妻沼聖天山 歓喜院 秋季大祭 の記事から続きます。
今回は、山伏問答を記事に致します。
(時系列は異なりますが、山伏問答中の写真です。)
大般若転読法要の後、柴燈護摩までの間に、露店のたこ焼きをいただくことにしました。
食べる事で、自らの意識と身體を、この世の次元に一旦引き戻します。
しばらく境内の露店などを見て回り、お祭り気分を楽しんだ後、柴燈護摩への参加に備えて、関東三十三ヶ所観音霊場16番の聖観音様にご挨拶します。
膻中に響かせるように、微かな声で御真言をお唱えします。
そして脳空に響かせるように、呟くような声で御宝号をお唱えしました。
「南無観世音菩薩」
意識を柴燈護摩に合わせて、会場へと向かいます。
お祭り広場に設置された護摩壇です。
金剛夜叉明王が護る、北方の角に座ることができました。
対面に軍荼利夜叉明王の御幣が見えます。
軍荼利明王は、歓喜天様ともご縁がある明王です。
こちら妻沼聖天山でも、御本殿右奥にお祀りされています。
導師が座る、正面から写した風景です。
護摩壇中央には、大聖不動明王の白い御幣がお祀りされています。
柴燈大護摩供が、いよいよ始まります。
大幣と弓矢を持った山伏が入場します。
大幣が道場内に立てられました。
山伏問答にて、柴燈大護摩供の深甚なる意義が語られます。
続いて、法斧作法です。
護摩壇に用いる壇木を、切り出すさまを顕します。
そして、寳弓作法です。
降三世夜叉明王, 軍荼利夜叉明王, 大威徳夜叉明王, 金剛夜叉明王 が護る四隅で、法の弓によって破魔矢を放ち、結界を張って道場内を聖域とします。
続いて、法剣作法です。
不動明王の宝剣によって、結界内の一切の魔を断ち切ります。
さらに、津軽地方に伝わるという火性三昧の清めの荒行。
燃えている松明を、股の間や、なんと袖の中から懐を通すまさに荒行です。
幾たびも繰り返しながら、道場内を一周し、結界内を更に清浄な地とします。
…。。驚きです
行者様の決定心に、思わず手を合わせます。
ありがとうございます。
神事や佛事に関する作法等は、参列者としても真剣に受けとめ、場を清めた後の結界内に軽々しく足を踏み入れる行為は、慎まれた方が佳いのではと思います。
これは、神罰・佛罰が下るといった話ではなく、その行為自体が、
「祈願や結界など気休め、という世界観を選択する」
と、自らが自分自身へ表明していることになると思うからです。
~如是我聞~
山伏問答より
護摩奉行 問うて曰く
柴燈大護摩とは如何に。
客僧先達 答えて曰く
柴燈大護摩供とは、修験道の秘法護摩供にして、
阿字の大地に壇木を積み、
鑁字の浄水を灌いでこれを清め、
羅字の智火をもってこれを焼き、
訶字の風を起こし、
佉字の空に帰す、
即ち 地・水・火・風・空、五大を一緒に集め、
これを修行する行者は、五佛の三昧耶に住し、
六大理観に入り、
本尊と我とは、不二の境地に入るの儀にして、
その形義 次第 観念には、深甚なる意義を有するものにて候。
妻沼聖天山 秋季大祭 山伏問答より
阿鑁羅訶佉 とは、梵字で書くと、
अ व र ह ख となり、
地水火風空 を表します。
※山伏問答の内容に齟齬があった場合は、私の理解力の故です。
ご容赦ください。
参列者も柴燈護摩の意義を感じ取り、厳粛な氣が道場内に満ち、いよいよ点火です。
妻沼聖天山 歓喜院 柴燈護摩 の記事へと続きます。