカフェで晩飯。

バンコク1のシェフだ。うまい。
タクシーとトゥクトゥクは旅で使いたくないと頑なに拒否し続けていたら、今日もこれだけ歩くはめに。帰宅即就床。
十四日目
朝9時起床。例のごとく親父が朝飯を食えと。
甘くてうまいフレンチトースト。
食っている途中に便意を催す。
も、タッチの差で間に合わず久しぶりに漏らしてしまった。
肛門の緩さを嘆いても仕方がないが、こちらに来てから水溶性の便しかお目にかかっていない。もともと下痢体質だが、固形にこんなに出会えないのも珍しい。
寺院巡りをしようと思ったが、やる気をなくし部屋に引きこもった。
15時まで睡眠。起床後、うまいと言われるグリーンカレーの店へ。

パッタイと注文した。どうってことはない。むしろまずいかもしれない。パッタイはキムチの味しかしない、グリーンカレーはバジルの味しかしない。店員の対応も雑で灰皿を寄越せと要求したら、奧に写る空き缶を持ってきやがった、なめとる。

スターフルーツのジュースだけは旨かった。合計120バーツ。
帰宅。15日のネパール行きのフライトまで暇すぎる。タイで長居しすぎだ。明日は寺院巡りでもしよう。
続く