本物を残す | 美・楽・優・遊・麗・氣・愛

本物を残す

今朝、80歳を超える業界の重鎮と話をした。

その方は鞄メーカーの仕事をずっとされていて、今もエルメスをも凌ぐと言われている日本の鞄の会社の顧問をされている。

手でひとつひとつ丁寧に作られた革製品はほつれが出た場合修理ををすることで孫の代まで持つと言われている。

経験を積んだ人々にはその良さが認められオーダーをする人も少なくない。

話の内容は日本の伝統や手作りの良さ、本物と言われるものをどう残していくか。

ブランドという記号でのモノの価値観の判断ではなく、そのモノが持つストーリーを価値として判断してもらえるように世の中に働きかけたい。

日本から生産工場がなくなり、職人さん達が行き場をなくし廃業をせざるを得ない状況になっている。

日本のモノ作りの技術は素晴らしいものがたくさんある。

伝統的な手法ももっと現代的にアレンジする、使える材料を既成概念に捉われないアイテムで展開する。

もっともっと、いろいろな事が考えられる。

考えている人はきっとたくさんいるのだと思う。

しかし、どこでどうそれを提案し、具現化することができるのか、それが問題だ。

それと、職人さん達が自分の仕事に誇りを持てるようなシステム作りも大切だ。

そのためのアイデアもいろいろと思案中だ。

個人の力ではなにもできないのが現状だ。

誰がその旗振りをするのか、その重鎮にはサポートして頂くことにして、話の流れからは私がやらなくてはいけないのでは……と今日1日考えてしまった。

私の周りにはいろいろなブレーンがいることをその方はご存知で(20年以上のお付き合いがあるので)私がやる!と手をあげれば人は集まってくるでしょう、と言われる。

確かに私の周りにはファッションに携わる人に限らず、本物を追求する人、そして環境に優しく人にも優しい事をコンセプトにしている人が多く集まってきている。

特に美容や健康関係の人がここ2、3年増えてきた。

美容や健康に関してはもう何年も前から興味のある分野でいろいろと調べている。そして、ファッションとコラボレーションしていきたいという企画も温めている。

これは、まだ誰も着手していない企画なのでここで紹介することはできないが、一部の業界関係者に話をしたら「いける!」とのお言葉。

美容や健康面での本物はケミカルではないもの、そして昔から培われているものということが基準になる。

例えば、ヘアケアに関する事で言えば『経皮毒』の話。これを知っている人は何%くらいいるのだろうか?

経皮毒の話を聞いて怖くなりヘアケアをナチュラルなものに変えた。

ケミカルなシャンプーとカラーリングで悲鳴をあげていた私の髪の毛はそれを変えるだけで健康的に甦った。

そして教えてあげた友人からも髪の毛が健康的になったととても感謝された。

ファッションも美容も健康も私の中では同じ概念としている。

本当にイイものはまだまだ世の中に浸透していないものが多いので、これをもっと世の中に広めたい。

先日、インドの結婚式で日本に25年住んでいるインド人の知人と話をしていた時も、日本人はブランドという記号で価値を見出す。残念ながらモノのクオリティで価値を見れる人が少ない、と言っていた。

今、私はインドの伝統工芸を私達のファッションに合う商品として開発をしてきたがなかなかマーケットに浸透しない状態だ。

価値の解っているお客様からは「どうしてこんなに安いの?」と、イベント出店の時に言葉をかけてもらった。

その一言がどれだけ私にとって嬉しい言葉か…。

そして、悲しい言葉が「○○ではパシュミナは¥○○○○で売っているのにどうして高いの?」

これが重鎮達が言うところの価値が解らない人。

購入することで社会貢献にもなっているということも理解してもらえないと本当に悲しくなる。

最も、日本でフェアトレードの言葉の浸透率が昨年は18%弱だったので無理もないのかもしれない。

日本の本物とインドの本物、私にとってはどちらも残したい大切なものです。

これを読んでご意見のある方はどんどんコメントを書いて下さい。