「社員にコスト意識がない」と嘆きたくなったら、この考え方 | 会社が勝手に良くなる指示ゼロ経営

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指示、命令、管理は人材と組織をダメにします。「自分で決め、考え、行動する」指示ゼロ、自己決定の組織運営でチームは驚くほど活性化します。
ブログでは実践と研究で得た知見をお伝えしていきます。

■社員が自ら体験し、コストを決めていく

おはようございます。
いつも僕はコンビニでコーヒーを買うのが習慣になっています。
で、最近、最寄りのコンビニに新しい店員さんが入ったんです。

若い女性。
でも怖い。
すご~く不機嫌そうに接客するんですが、怖すぎてレジに行くのに勇気が要りますよ(笑)
丁寧な接客って教育以外はコストがかからない上にリピートに影響するから絶対にやった方がいいと思うんだけどな…
それ以前に、笑顔で接客できない人は採用しちゃいけないんだけどね。

さて、今日は顧客満足と自社の繁栄を両立させるという話です。

顧客満足を上げ収益を下げることがある
先月、NPO法人ドリーム・ケーキ・プロジェクト(DKP)から依頼を受け研修を行いました。
DKPは子ども達が自分の夢でケーキをつくるという素晴らしい活動をされています。
僕の研修の後、NPOのメンバーによる「マジパン講習会」がありました。

マジパンってご存知ですか?
ケーキの上に乗っている食べられる人形です。
流行のキャラクターで作るように依頼されるそうです。


これ、食べられるんですよ


講習会の中で講師の中村秀幸さんが、何度も何度も、強調していたことがあります。
「これを1個つくるのに10分以上かけちゃいけない」
それ以上時間をかけると、採算が合わなくなるからです。
かといって、陳腐な出来は許されない。


時に厳しい口調で話していました


完成度とコストのバランスをどうとっているのか?
その思考法がすごく勉強になりました。

まずは、最高のデザインでつくってみる。
次に、それを10分で作れる方法を考えるのです。
簡素化しても見た印象は変わらない箇所だけを徹底的にシンプルにする。

職人の世界には、とにかく最高の作品を作ることに熱を上げて経営を考えないスタッフもいます。
経営が成り立たなければ、自分がしたい仕事も成立しないということを口を酸っぱくして伝えたわけです。

自由に個性やこだわりを発揮したければ…
社員は誰もが自由に仕事がしたいと思っています。そして、お客様にとことん喜んでもらいたいとも。
自分の個性を発揮して、自由に仕事をするためには全体の最適を考えなければいけませんよね?
それがなかったら単なる好き勝手です。

「満足を追求すれば、収益は後からついてくる」なんてのは危険な考えです。
後から、どのようについてくるか緻密に設計されていなければ、よほど運が良くない限り儲かりません。

さて、今回の「10分」ですが、指示ゼロ経営的には、その数値を社員(たち)自らが算出する方法をとります。
そのためには、必要な情報…原価や人件費などの情報公開も必要になります。
「◯◯分かけたら◯◯円で売らなきゃ採算を割る。でも、その値段で売るのは難しい。他の価値をつけて売るか、もっと短時間で出来る方法を考えるか…」

自ら体験し、方法や数値を決めていく。
そうすることで「自分事」になり、責任を持つようになります。

自分の領域に関することは自分で考えてもらう。
それが基本です。

自ら考え、判断し、行動する。
それがクリエイティブな仕事につながり、時に社長が驚くような、社長の限界を超えた発案をすることになります。

「参画」、大切ですね!

それでは今日も素敵な1日を!