高齢者専門の病院で勤務していた私。
当直を主体として仕事をしていました。
当直は、思いもよらないことがあって、楽しい面もありますが、ちょっとビックリすることもありました。
私が勤務していた病棟は2階病棟。
2階病棟は別棟の3階病棟と廊下でつながっていました。
斜面に建っていたので、本館の2階が別館の3階の高さだったのです。
2階病棟の当直は3階病棟も担当です。
ナース2人とヘルパーさん1人で、70人ほどの患者さんを看ていきます。
かなりの人数を看ていきますが、状態が安定している方が多いので、通常はなんとかなりました。
ですので、仮眠を取ることもできたりするのです。
2階病棟から3階病棟へは渡り廊下でつながっています。
ちょっとだけ坂道になっていました。
2階病棟から3階病棟を見るとちょっと薄暗く、初めての時はちょっと行きにくかったです。
夜の病院は確かに不気味です。
私も、以前の病院で、初めての夜勤の時は怪しい体験をしていましたから。
しかし、慣れてしまえば、3階病棟へも行くのはなんてことありません。
私はいつものように3階病棟へ、見回りに行こうとしました。
『誰かがやってくる』
暗闇の中を誰かがこちらに向かってくるのです。