市川ラクさんのトルコ漫画『スルタン・スイート(2)』を読んで | *tapi旅* おかわりトルコ!イスタンブール

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何度も「おかわり」したくなる国トルコ。
勢い余って移住し、ゆるく激しいイスタンブール暮らしを堪能。満腹帰国後も、つまみ食いトルコ活動継続中!

予約購入して発売日に届いて早々

くすくすしながら読んだまま

2週間熟成させて← 

もっかい読み返したよー!

 

市川ラクさんのトルコ漫画 新刊

スルタン・スイート(2)

 

 

マンガの中にも登場する、ガラタ塔とナザールボンジュウと
それっぽい銅製品を添えて♡
 
 
ブログ書こー!と読み返したんだけど
気付いたらこのアリサマ。笑

 

 

ということで、

私が注目・共感・グッきたポイントを

じゃんじゃん挙げて行くとする。

 

ラクさんのマンガを読みながら

この記事を読んでいただきたし。

 

 

部屋の窓

まずご注目いただきたいのが

主人公の灯くんの部屋の窓!

 

2巻の最初と後半に出てくるんだけど

その開き方が違うのだ。

トルコあるある、上にも横にも開く窓。

 

バレエ鑑賞

ラクさんが実際によく足を運んでいる

バレエ(やオペラ?)鑑賞。

 

私もトルコを離れ1年ぶりに戻ったとき

ラクさんがチケットをとってくれて

一緒に観て楽しませてもらったのを

懐かしみつつ。

 

買いものバッグ

あと、青空市場の場面に描かれていた

Pazar arabası/パザル・アラバス!

トルコの青空市場でよく見かける

買ったものを入れて

ガラガラ引いて歩けるバッグね。

 

最近ふと、スーパー帰りに

その存在を思い出して

「東京生活でもあれ欲しいな」

と、思っていたとこ。

 

頭にスプーン

オスマン帝国時代の兵士が遠征時に

食事用スプーンを頭に着けていたって話

トプカプ宮殿だかどこだか忘れたけど

見聞きしたことあるかもー!

 

作中に、オスマン帝国の宮廷料理が

いろいろ出て来るんだけど

料理だけでなく、現代に繋がる

文化や習慣についても描かれていて

ほほぅー!ふふーん!へへぇー!だよ。

 

鈴木亮平

しばらく前に日本のTV番組

THE世界遺産で鈴木さんが訪れていた

イスタンブールのテオドシウスの城壁。

 

灯くんもここを訪れて、トルコ...

以前のオスマン帝国...以前の

コンスタンティノープルの歴史に触れていた。

 

マトリョーシカ

トルコではよく見かけるんだけど

マトリョーシカ式の茶机。

家が狭くてスペースが少ない

東京暮らしこそ、あの机が欲しい。

 

殺人ビンタ

2巻全体を通して一番ツボったのが

オスマン帝国の軍人の奥義

オスマンル・トカドゥこと殺人ビンタ!

 

なにそれー!初めて聞いた!!

その由来にも驚きなんだけど

ラクさんの描写がさ、サイコーなわけ。

 

戦場で武器を失った

頭にスプーンを着けた軍人が

命懸けの殺人ビンタをする絵。

 

現実の話だと思うと笑えないけど

この描写は笑わざるを得ない。

 

雑踏と喧騒

カオスな街、イスタンブールの様子が

伝わって来るシーン。

喧騒に遮られる灯くんの声。

カタカナ表記のトルコ語がジワる。

イスタンブールのいろんな音、恋しい。

 

さいごに

この2巻でいちばん刺さったのは

メフメトさんの言葉。
 
「灯は日本人でよかったよね」
「日本ていう安定した国に生まれ育って
よかったねって意味さ」
「人生になんの壁もないんだろうなって」
「人生イージーモードだよね」
 
日本で生まれ育ち、
自分で選択してトルコで外国人として
暮らした身として、すごく刺さる。
 
灯くんが感じたように、
日本に生まれ育ったって
人生イージーモードなわけではない。
 
日本で生まれ育ち、生きていくのは
それはそれで壁だらけだ。
 
でも、メフメトさんの言う
「イージーモード」というのは、
もう根本的に違うんだよね。
 
トルコ(イスタンブール)で暮らしていると
日本(東京)では経験したり痛感したり
諦めたりする必要のない問題に直面する
頻度が非常に高い。
 
ぶち当たる(...というよりも、
トルコでただ息を吸ってるだけで
あちらからぶち当たって来るという感覚)
壁の種類も・性質も・次元も
日本での壁とは全く違う。
 
「人権とは」「尊厳とは」
 
そういった言葉が
頻繁に頭を過る日常、人生。
 
 
トルコには移民・難民も多いし
「外国人」と一括りで表現するのは
乱暴かもしれないけれど
 
帰る/逃げる場所のある人と
何をどうしたってそこで生きるほか
選択肢のない人とでは
同じトルコに暮らす者だとしても
やはり一緒ではない。
 
メフメトさんの言葉は
私自身がトルコで暮らしていた頃に
考えさせられたことのひとつとして
思い出された。
 
 
ここ1週間ほど前から、
トルコでは大きな動きが起きている。
 
SNSを通してトルコの様子を追っていると
不謹慎ながら「既視感よ・・・」と
感じたりもする。
 
私がトルコに住み始めて間もなく
まだ1ヶ月くらいの頃に起きた、
ゲジ公園inイスタンブールのデモ。
 
デモ隊と警察官との追いかけっこに
わけもわからず巻き込まれ、
近くの建物に逃げ込みつつ感じた
催涙ガスのにおいと目の痛み。
 
その他にも、
クーデータ未遂事件や
選挙のたびに起きるいざこざや
 
毎晩決まった時間に行われる
鍋たたきのプロテストで
住宅街に響き渡る鍋を叩く音。
 
街中や公共交通機関の中で
お決まりのフレーズを繰り返し
声高に訴える人々の声。
 
 
今回、マンガを読んで感じたことと
現在トルコで起きていることが
なんだかリンクしつつ、
 
今後も東京からトルコの様子を
見守りながら
自分の住む、生まれ育った国の未来に
不安や憂いも感じながら
 
トルコで暮らす、トルコの人たちが
住みやすい国になって行くことを
心から願っています。
 
 
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