悲劇とは。 | 黒柳タピ子の部屋

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思いつきでブログは進む。

毎日暑いですねぇ(^_^;)

 

そういや、以前、アイスクリームが出てくる話らしいということで、

夏目漱石の『虞美人草』のことを書きましたが、

 

読了しました。

 

最後の一文に打たれた( ゚Д゚)

 

漱石、すごい。改めて。

 

紫色を好んでまとう、藤尾という女性が登場しまして。

彼女はとても魅力的で、頭も良くて、美しいのですが、

それでも、

男性からは「選ばれない女」なのだなという。

重さが、後からくるんですよね。

 

彼女を嫁にしたいという男性も居るのですが、彼女が好きなのはその人ではない。

 

好きな人に好かれたいというのは、なんか歌謡曲にも出てきそうな感じでもありますが。

永久のテーマですよね。

 

女性が他に「元祖妹キャラ」な糸子と、「選ばれる女」小夜子が出て来て、どちらもそれなりに可愛らしいのですが、

やはり、この藤尾の魅力には勝てていないような。

 

「夜の世界は昼の世界より美しい事」

 

博覧会のイルミネーションを観て言っていた藤尾のセリフ。

 

後から思い出すと、影の部分を表しているような気がする。

 

そうそう、この小説には博覧会も出てきて、

そこで「アイスクリームを食うて来た」

なんてセリフが出てくるのですが、

ハムエクス(ハムエッグ)や、チョコレートを塗った卵糖(カステラ)なんて、ハイカラな雰囲気の食べ物も出てきます。

 

「書生が西洋菓子を食うようじゃ日本も駄目だって」

和菓子ばかりむしゃむしゃ食べているというお父さんが話に出て来たり。

(本を読んでいてつい、食べ物の部分は好きで読んじゃうんですけど、意外に、近代日本文学に出てくる食べ物って、現代でも食べているものと重なるところがありますよね。そういうところも面白い←ヘンなミーハーな読み方(^_^;))

 

漱石すごいなーと思うのは、〝例え〟が、とにかく面白い。

 

「嘘は河豚汁(ふぐじる)である。その場限りで祟(たたり)がなければこれほど旨いものはない。しかし中毒った(あたった)が最後苦しい血も吐かねばならぬ」

 

他にもあるんですけど(^_^;)

ちょっと毒があったり、ユーモアが効いていたり、共感できたり、スッキリしたりという…。

やっぱり、作家の人、それぞれのセンスがありますよね。

(あんまし読んでないけど)村上春樹さんも〝例え〟がすごいって、ローラン○さんとかがおっしゃってたな。

 

一時期、「文豪がカップ焼きそばの作り方を書いたら」…みたいな本が流行りましたけど、

昨年、

『もしChatGPTが文豪や○○としてカップ焼きそばの作り方などを書いたら』

なんて本が出てたんですね(笑)

ちょっと気になるーー。

でも、元の文豪の作品を知ってるともっと楽しめるかなー。

まだタピ子、ぜんぜん読んでないからなぁ。

 

 

近代日本文学に憧れを持っているので、

樋口一葉さんと夏目漱石先生の紙幣は、とっておいてます。

 

新札に文豪が入ってないのが淋しいなぁ。

 

成井豊さんの『サンタクロースが歌ってくれた』のラジオドラマ版を昔聴いた時に、

「ああ、漱石先生がお札になってるーー」

って現代にタイムスリップした芥川龍之介が言うシーンがあった気がする…。

『サンタクロース…』は演劇集団キャラメルボックスの作品で、何度も再演されているけど、舞台ではそのシーンあるのかなぁ。あったとしても、漱石先生のお札、いまはなかなか見かけなくなりましたもんね。

 

長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ここまでの記事に「いいね」くださった方も、ありがとうございました。

 

黒柳タピ子

 

※結構、へこむことがあって、ブログお休みしようかと思ったくらいでした(T . T)

でも、そのせいで、思わぬ休みができて、漱石先生に向き合えたから。

悲劇と思えたことも、それほどでもないのかもしれない。

後から笑って話せるようなことになればいい…。

…『虞美人草』の喜劇とか悲劇とか言ってる部分って、シェイクスピアっぽかったなぁ。

途中でもハムレットとかそのまま出て来たりしたし。

漱石先生のような文豪もまた、先人に影響を受けているんだ。

いや、漱石先生やシェイクスピア、影響すごすぎ!

 

 

※今夜は松阪ゆうきさんが出る、

『そのとき、歌は流れた』 を観ます!

7/10(水) 20:00~ BS日テレ