介護保険と成年後見制度の申請のために、20年ぶりくらいに叔母といとこに会った。
母親を介してしか交流がなかったのと、わたしを無理に母親とあわせようと懐柔する電話をして来たことがあるので、疎遠にしていた。

不倫婚外子のため、母子家庭で育ったのだが、すでに他界した父親を含め、驚いたことに、彼らは誰一人として、わたしが虐待されていたことを知らなかった。愕然とした。
真実のほんの一部を訥々と話すと、皆が一様に唖然としていた。

そしておきまりの質問。

どうしてそんなことするの?

被虐待者に聞くことか?とも思うし、知るか!とも言いたいところだが、知っているので答える。

自分が劣等感と嫉妬にまみれて生きていて、不幸だから。自分より弱いものを痛めつけ、支配して、優越感を感じることで自分を保っているから。自己愛性人格障害だから。人の気持ちが理解できない特性を持つ発達障害があり、精神年齢と現実対応能力、ストレス耐性、問題解決能力が著しく低いから。機能不全家族の負の連鎖だから。
幼児の万能感を引きずって生きていて、人間として未熟だから。自分の気分を良くするのは、自分以外の誰かの役目だと信じているから。

さらに驚くことに、彼らはこの説明を全くと言っていいほど理解できない。
その上、わたしの周りには沢山のサバイバーがいるのに、彼らの周りには、一人もいないらしい。
ニュースで散々見聞きしているDVや虐待の話は、遠いよその誰かの話なのだ。
どうしてそうなるのかを、一度も真剣に考えてみたことがない。あるいは、考えてはみたが、わからなかったので、特に困らないので、そのままにしておいたのだろう。

アダルトチルドレンのカウンセラーには、被虐待児が多い理由がよくわかる。

多少の何かはどんな家庭にだってあるのよ。とか、もう許してあげたら?とか、親だって辛かったんだよ。とか、訳知り顔でいう人間を信用してはいけない。
何故なら彼らは、何もわかっていないからだ。