一口の水も上手く飲み込めませんでした。
飲み込みが悪くて、すぐ気管支に入ってしまいます。
年齢を重ねて、年を取ったら、むせてすぐに咳をしているような感じです。
『咳をするのがこれまた痛い!』
喉は痛いですし、鼻にも響きます。
ですので、水はあまり飲みたくありませんでした。
1回、むせたものですから、それからは、水は口に含むだけにしました。
もう、むせて、痛みを増強させる必要はありませんから。
それでなくても、痛くて、苦しいのですから。
それなのに、翌日には流動食が始まりました。
全身麻酔ではありませんので、お腹の調子が悪いわけではありませんから。
「食べるようになると、傷の快復も早くなるからね」
眼鏡の奥の目をへの字にさせて、先生はいいます。
「最初は、ちょっといたいかもしれないけど・・・」
『嫌な、予感』
先生の微笑みの後は、どうも辛いことが待っているのです。
そして、やはり・・・。
食事として出てきたのが、重湯と牛乳とオレンジジュースでした。
重湯はお粥の上澄みで、どろどろの液体です。
グ~、ギュ~
体は正直なものですね。
2日間、何も食べていなかったので、お腹はすぐに反応しました。
当時は、若く、食べ盛りでしたから。
お腹は欲しがっています。
『どれを最初に食べようか(本当は飲もうか、なのですが)?』
重湯と牛乳とオレンジジュースを見渡しながら、考えます。
一番、味があって、おいしそうだから・・・。
『よし! 決めた! オレンジジュースにしよう』
オレンジジュースに手を伸ばしましたが・・・。
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TAO心理カウンセリング学院