「競争」 or 「競走」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

「競争」は「互いに同じ目的に向かって勝敗・優劣をきそい合うこと」「生物の、ある生息空間や食物をめぐる相互作用。異種どうしの種間競争と同一種どうしの種内競争がある」、「競走」は「一定の距離を走ってその速さをきそうこと」です。(全てデジタル大辞泉より)

つまり、同じ競うことでも、「競走」のほうがより狭い意味であり、当然通常の会議においては出現頻度は「競争」のほうが圧倒的に高いです。

 

ですが、会議によっては――というか自治体によっては、「競走」が結構出てくることがあります。

自治体の事業の中に、走って速さを競うものがありますね。そう、公営ギャンブルです。公営ギャンブルの存在する市町村では、その予算が組まれていて、「○○競走事業特別会計」などの名前がついていることがあるのです。

とはいえ、馬や自転車は「競走」は用いず「競馬事業特別会計」「競輪事業特別会計」などとなっていることが多いので、公営ギャンブルのうち特にボートレース、オートレースですね。これらの予算は、「モーターボート競走事業特別会計」「小型自動車競走特別会計」などとなっていることがあります。

 

いかがでしょうか。これらをぱっと耳で聞いて入力して、変換結果を「競走」のところまでじっくり見るでしょうか。

私は見ずに間違いました。予算の話なんかは当然繁忙期ですから、ぱっと見て「競」を確認した時点でオーケーと判断し「走」の確認をおろそかにしてしまったせいです。忙しくても確認は丁寧にしなければなりません。

とはいえ、「競走」になるのは非常に限られた場合ですから、「ボートやオートのときは「競走」に気をつける」ぐらいのことをどこか頭の片隅に置いておくことで間違いは大抵回避できるかと思います。