カミーノ巡礼の旅を終え、早くも半年たとうとしてます。
帰国直後から、どのように生活が変わっていったのか、その後の様子などについて書いてゆきたいと思います。
帰国したのは2018年7月7日。
成田に到着し自宅についた時は、まったくの夢うつつの状態でした。
自分の住んでいる町に,まるでシールドがかかっているような妙な感覚。
自分自身がまだどこともつながっていない、体に電源の入っていないような、無気力の状態。
最初の2週間は、夢の中に自分がまだ巡礼を続けている光景が何度も出てきました。
2週間の後半では、なぜか、フランスの空港からロシアの空港、そして成田空港と、なぜかヨーロッパの空港を巡礼で渡り歩いている夢を見続けていました。
やがて、自分が日本に到着すると、その夢はやっとおさまりました。。
45日間と言う長い期間、聖地のようは場所にいると、このような事になることは出発前から想像はしていましたが、今回の旅は想像以上に強い影響を与えていたと痛感します。
2週間たって、やっと時差ボケと体の方は落ち着いてきたものの、意識の方は、依然として、カミーノ上にシフトしたままで現実にいながらして、いつもカミーノの事を考えてしまう、なかなか現実に戻れない状況が続きました。
それほど、カミーノの世界は自分にとって、尊く、天国のような存在かつ、強烈な体験でもあり、その世界に自分がずっとしがみついているかのようでした。
今回の旅では、絵本の中がカミーノの世界で、その中に自分が主人公として入り込み、登場人物もセットアップされ、物語が用意されていた そんな感覚でした。
だから、日本に帰ってからも、ずっと自分はその絵本の中にいて、その絵本からこちらの世界に戻ることがなかなかできませんでした。
それをこちらの現実にシフトさせるのに、想像以上に時間がかかりましたが。。
帰国直後に、まず一番に感じたことは、いろいろなものがリセットされているいうことでした。
旅の前から自分が執着していたこと、余計な物、無駄な習慣などの多くが自分の中から消滅していました。
このことは、巡礼前からも色々話には聞いていましたが、特にフィニスティーラやムシアの巡礼ゼロ地点に行く事で、生まれ変わりや再生と状態になるということで、このようになることはうすうす知っていましたが、まさかこれほどにまではっきりわかるとは思ってもいませんでした。
ですが、結果的にこれを体験することが出来てよかった、帰国後のプラスにつながっていると感じます。
この800キロ+ゼロ地点への巡礼(全約900キロ)となると、早い人でも、1か月以上はかかります。
普段日本で仕事をしている人にとって、長期間の休暇を取ることがなかなか難しいことから、人によっては、何日間に分けて歩いている方もいらっしゃいますが、もし、チャンスがあれば、是非、一気に巡礼することをお勧めします。
帰国後このような状態でまず、始めに行ったことは断捨離でした。
自分の身の周りで必要ないと思われたものを、すべて廃棄してゆきました。。すべてを清算する思いをこめて。。。
そして、旅前に行っていた執着していたこともやめました。
それらを意識的にやめるというより、まったくその必要がないという自分になっていた(変身した)と言った方が正しいと思います。
自分自身の情報をDNAレベルですり替えられてしまったような状態でした。
今にして思えば、それが自分にとって正しい方向に起動修正されたのではと思います。
また、人間関係についても同じような事が言えます。
わかりませんが、会う必要のない人とは、ことごとく繋がりは切れてゆきました。
それは、まるで何かに動かされているかのように、タイミングが全く合わなくなってしまう状況が次々と作られてゆきました。
今にして思えば、所詮そんな関係だったのかと思えてなりません。
しかし、それとは逆に必要ある人とは、今まで以上に絆が強くなり、また新しい交友関係が生まれてゆきました。
さて、カミーノマジックのお話ですが、私は行く前から、巡礼後に自分がどう変化してゆくかがとても楽しみでした。
