喉の手術(2) | TAO心理カウンセラーの道 :心と身体の悩みを解決するために!

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「息ができない・・・」

扁桃腺を切除するのですから、出血はつきものです。

「血液を飲んではいけない」といわれていたので、喉の奥で止めておきます。

すると、当然ですが、口で呼吸はできなくなります。

通常であれば、鼻で息をすればいいのですが・・・。

先程の手術で鼻にはガーゼという栓がされています。

鼻では呼吸ができないのです。


私は大きな目を開けて、手で口の中を指さします。

かなり大きなジェスチャーで口の中を指しました。

「なにしてるの? 静かにしていないと他の所に傷がついちゃうじゃない」

先生は、ちょっと困ったようにいいました。

それでも私は、口の中を指さします。

なんとか呼吸ができるようにして欲しいからです。


数十秒だとは思いますが、呼吸ができない状態が続きます。

必死に、口の中を指さします。

呼吸ができないのですから、話をすることもできません。


「苦しいの?」

聞かれたので、私はうなずきます。

「静かに呼吸してね」

そういわれてもできないのです。

私は手と首を横に振りました。

そして、鼻を指さします。

ようやく先生も気がついたようです。

「そうか、鼻の手術の後だから、呼吸ができないのか」

私は、大きくうなずきます。


「じゃ、まず、血液を口から出してみて」

看護婦さんが口元に容器を持ってきます。

しかし、喉に麻酔がかかっているため、うまく吐き出せないのです。

仕方なく、自分でその容器を持ち、前屈みになって、血液を出しました。

重力を利用したのです。

そしてようやく話をすることができました。

「先生、息ができません」

そういうのがやっとでした。


「考えてみれば、そうだよな。鼻の手術の後だからな、呼吸できないのは当たり前だね」

先生は穏やかにいいます。

私は、うなずきました。

「じゃあ、こうしよう。吸引しながら、やろう。苦しくなったら、合図して」

私は、うなずきました。

そうして、ちょっと切っては、吸引。切っては吸引。

そのため、手術時間がかなり長くなりました。

唾液もたくさん出てくるので、しょっちゅう、吸引してもらいました。


手術後の先生の話です。

「鼻と喉の手術を同時にやったのは初めてだったけど、いい経験になったよ。二つ同時にすると、呼吸できないから、かなり危険な手術になるんだね。これからは、数日おいてから行うことにするよ。1つ1つは簡単なんだけどね」

だって・・・。



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