ブログも書きましたが、今回の旅の後半でお会いしたオランダ人でベルギー在住のマーゴさんと言う女性の体験のお話は、今になっても強く心に残っています。
彼女は、今回2度目のカミーノでしたが、行く前では、仕事も健康も友人もすべてを失い、最悪の状況下であったらしいのですが、1度目のカミーノ体験で、彼女自身がとても強くなったと実感したと言います。
それは帰国後に如実に現れ、彼女は以前の最悪の状況から一変して、自分で会社を立ち上げビジネスを行うまでになったということです。。
そんなマーゴさんとは、以前の彼女と前の自分とが少し重なる部分もあって、非常に共感する部分が強かったペリグリーノの一人です。
今にして思えるのが、自分が強くなったという面において、カミーノ帰国後にカミーノマジックとして受け取った人達に共通しているところではないかと思います。
私の場合、今回のカミーノでいくつか願掛けをしたのは事実です。
願掛けと言っても、お寺や神社などに行って、参拝するときと変わりはありません。
今回は、、数々の教会の中での祈りや、鉄の十字架(クルズデソル)での祈祷、などにおいてなどですが、いくつかの祈りの中で、やはり帰国後の自分に関することでした。
現時点、人生の中盤を迎えた私にとって、これといった生きがいがありませんでした。
何か惰性で毎日を送ってきた部分がありました。
私の性格からか、一度何かに対して情熱を注ぐ事があっても、すぐに途中で投げ出したり、あきらめたり、長続きすることがなかったのです。
何か1つでも生きがいのようなもの、生きる糧となるものが欲しい、と願ったのはこの時でした。
できれば、一生モノとして、何か欲しい!どうかそれをお与え下さい。と。。。
まず、帰国後に、それと思われるものがだんだんと、引き寄せられてゆきました。
この先どうなってゆくのかが、楽しみです!
自分自身の何が変わったのかと言えば、マーゴさんのように強くなったという言葉を言い換えるならば、ぶれなくなったと言ったほうが正しいと思います。
翻弄されなくなった、焦点が合うようになってきたなどです。。
また、カミーノ上で会ったもう一人のペリグリーのCさんですが、ブログにも書きましたが、彼女は今回ずっと勤めていた会社を退職し、第二の人生として、カフェを開くのが夢とのことでした。
その人生の分岐点としてカミーノに来たということでした。
つい、この間Cさんから久々に連絡が入り、どうしているのかと言うと、カフェでバイトをはじめたとのことで、その用意が着々とすすんでいると言うことです。
今までに経験したことのないことへの挑戦で、今一生けん命頑張っている姿が感じられ、うれしい限りでもありました。
そんなわけで、自分にとってのカミーノマジックは、一言で言い表せない程のたくさんのプレゼント
を受け取った事になるかと思います。

また、そのマジックは、巡礼が終わってからも長く続いているという気がします。
カミーノでは、様々な怖い思い、悔しい気持ち、悲しくて泣きたくなる場面、うれしくて、楽しくて、感動してと、どれも究極すぎて 濃厚なライフのエッセンスを体験してきました。
それだけに、今でもそこで出会った人たちの顔、景色などを思い浮かべると、胸が熱くくなり、カミーノすべてが愛おしくてたまらなくなります。
また、将来、行ける機会があれば、絶対行きたい! また冒険したい!と日々感じる毎日です。
約6か月書き続けてきたブログもついに、今回で終わりを告げようとしておりますが、旅に終止符を打つようでとても名残惜しいですが、この旅の経験は一生の宝物
、永遠と心の中に生き続けることでしょう。。

これから、カミーノに行きたいと思っていらっしゃる方、行くご予定ある方、 是非、勇気を出して、多くの事を体験してください。
それは、きっと、かけがえのない素晴らしい思い出になることでしょう。
良い旅を!
良い旅を!

そして、今まで、長らくお読みいただき、本当にありがとうござました。
ブエンカミーノ!!
